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本日紹介いたしますのはこちら、「藤子・F・不二雄大全集 ロケットGメン」です。
作者は藤子・F・不二雄先生。
小学館さんより刊行されました。

さて、本作は62~63年にかけて「小学二年生」にて連載された作品です。
本作を簡単に説明しますと、少年が相棒のロボットとともに、凄いロケットを乗り回して事件を解決するというもの。
本作が連載されていたときは、同時によく似た感じの「すすめロボケット」「ロケットけんちゃん」を他誌で連載しておりまして、そのあたりの好評を受けて作られた作品といえるかもしれません。
ですがそれらと違うのは、ロケットはあくまでロケットでロボットではない、凄いとは言えあくまで乗り物だと言うところ。
そういった意味で本作はそれらよりも、「海の王子」に近い作品なのではないでしょうか!

乗っていた船が沈んでしまい、漂流していた二人の男性。
一週間もの時が過ぎ、もうダメかと思われたそのとき、とうとう視界の端に島が移りました!!
力を振り絞って舟を漕ぎ、辿り着いたその島は……食べ物どころか水すらなさそうな、岩山同然の小さな島でして。
いよいよダメだと思った矢先、こんな島で声をかけてくるものがいたのです!!
……が、その声のするほうに行ってみても誰もいません。
あったのは、たるがひとつだけ。
なんだかわかりませんが、どこかから打ち上げられてきたもので、そこに食べ物がはいっていないとも限りません。
あけてみよう、と大岩を持ち上げて叩きつけようとしてみると、突然たるから煙が噴出したではないですか!!
そしてたるから奇妙な音を立てながら
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頭と手足が生えてきて……
突然の出来事に、二人は気絶してしまうのでした。

二人はベッドの上で目を覚ましました。
目の前には、先ほどのたると一人の少年がいます。
君は誰だ?と尋ねてみれば、少年は答えました。
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ひでお。またはロケットGメン、と!!

なんだかシュールな自己紹介ですが、そのあと2人にご飯までご馳走してくれたひでおは悪いやつではなさそう。
ひでおによれば2人が目覚めたここは、あの島の中なんだそうです。
そしてひでおはこの島に、おじいさんと2人(あとあのロボ、ピックと)で住んでいるんだとか。
この少年の正体はいったい?
そこに切り込む前に、突然鳴り響いたブザー。
その音を聞くや否や、ひでおは操縦訓練の時間だ、といってどこかへと走り出していってしまいました。
二人があわてて追いかけてみると、なにやら立派なマシンにひでおとピックが乗り込んでいきます。
二人のうちの、若い方の男性が同乗を頼み込んでみると、以外にあっさり了承してくれたひでお。
ほどなくマシンは物凄いスピードで走り始めるのですが、その目前にいきなり巨大なロボがせりあがり、妨害を仕掛けてきたではないですか!!
ですがひでおは見事なハンドル捌きでそれを回避したのです!
さらになんかにょきにょき生えているでっかいマッチ棒のような物を発見すると、マシンのハッチを開いて身を乗り出し、銃で狙撃。
的確に命中させ、そのマッチ棒的なものをすべて破壊して見せました!!
次に現われたのは分厚い壁。
今度はその壁を避けもせず、真っ向からぶつかって破壊します!
行き着く暇もない障害物の連続でしたが、止めとばかりにやってきたのは超巨大な落石です!
これをどう避けるかといえば、
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なんとマシンが真ん中から真っ二つに分離、2機のロケットとして独立して避けて見せたのです!!

訓練が終わってみれば、マシンとひでおのすごさがばかりが浮き彫りになりました。
そのマシンに感心しきるの二人ですが、そこへマシンを作ったと思しき彼のおじいさんが現われました。
対面してみれば、そのおじいさんは二人のうちの年配の方の男が知っている顔だったようで。
望月君じゃないか、懐かしいなぁ!と親しげに話しかけるのですが、おじいさんは人違いだといって逃げ出してしまうのです。
その時の反応からすると、おそらくおじいさんも年配の男の顔を知っているような感じなのですが……?

ところでこの二人……年配の男性は科学者の細川、その助手だと言う丸山はどうして漂流していたのでしょう。
驚くべきことに、彼らの乗っていた船は途方もなく大きい海蛇に襲われて沈没してしまっていたと言うのです!!
ひでおもおじいさんもその巨大海蛇のうわさは聞いていましたが、まさか本当だとは思っていなかったんだそうで。
ならばとひでおは調べてみようと先ほどのマシンでパトロールに出かけることにしたのです。
一緒に行きたいと言う丸山をつれて発進するマシン。
このマシンはあの高速機動や分離機能、高強度だけでは飽き足らず、なんと水中まで自在に運行できるようです!
合体時にはそのすべてが一機でおこなえるわけですが、分離した状態ではひでおの方がロケット、ピックの乗っている方が潜水艦になるのだそうで。
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二手に分かれて探そうと言うことになるのですが、早くも海蛇の手がかりを掴むことに成功するのです。
いや、手がかりなどという生易しいものではありませんでした。
海蛇に襲われている、というSOS信号をキャッチしたのです!!
急いでその現場に急行するひでお!
そこでは
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大きいなんて言葉が生易しいくらいに巨大な、黒い海蛇が船に襲い掛かっていて……!!
あまりにもサイズが違いすぎる上、マシンの機銃掃射すら跳ね返すこの巨大な海蛇。
連載第1回にしてこの強敵、はたしてひでおはどう立ち向かうのでしょうか!!

というわけで、マシンを駆って悪を打つ、アクションモノである本作。
その内容はやはり「海の王子」を髣髴させるものでして、どのお話も1エピソードあたり4話、100Pを越える大ボリュームで繰り広げられるのです!
本作の目玉はやはり、小さなロケット一機で、悪の組織が操るバカでっかいロボットや戦艦なんかと真っ向勝負するところではないでしょうか!
古くから伝統的に描かれている、小さいものがでかいものを倒す、というカタルシス的な味が存分に楽しめるないようなのです!
敵も悪の組織といえば人くくりに出来るのですが、それも世界制服をたくらむ水中魔城の一団だったり、王国を乗っ取った将軍率いる軍隊だったり、世界中の警察から警戒されるテロリスト集団だったりと、実に様々。
とくにその将軍率いる軍隊とぶつかり合う「レムリア王国を救え!」と言うエピソードは、8話250P超に及ぶ大長編!
物語も二転三転し、集団同士の逃走や、魅力的なライバルキャラの登場、児童向け作品としては珍しいヒロインの活躍などなど、実に見所満載のお話になっているのです!!

ですがそのあたりが仇になったのでしょうか、本作の連載は1年で終了。
児童向け作品としてはお話も重かったり、お話がその号だけで完結しなかったり、と本格的過ぎたのかもしれません……!
本作で驚くのが、物凄く打ち切り臭のする終わり方をしているところ。
巻末の作品開設で池田先生がおっしゃっているように、F先生は最終回なら最終回らしく、多少無茶してもお話をたたんでしまう技量をもっていらっしゃいます。
本作の最終話では、エピソードの途中で物語がぶった切れていまして、いちおう最後のコマの最後のセリフでこれで解決しますよ、と言う含みをもたせている……程度のまとめ方しか出来ていないのです。
何か事情があったのでしょうか……?
ともかく、多作なF先生ですからこう言う作品がすこしくらいあってもおかしくはありません。
それでもやっぱり珍しいと言うのが第一印象。
そのビックリのラストはある意味で一見の価値ありといえるでしょう!!

F先生の隠れた名作、「藤子・F・不二雄大全集 ロケットGメン」は全国書店にて発売中です!!
今まで見単行本化だったのが不思議なくらいよみごたえある本作。
他のF先生による児童漫画の例に漏れぬ、子供だましではないアクションが楽しめますよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!