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本日紹介いたしますのはこちら、「とめはねっ!鈴里高校書道部」第11巻です。
作者は河合克敏先生。
小学館さんのヤングサンデーコミックスより刊行、ビッグコミックスピリッツにて連載されています。

さて、9月締め切りの書の甲子園に向け、それぞれ書きたいものをきめて練習に励んでいる書道部一同。
ですがそんな折、望月が柔道の国際強化選手に選ばれることになりまして。
喜ばしいことではあるのですが、そうなると書道部との掛け持ちをするのは難しくなります。
望月はこのまま書道部をやめざるをえなくなってしまうのでしょうか……?

その残酷な報せは突然やってきました。
いつものように姦しく書道部の活動を楽しんでいた一同の元に、突然やってきた柔道部の顧問、島田先生。
そんな彼から開口一番、こう告げられたのです。
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もう書道部の活動はやめなさい、と!

望月は国際強化選手、B指定に選ばれました。
その上のA指定選手と言うのはいわゆるオリンピックに出るようなトップ中のトップ。
各階級上位2名しか存在しません。
その下に位置するB指定選手でも、ほとんどは社会人か大学生で、高校生のうちに選ばれる望月は相当な評価がされていると言っていいのです!!
ですがそうなると当然オリンピックを目指して練習をつむ立場になるわけで。
学業の合間を縫って強化合宿に参加しなければならず……書道部の活動している暇なんてないのです!

今まで以上に強引な感じで望月をつれて帰ろうとする島田先生。
ですが意外なことに、そこに割って入ったのは影山先生です。
望月にもう少し書道部の活動をさせてやってくれないか、今書道部をやめさせてしまうのは中途半端すぎてもったいない、週1でいいから続けさせてくれ、と懇願してくれました!
そしてここぞとばかりに三輪も援護射撃。
毎日休みなく激しく練習したら疲労がたまって怪我をしやすくなる、週1書道の日を作って体を休ませつつ、精神面を養えたら一石二鳥ではないか?と畳み掛けたのです!
過去三輪に言いくるめられた経験のある島田先生はそこで怯みます。
そこにさらに、本人には自覚はないでしょうが追い討ちをかけるように声をあげたのが、ひろみでした。
書道部の一同をバックに、真っ直ぐな言葉での懇願をしたのです。
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私たちからもお願いします、望月さんに書道を続けさせてください、と……

真摯なお願いの甲斐もあって、望月は週1ながら書道を続けられることになりました。
ですが書道部の面々の士気は明らかに落ちてしまっています。
中でも縁は重症。
望月さんならどんな練習にもついていけるでしょう、仕方ないんじゃないですかね、と妙に物分りの良いことを言っているのですが……
望月がいなくなって一番意気消沈しているのは、間違いなく縁なのですから。
その証拠といってはなんですが、最近の書には筆に力がないようで……
そんなところに良い報せが入ります。
先日書道部全員で作品を贈った、高野山競書大会。
その大会で、なんと部員全員が入賞を果たしたと言うではないですか!!
高野山競書大会で最も上の賞は「弘法大使賞」なんだそうです。
そしてその次の賞が「金剛峯寺賞」。
他にも高野山管長賞、全日本書道連盟賞、南山賞……などなど、全部で10個ほどの賞があるのだとか。
そんな賞の中で上から二番目の「金剛峯寺賞」を受賞することが出来たのです。
それも、二人も!!
一人はもちろんこの書道部のエースにして部長、ひろみ。
そしてもう一人は……
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縁です!!
彼が締め切りギリギリの夜遅くまで作品に没頭し、いま書道部でかなの書を指導している縁のおばあさんからもお墨付きをもらった会心の一作を提出していました。
見事におばあさんの指導力と、自身の成長を示して見せた縁。
他の部員たちも、島が高野山管長賞、加茂と三輪が高野山総長賞、望月が南山賞、羽生が書道協会賞、と獲得。
せっかくですので、一同はその表彰式にでる傍らで作品を鑑賞しに行くことにしたのでした。

一方で強化合宿に参加していた望月も成果を出していました。
このまま才能を伸ばしていけば、間違いなく大物になる!
そう睨んだ島田先生は、何とか書道部をやめさせようと画策し、理事長にその話を持ちかけました。
そして事は大きくなっていき、そのことに関しての会議が催されることになったのです!
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オリンピックに出るようなことになれば、在校生の(学校の)誇りとなる、と柔道部に専念させようとする島田&理事長派。
そして実力をつけ始めている上、当人も続けたがっている書道をやめさせるべきではないと考える影山&校長派。
世界を舞台に活躍する道を目指すか、その障害になってもやりたいことをやるか?
渦中の人、望月が選ぶ道は……!?

というわけで、いよいよ望月に選択の日がやってきてしまった今巻。
オリンピックか、トップクラスとは到底いえない書の道か。
何も知らない人からみれば選ぶ余地などない二択ですが、当人のことをよく知るものからみればここで書道をやめさせるなんてとんでもない!と言いたくもなるわけで。
書道でも実力をつけ始め、何よりもその持ち前の明るさで書道部の心の支えのような存在にまでなっていた望月。
彼女がやめるのは、書道部にとっての損失も多大です。
どうにか彼女に書道を続けて欲しい。
でもオリンピックという誰がみても大きな舞台を視野に入れるとなると……?
望月の選択は?
書道部の面々はどうするのか?
そして何よりも縁は!?
書道部になだれ込んできた激動。
望月はそこでひとつの答えを出すことになるのです!!

柔道一本か、書道を続けるのか?望月に選択が強いられる「とめはねっ! 鈴里高校書道部」第11巻は全国書店にて発売中です!!
こんな騒動の最中で、さらにあの人までやってきてしまう本作。
縁もボヤボヤしてはいられませんが!?
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!