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本日紹介いたしますのはこちら、「水木しげる漫画大全集 ゲゲゲの鬼太郎」第1巻です。
作者は水木しげる先生。
講談社さんより刊行されました。

さて、本作は水木先生の50年を超える漫画家生活で生み出されてきた作品を完全網羅して刊行しようと言う大全集の、記念すべき第一回配本作品の一冊です!
なにせ水木先生作品といいますと、実に様々な出版社さんの様々な雑誌で発表されている上、単行本未収録作品なども非常に多く存在していました。
特にこの「ゲゲゲの鬼太郎」は水木先生の名前を不動のものとした一大人気作品であり、やはり様々な雑誌で刊行されていただけありまして、文庫版に限っても現行で4社さんから別々に発売されている状況です。
しかもそれを全部読めば全作品読めると言うわけでもありませんし、オマケにダブって収録されている作品もちらほら見かけまして。
そんな鬼太郎をはじめとした、全作品を読むのが一筋縄ではいかなかった水木先生作品をこのシリーズを買い集めることですべて読むことが出来る。
水木先生の熱烈なファンのみならず、鬼太郎だけ全部読みたいなぁなどと考えているライトなファンの方にも待望の大全集と言えるのです!!

そんな記念すべき大全集の中でやはり最初に紹介しなければならないはこの「ゲゲゲの鬼太郎」でしょう。
この第1巻では、一連の鬼太郎シリーズの大ブレイクのきっかけとなったといえるマガジン版を収録しています。
今回はそのメジャーデビュー第1作ともいえるマガジン版、その第1話を紹介したいと思います!

さびしい神社の長いすに腰かけ、新聞を呼んでいる紳士と、それを横で見ている大男がいました。
新聞には、知らぬ間に血がなくなる奇病で3名死亡、と言うちょっと怖い記事が踊っています。
ところがその紳士、恐ろしがるドころがうふふふと笑っているではないですか!
それもそのはず、その紳士の正体は、吸血鬼ラ=セーヌ。
ということは……彼こそが、この奇病を齎した犯人だと言うことなのでしょう!!
そして枯れの傍らに控えている大男は、ラ=セーヌの召使にして殺し屋のザ=マンモス。
二人がここで何をしているかといいますと、なんと鬼太郎を待っているのです!
どちらかといいますと鬼太郎から逃げ回る立場であろう彼らが何故鬼太郎をこんなに堂々と待っているのでしょうか?
もちろん彼らには考えがあるのです。

今は吸血術も進歩しているんだそうです。
新聞でも報道されているように、病気にしか見えないようにうまいこと血を吸う技術をこのラ=セーヌも備えもっておりました。
ですが以下に人の、他の妖怪の目を欺こうとも、それを見破ってしまうのがわれらが鬼太郎。
やつがいる限り、落ち着いて日本人の血を吸う事も出来ない。
そう考えてラ=セーヌは今回の作戦を考えたのです。

カラスが三度鳴き、オケラが四度鳴きました。
鬼太郎が来る前兆だといわれている現象です。
そして程なく鳴り響いてきたのは……カランコロンという下駄の音。
とうとう鬼太郎がやってきたのでした!
鬼太郎はやってくるなり、ラ=セーヌと握手を交わしながらたずねます。
ラ=セーヌ、用件は?と。
手紙か何かで穏便に話をしたいとでも告げたのでしょう。
ラ=セーヌが用件を言うそぶりを見せたその瞬間、身を隠していたマンモスがマシンガンを乱射したではないですか!!
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猛烈な射撃をその身に受けた鬼太郎はラ=セーヌと握手をしていた右手首から先だけを残して、忽然と消えうせてしまったのです!!
したいどころか、血痕すらないことに仰天するマンモス。
ですがラ=セーヌは、相手は人間じゃないんだからしたいなんてなくてもおかしくない!と断言し。握っていた鬼太郎の右手を地面に叩きつけて味とにしているホテルへと帰るのでした。
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……鬼太郎の右手が一人で動き出し、ラ=セーヌの背中にしがみついていたことも知らずに……

部屋に戻ると、鬼太郎の手はさっとラ=セーヌの背中から飛び降り、本棚を伝って壁に移動、そして部屋の電気を消して、視界を奪ったところで口をふさぐと言う攻撃を敢行します。
ですがマンモスもいるわけで、この程度で簡単にやられるラ=セーヌではありません。
すかさずラ=セーヌは奥の手……ホテルの従業員を呼んで部屋をチェックしてもらう、というウルテクにでるのでした!!

そのチェックでは見つからなかった鬼太郎の右手ですが、その後ついに発見され、動かないようにと板に釘で打ち付けられ、机の引き出しの中に入れられて鍵をされてしまいました。
ところが翌日になると、机の引き出しが開けられ、板から右手が消えていたのです!
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どうやら右手は引き出しの中で強引に釘から脱出し、引き出し内の筆記用具を使って机の鍵を開けてくれとしたため、隙間から落としてボーイに渡したようで。
再び鬼太郎の脅威に怯えなければならなくなったのでした!

ガッチリと戸締りをして、僅かな隙間にもテープを張るという厳重な警戒をして迎えた夜。
ラ=セーヌとマンモスは、人里はなれたさびしげなホテルへと拠点をうつしていました。
ですが鬼太郎はそれすらもどこからともかくかぎつけたようで……
恐怖を紛らわすために五目並べでもしようともちかけるラ=セーヌの背後に、ナイフを携えた鬼太郎の右手が張り付いていたのです!!
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窓に!窓に!

というわけで、右手だけになってもおっそろしい鬼太郎の力を描いた第1話。
この後、隙間ひとつないこのホテルの部屋に鬼太郎の恐ろしい攻撃が降りかかることになるのです!!
……その鬼太郎のすごさはいいのですが、記念すべきゲゲゲの……もとい、の「墓場鬼太郎」第1話にもかかわらず、鬼太郎の紹介どころかその全身すらほとんどでてこないお話にしてしまうのがまた水木先生のゴイスなところ!
いくら今まで貸本などで続けてきたシリーズとは言え、第1話から説明どころか鬼太郎の顔が映ってるコマが4コマしかないお話を描くとは、並じゃあないってもんです!!
この他、鬼太郎屈指の有名エピソード、「地獄流し」「ゆうれい電車」「おばけナイター」なんかも収録!
さらに鬼太郎が史上指折りの大ピンチを迎える大長編「大海獣」、後の鬼太郎レギュラーメンバーが初登場する「妖怪大戦争」などなど、見逃せないエピソードが収録されていますよ!!

さらに大全集の名に恥じない、カラーページ再現&単行本収録などの際に改稿されてしまっていたカットの併録などもされています。
文庫版と同じように、企画ページ的なものまでしっかりと収録されていますので、まさに決定版といえる一冊となっているのです!!

稀代の名作完全収録へ、「水木しげる漫画大全集 ゲゲゲの鬼太郎」第1巻は全国書店にて好評発売中です!
鬼太郎を読むならこれ!といえるシリーズとなってくれそうな本作。
ディープでないファンの方にもおすすめしたい一冊ですよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!