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本日紹介いたしますのはこちら、「サクラサクラ」第2巻です。
作者はもりしげ先生。
秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行、別冊少年チャンピオンにて連載されています。

さて、15年前に極限にまで達した少子化。
その年に生まれた子供は「最後の世代」とまでいわれ、その数少ない子供たちは物凄く大事にあつかわれてきました。
そんな彼らのうちの数名が、初めて学校に通うことになりました。
箱入りにもほどがある環境で育てられたためか、いろいろずれたところのある少年の春。
圧倒的な美少女ではあるものの、高飛車で今のこの世界を形作った「御老人」を憎んで革命をせんと目論んでいる桜子。
そして銀髪の美少女ながら、まともに喋らず何を考えているかわからないところのある桜花。
3人だけで始まる学校生活は、一体どんな事件を迎えるのでしょうか?

突然倒れてしまった桜花。
翌日になっても、いつもいつの間にか春の部屋にやってきてごはんを食べる彼女の姿はありませんでした。
心配に思った春は桜子とともに桜花の部屋を訪ねるのですが、返答はありません。
そこで桜子は鍵が空いてるからと構わず中に入ってしまうのです!

桜花の部屋は不思議と言うほかない部屋でした。
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ベビーベッドに、天井からぶら下げてくるくる回るアレ、赤ちゃんを模した起き上がりこぼし、木馬……
「赤ちゃんのための部屋」そのものだったのです。
いくら最後の世代が甘やかされているとは言え、これはあまりにも異様。
赤ちゃんといえば、桜花は桜子の胸を吸って来たこともありました。
そんなことを思い出しているタイミングで春に声をかけられた桜子、ちょっとうろたえてしまってバランスを崩してしまいました。
ソレをかばわんとする春!
結果として、桜子は春を押し倒すような形になってしまいました。
ラブコメ名物ラッキースケベではありますが、ブッチギリの草食である春は喜んだりはしません。
助けてくれてありがとうと礼をいってくれた桜子に、最近よく桜子からお礼を言われる気がするなぁ、と喜びはするものの、そろそろどいてもらえるかな、とさくらこの体を押し上げようとしました。
が、そのおててはバッチリ桜子の胸に当たっていまして。
桜子は血相を変えて、前私に変なことしないって言ったよね、とうろたえて見せるのですが……もちろん春には下心なんてありません。
僕は女の子が嫌がることはしない。
はっきりと、いつもの笑顔で答える春ですが、そんな春に桜子はこんなことを言い出すではないですか!!
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嫌がらなかったらどうするの?
もちろん春ですから、そのときはわからないと答えるだけでした。
ですがそれは確実に、春の心に目覚めのきっかけのひとつを与えていたのです……

とりあえずそこはそれ。
桜花の捜索をすることになりました。
するとその道中、一台のトラックが通り過ぎるのを見かけました。
それを見た桜子、おもむろにその車を追いかけて走り始めるのです。
今の車に乗っていたのは、先日桜花の部屋に来ていた人だったのだとか。
桜花に何かあったのか。
胸騒ぎを抑えて後を追う二人ですが、当然車には追いつけません。
やむなく道なりに歩くことにしたのですが、また桜子が突然走り出しました!!
わけもわからず後を追う春ですが、やがて桜子が走り出した理由がイヤでも目に入ってくることに。
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高く聳え立つ、巨大なフェンス……
そして、そのフェンスは歩いても歩いても、切れ目や出入り口が見つからないのです!
おそらく桜花がいるのはこの先でしょう。
何とかこのフェンスをこえたいところですが……
二人はずっと左側に見えていた山に登り、その頂上の桜の木に登り……
そこで見ることになるのです。
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この町全体がフェンスに取り囲まれていることうぃ。
フェンスの向こうに何かがあるのではなく、この町全体がこの柵の中にとらわれている。
自分達が、籠の鳥以外の何者でないことを決定付ける事実を……

その後、桜花は何の前触れもなく帰ってきました。
「調整」してきたと言う彼女、今まで喋らなかったのにいきなりちょっとカタコトながら話すようになっていたのです!
変化はそれだけでは終わりません。
そのとき取った桜花の行動をきっかけに、桜子にある命令が下されてしまうのです。
それは……「籠」の中からの追放、そしてさらに……!!
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桜子がいなくなってしまうことを知った時、春は、桜花はどうするのでしょうか?
先生方の行動は?
この物語に隠された多くの仕組みが、徐々にその牙をむくことになるのです!!

というわけで、いよいよひとつの山場を迎える事になる本作。
今巻で物語は第2章と言っていい、ひとつの仕切り直しを迎える事になります。
その時に本作の数々の謎が続々と明らかに。
桜子や春が学園生活を送る事になった理由。
桜花の正体。
最後の世代の後に生まれ始めた、「新世代」の真実……
実に様々な、ショッキングな事実代わりとサラリと明かされ、物語は新章へ!!
ですが目の離せない展開と、のんびり日常が同居した不思議な持ち味は今巻も健在。
次からの展開もおそらくこういったホンワカと、どきりとさせる展開が待っていてくれることでしょう!!

最初の山場を迎える、「サクラサクラ」第2巻は全国書店にて発売中です!!
鬱展開と紙一重なのんびり日常が楽しめる本作。
読み手も油断せず楽しんで生きたいところですね!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!