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本日紹介いたしますのはこちら、「アイアムアヒーロー」第12巻です。
作者は花沢健吾先生。
小学館さんのビッグコミックスより刊行、ビッグコミックスピリッツにて連載されています。

さて、クルスと合流し、無事アジトに辿り着くことが出来た江崎。
ですが絶対的なカリスマと思われていたクルスはどこか危うげな人物ですし、アジトといっても普通の民家に数名の人物が立てこもっているだけの簡素なもの。
江崎はこの安住の地とはいえないような場所で、ZQNとの戦いに身を投じることとなるのです。

そんなアジトで、トラブルが起きてしまいました。
ギリギリのところで保たれていたアジトの守りが破れ、いつZQNが乗り込んできてもおかしくない状態になってしまったのです。
しかも厄介なことに、戦闘能力の高いZQNが新しく生まれてしまいまして。
いざ戦うとなれば、歯が立たないかもしれません……

新しく生まれたZQNは元気そのもので、大きな音を立てて外を走り回っています。
このままではその音に引かれてZQNが集まり、おそらく普通の民家に過ぎないアジトなどすぐに突破されてしまうでしょう。
外のほったて小屋にいる狙撃組みの兄妹がそのZQNを黙らせようとクロスボウを発射。
見事にその矢はZQNの右目をつらぬくのですが、ZQNは脳に致命的なダメージを与えない限りその活動をとめません。
ZQNは驚異的な反射能力を見せ、致命打を避けながら走りよってくるのです!!
このままではまずい。
焦らざるを得ない状況ですが、そこに突然江崎が姿を現し、大声をあげてZQNをひきつけたではないですか!
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江崎はこの兄妹の妹に好意を寄せており、それゆえの行動だったのでしょう。
ですがその代償は小さくありません。
大声を出すと言うことは関係のないZQNまでよって来てしまうと言うこと。
それから逃れるために走れば、また別のZQNに見つかり……
来るかどうかもわからない助けに望みをつなぎながら、江崎は走って逃げ続けるしかないのです!!
その逃走の最中、江崎は葛西用水路にぶち当たりました。
喬が引きこもり始める前、確かこの水路には船があったはず。
それを利用すれば、逃れられるかもしれない。
一縷の望みを賭け、江崎は船のある場所へと走っていくのでした!!

どんどんとよってくるZQN。
もはや船に乗る以外助かる道は残されていなさそうです。
じょじょに見覚えのある風景が広がり始め、船のある場所に辿り着いた、のですが……
そこにあったのは
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船ではなく、小さな電車でした。
ずっと引きこもっていたんだから、世の中変わるよな。
こんなもんだ、俺の人生こんなもんだ。
そう呟いてくずおれる江崎。
ですがそのとき、彼の手に腰に下げていた鉈が触れました。
脳裏に過ぎるのは、あの兄妹の妹の顔……
死ぬ前に、一人殺す。
自分が一人も殺さずに死ねば、ZQNが一人増えるだけ。
みんなに迷惑が掛かるし、どうせ今まで真で多様なもんだし。
引きこもり人生、一度くらいは生きてる実感が欲しい。
そう思い立ち、最後の最後に戦う意志を固めるのです!!

が、そううまいことが進むわけがありません。
もう人間ではないとは言え、人間の形をしたZQNをまともに攻撃できない江崎は、結局まともにZQNを倒すことが出来ませんでした。
うろたえている間にとうとう
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耳を噛み千切られてしまい、桃などにも噛みつかれてしまいました。
もうこうなっては江崎は助けを求め、逃げ惑うことしか出来ません。
必死に助けの姿を探していると、一瞬ZQNの群れの中に
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笑顔のクルスがまじっているのが一瞬見えたではないですか!!
何故クルスがあそこに……?
幻覚なのか、それとも。
それを確認する間もなく、江崎は水路に落ちてしまうのでした……

結果として江崎がZQNをひきつけてくれたおかげで、アジト組は脱出するチャンスを得る事が出来ました。
行く先として選んだのは、学校。
一時は避難場所になっていた場所ですが、だからこそ危険かもしれない場所です。
ですがそこにはアジト組の女子高生の母親が避難している可能性もあり……
クルス達に全面的にしたがっているわけではない狙撃班の兄妹も、思案の末同行することにしたのでした。

ZQNの血液をぬりつけて偽装した車で、外から簡単に姿が見えないように身をかがめ、鏡で周囲に警戒を払ってゆっくりと進んで行く車。
一同は何とか学校まで辿り着くことができました。
不思議に周囲には人影……ZQN影がありません。
学校の中には人影があるのがわかりますが、それが人間化ZQN化までは判別できません。
どうするべきか迷っていますと、ひとつの部屋からランダムにライトが明滅しているのが確認できました!!
こういった動き、ZQNができるとは思えません。
中がどうなっているのかはわかりませんが、あの部屋にまだ生きている人間がいる、ということだけは確実のようで。
行くのか、行かないのか。
アジト組の数名の意見は、真っ二つに別れてしまいます。
切り札ともいえるクルスは、あのZQN襲撃騒動から姿をくらましたまま……
ここが彼らの、命の分かれ道ということになりそうです……

というわけで、クルス編もクライマックスを向かえる今巻。
この後一同は、学校の中で驚くしかない光景を目の当たりにすることとなるのです。
驚きの光景は何を意味するのか?
その謎も、おぼろげながら見えてきます。
さらにこの後、水路から
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江崎があがってきます。
ZQNにかまれ、感染してしまった江崎。
生前の記憶に基づいた行動を行うZQNですから、このままならば彼も兄妹の妹を探して移動を始めそう。
彼らとの遭遇が、物語に何かを齎すのでしょうか?

そして気になるのがクルスの行動。
ZQNと溶け込んでいたクルスですが、何故そんなことができるのでしょう。
彼が切り札とまで言われる理由とは……?
あんな一見すると頼りない少年でしかないクルスが、大事に、切り札としてあつかわれる。
その謎がついに判明することになるのです!!

クルス編が完結を迎える、「アイアムアヒーロー」第12巻は全国書店にて大好評発売中です!!
クルスの謎がひとつ明かされ、物語の鍵となりそうな事実がわかる本作。
そしてその鍵は、英雄達にも影響を齎しそうで……?
再会されるであろう英雄編もより一層楽しみですね!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!