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本日紹介いたしますのはこちら、「亭主元気で犬がいい」第8巻です。
作者は徳弘正也先生。
小学館さんのビッグコミックスより刊行されました。

さて、死んだ旦那の生まれ変わりの犬、連太郎とともに探偵業に励むマリ。
探偵事務所の署長やその息子で刑事の正治、なんだかんだで親友といえるおとなりの李君と言った信頼できる仲間達もでき、生活も順調になってきました。
……そんなマリたちに、とうとう「その日」がやってくることになってしまうのです……

久しぶりの休日。
真理は連太郎と一緒に散歩を楽しんでいました。
その道中、ふと連太郎がこんなことを口にしたのです。
人皆生を楽しまざるは死を恐れざる故なり。
死を恐れざるにはあらず、死の近きことを忘るるなり、と。
人が本当に死を恐れているなら、生を愛し、大切にし、一日一日を慈しむように生きる。
でも人は日常、自分が死ぬことを忘れている。
だから一日一日をいい加減に生きてしまう……と言う意味の、吉田兼好の言葉だそうです。
死ぬ死ぬって思ってたら毎日が楽しいってことか、と噛み砕いて自分の言葉とするマリ。
なにせ一度死んでいる連太郎ですから、その言葉には重みがたっぷり。
そうだ、人生は儚い。
連太郎はやさしい目でマリを見上げるのでした。

翌日。
いつものように出社しますと、署長がなにやら頭にヘルメットなんかかぶっております。
なんでも昨夜、このビルにピストルのタマが打ち込まれたんだとか……
探偵行という商売柄、逆恨みするものがでてくることも珍しくはないそうで。
脅しだけですめばいいのですが、向こうの本気度がわからないからには警戒し続けるほかありません。
浮気調査などで何もかも失った男なんかは、捨て鉢になって人殺しだってやりかねない、だからマリも気をつけな。
所長はそう優しい言葉をかけてくれるのですが、続けてマリに命じた仕事の内容はこんなものでした。
それじゃ、今日の浮気調査行ってきて。

浮気調査を順調に行っているマリ。
確かに浮気調査と言うのはよくある依頼ですし、その依頼達成の為に人生をふいにしたものも何人かはいてもおかしくありません。
銃まで手に入れているとは、怒っているなんてものじゃないでしょう!
女房がいるのに他の女に手を出す方が悪いだろう、と毒づきながらマリは尾行を続けるのですが……
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そんなマリをさらに尾行している男がいるのに、そのとき気が付かなかったのです……

その夜、旦那との団欒を楽しんでいたところ、隣の李君が訪ねてきました。
夕飯のご相伴に預かりに来たのかな?と思いきや、李君いつになくシリアスな顔でこんなことを言うではないですか。
走って逃げたけど、アパートの前に男がたっていた、と。

翌日になると、その謎の男と、アパートの前にたっていた男、そして探偵社に銃弾を打ち込んだ男の正体のめぼしがつきました。
相馬亮。
第3巻24話にちらりと登場した、浮気が発覚して破滅した男です。
なんとその男、その離婚した元妻を射殺し、逃亡中だと言うではないですか!!
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もはやそうなれば、正気を失った殺人鬼だと思った方がいいでしょう。
そして次に狙うのはおそらく所長か……マリでしょう。
今までにない、迫り来る死の予感。
そこで所長はこんな行動にでたじゃありませんか!
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連先生、マリを守ってね、と、犬の連太郎に語りかけたのです!!
なんと所長、連太郎がすでにマリのだんなの生まれ変わりであると知っていたのです!!
知らないフリをしていた理由はただひとつ……一人分の給料ですむから。
最初は馬鹿だったマリが、連太郎のおかげで立派な探偵になったのは予想外だったと言う所長、今までの連太郎の行動に感謝の意を示すのでした。
ついにおおやけ(?)に連太郎の苦労を認めてもらえたマリは、感動のため思わずホロリ。
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所長にも認められ、友人もでき、犬と人と言う関係ながら穏やかな夫婦関係もあって。
この幸せな生活がいつまでも続けばいい。
マリの脳裏にはそんな思いが巡っていたのではないでしょうか。

……ですがそのとき、恐怖はすぐそこまで近づいていたのです。
警察を撃ち殺し、その制服と銃を奪い、身につけた……相馬。
名探偵水田マリ。
調子に乗りやがって、殺人鬼の妹じゃねーか。
相馬はその顔に、狂気の満ちた笑みを浮かべるのでした……
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というわけで、マリに殺意の凶弾が向けられる今巻。
いろいろと散りばめられている志望フラグ的なものにお気づきの方も多いでしょうが、本作はこのエピソードにて完結を迎えます!
ささやかながらも幸せな生活をようやく手にしたマリと連太郎。
ですが連太郎がいるからこそ、マリは人生の新たな一歩を踏み出さないと言うこともまた事実。
この生活は続いていくのか?それとも……?
徳弘先生らしい、感動とからっとした爽やかな結末が待っています!!

最終エピソードでしっかりまとめられてはいるものの、いつか何かあるのかな?と思われていたマリの兄関係のお話がなかったのはちょっぴり残念。
ですがハッピーエンドにするには難しそうな展開になるのは想像に難くありませんし、マリが幸せな未来を掴むにはこの結末でよかったかもしれません!!

人犬夫婦探偵活劇、「亭主元気で犬がいい」最終第8巻は全国書店にて発売中です!!
確実に面白かったものの、単行本は作者さん自身が「売れてない」と言ってしまっていた本作。
今回のあとがきでも「もうちっとねばろ」といってらっしゃいますし、次回作にいろいろ期待したいところです!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!