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本日紹介いたしますのはこちら、「魔法少女・オブ・ジ・エンド」第3巻です。
作者は佐藤健太郎先生。
秋田書店さんの少年チャンピオンコミックスより刊行、別冊少年チャンピオンにて連載されています。

さて、突如現われた魔法少女によって、瞬く間に惨劇の場となった学校から逃げ出した児上たち。
逃げ出した先のショッピングモールでも、寄生型の魔法少女や見上げるほどに巨大な魔女が現われ、そこも追われることになってしまいました。
一同は二組に分断されながらも近くの大学病院を目指すのですが、そこでもおのおの魔法少女たちに襲われてしまい……
児上は魔法少女の放つ先行に飲み込まれてしまったのでした。

児上が気がつくと、そこは平和な街でした。
空が明るくてあの魔法少女たちが降りてきた「穴」もみえませんし、人々も普通に生活をしています。
死後の世界と言うわけでもなさそうですし、逃げ延びることが出来た、ということでしょうか?
ですがここは吉祥寺であることは確かなようで。
吉祥寺と言えば間違いなく魔法少女に襲撃された地。
自衛隊などが出張ってきて魔法少女達の掃討に成功したのだとしても、町に破壊の痕跡がまるでないのは妙です。
程なくして、児上はその不思議な事実の理由を知ることとなるのです。
道行く人々の会話、そこかしこに踊る文字、催し物の告知。
それらのすべてが、あらわしていたのです。
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ここが2002年……あの惨劇から、10年前だ、と!!

どうしていいかわからないままさまよっていますと、運がいいのか悪いのか危険な警察官、芥と再会。
現状は置いておきまして、とりあえずは魔法少女の脅威から逃げられたことを喜び合いました。
が、そうなるとはぐれた者たちが心配です。
児上の脳裏に真っ先に思い浮かんだのはやはりつくねでした。
もしかしたら、死んでしまっただろうか。
そう考えると、今まで数年間会話しかしていなかったのに、いや、だからこそつくねに「いなくなってほしくない」と言う感情が湧いてくるのです。
一応は危険から逃れられたと言うことで、芥と児上は別行動を取ることにしました。
一人になって身軽になった瞬間、芥はタクシーの運転手さんを襲い、服や足をゲット!
銭湯にはいって身奇麗にしてから、身の振り方を考えると言うのですが……

一方の児上は、自然と自分の家へと足を向けていました。
ですが児上はそんな自分の家を、「ゴミ溜めみたいな場所」と卑下していました。
こんなところに来てどうするんだ、と拳を握り締めて立ち去ろうとしていると、そこで児上を待っているものがいたのです。
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それはともに魔法少女から逃げていた、鞘野でした。
何故自分の家を知っているんだと思わず問いかける児上ですが、実は彼女一度だけ来たことがあるとのこと。
そうだったっけ?と記憶を手繰ろうとしたその時。
児上の家から酒を買って来いと言う怒号が聞こえ、はじかれるように小さな子供が走り出してきたのです。
一瞬こちらを振り向いたその子供は……幼き日の、児上。
そしてその直後に家から女性がたたき出されます。
その女性が児上の母親で、彼女を蹴り出した見るからに柄の悪そうな男性が、児上の父親なのです。
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児上の父親は、自分をじっと見つめている、10年後の自分の息子を睨みつけ、なにかようか?どっかであったか?と話しかけてきました。
児上はまったくの他人だとキッパリ。
確かにこんな父親に事情を話しても何も解決しないでしょうし、何よりもこの父親は……母を自殺にまで追い詰めた男なのです。
……児上が小学校3年生になったとき、母はその命を断ちました。
そしてその1年後、金に困った父親は盗みをやってつかまり、出所してからも何度も同じ事を繰り返していたのです。
それ以来児上は母方のおばあちゃんの家に預けられていたのですが、あるとき父が獄中でその命を自ら絶ったと言うことをきかされました。
ですがそのことに関して、児上は特に何の感情も湧かなかったのです。
人間なんてつまんねー生き物だ。
そう思っただけ。
それ以来、児上は何もない普通の日常を望み、クラスでも普通に溶け込めるように気をつけ、そして目の前で起こっていたいじめも、普通に生きられるように見て見ぬフリをしたのです。
そんな辛い日々、時折家を飛び出してはつくねの家に言っていた児上。
つくねの家はおかなえも地で広いから、よく遊んだり宿題をしたりしていた……
懐かしさとともに、児上の中にはひとつの真実が浮かんできました。
あの時、つくねだけが、俺の唯一の心の支えだったんだ。
そういった瞬間、突然鞘野が児上を抱きしめてきたではないですか!
そしてこんなことを言うのです。
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あたしずっと児上のことが好きだった。
一度だけこの家に来たのも、小2のときバレンタインのチョコをわたしに行ったからだ。
そして今鞘野が付けているヘアピンは、ホワイトデーのお返しに児上がくれたものだと言うのです。
そんなことをすっかり忘れていた児上ですが、鞘野はそこである衝撃的な発言をしたのです。
今から言うことを、絶対に嘘だと思わないで信じてほしい。
私はずっとあの悪魔のような女、
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つくねに脅されていたんだ、と……!!

理解のできない告白ですが、鞘野は本気そのもの。
昔はつくねと仲のよかった鞘野ですが、徐々につくねはおかしくなり、自分をいじめているように降るわ¥まわないと殺すと脅してきたと言うのです。
当然そんなことをおいそれと信じることはできません。
急に妙なことを言うなんて、
ですがそのときの鞘野の顔は真剣そのもので……
とまどう児上は、鞘野をその場において去っていくのでした。

その後、ひょんなことから児上はつくねの家に合法的に招かれる幸運に恵まれました。
ですが懐かしさに惹かれてつい入ってしまったつくねの部屋で恐ろしいものを見つけてしまったのです。
子供のころ、つくねが大事そうに抱えて決して見せてくれることのなかった「つくねのおたからばこ」の中。
みてみるとそこにはなんと、
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10年後の未来で自分達を襲ってきた「魔法少女」としか思えないモノが描かれていて……!!
一体これはどういうことなのでしょうか!?
つくねと、魔法少女の関係は……!?

と言うことで、過去に戻って驚きの真実が明かされていく本作。
いよいよ魔法少女の正体の片鱗が描かれ始めるようです!
その鍵となるのはやはりつくねのようで。
前巻にもちらりと出てきた黒幕のようなフードの人物、そのフードの端から窺える髪型などをみてもなんとなくつくねににているような。
謎のフードの人物、つくね、そして今巻に登場する、あやしすぎるある人物……
その3名が、あの魔法少女襲来に深い関わりがあることは確実。
それがどんなかかわりなのかはまだわかりませんが、それはこれからのお楽しみと言うところでしょう!!
そして物語は再び魔法少女のいる世界へ戻ります。
そこで待っていたのはまたも誰が死ぬかわからない、理不尽な絶望の世界。
この世界をどうにかできるのは、つくねなのか、児上なのか……
再び物語は動き出していくことになりそうです!!

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