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本日紹介いたしますのはこちら、「みなみけ」第10巻です。
作者は桜場コハル先生。
講談社さんのヤンマガKCより刊行、ヤングマガジンにて連載されています。

さて、南家4姉妹とその愉快な仲間達の織り成す、ひたすら平和で何事も無い日常を描いていく本作。
この第11巻でも、変わらぬ平和の日々を描いております。
そんな中で今回は、平和を打ち砕く黒い使者が現れるエピソード、「ヤツがいる」を紹介したいと思います!!

いつものように南家に遊びに来ていた藤岡。
そしていつものように、そろそろ帰りましょうかと言う時間になりました。
カナもまたいつものように気をつけて帰れよとコタツを離れることなく見送るのですが、チアキの様子だけちょっぴり違うようです。
おもむろにカナによっていき、囁くように言いました。
気のせいかもしれないけど、今台所で、視界の隅に、ゴ……
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そこまで言ったところでカナは言葉を制しました。
それ以上言うな、やつの名を軽々しく口にするな、恐ろしい……
なにやら尋常ならざるシリアスな表情を見せるカナに対し、藤岡は事情が飲み込めずにうろたえるばかり。
カナはというと、より一層真剣な表情でチアキに確認をするのです。
そのヤツと言うのは、ヤツのことだよな?
チアキはそうだ、ゴキブ……と答えようとするのですが。またもカナにとめられました。
まるでその名を呼ぶことがヤツを引き寄せるかのように!!

か弱き女性しかいないこの家に、這い回るヤツ。
気のせいだったかもしれないと言うチアキですが、気のせいじゃないかもしれない、今もそこにいるかもしれないとカナは怯えまくり。
このままではまんじりと出来ないまま夜を明かすことになるかもしれません……!!
そこで立ち上がったのが藤岡です。
よかったら俺が見てこようか?と丸めた雑誌を手に台所に向かうのでした!!

男でもヤツの動きやフォルムはなかなか恐ろしいもの。
カナへの思いやチアキへの保護者心のようなものを糧に立ち向かったのでしょうが、藤岡のその決意は空振り。
ヤツとの遭遇は無いままお茶の間に戻ってまいりました。
そのことをチアキに報告していますと、ふと目に入ってきたのは不自然にコタツの横に配置された段ボール。
どうやらその中にはカナが潜んでいるようです!
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顔すら見せないまま、藤岡に見てきたかと尋ねるカナ。
当然いきなり段ボールでその身全てを隠しているカナが何をしているのかが気になる藤岡ですが、カナによるとこれに入っていればヤツから身を守れる、んだそうです。
……持ち手用の穴から中に入ってきたりすれば恐怖は100倍増しな気もしますが……!
しかも藤岡にまで、それに入るより出て来たヤツにかぶせた方がいいのでは?と突っ込まれてしまうのでした。

そんな藤岡を交えて、対ヤツ用の作戦会議に励んでいるところにハルカが帰ってきました。
そのことをここ一番の真面目な表情で報告するカナ。
するとハルカはしばらく動きを止めた後……藤岡に今日は泊まって行くよね?と持ちかけたのです!
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いつにない取り乱し方をするハルカにふじおかが呆気にとられていますと、ついにハルカはたまたま持っていたであろう小銭……155円を差し出し、お金あげるから!と口走り始めるのでではないですか!
そんな時、ハルカのおびえっぷりを目の当たりにしたチアキはぽつりと言いました。
ヤツを見たと言うのはウソです。
藤岡が帰ると退屈なので、引きとめようといてウソをつきました、と。

ハルカとカナは、なーんだと言ってようやくそのみなぎる緊張を解きました。
緊張から解放された喜びが勝ったためか、チアキへのお咎めも無しのようです。
これで藤岡も心置きなく帰れます。
靴をはいて帰り支度をしている藤岡を玄関まで見送るチアキ。
ですがそこで藤岡は見てしまったのです。
私がハルカ姉さまを守る、カナもついでに守る、お前は安心して帰るといい。
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笑顔でそう告げるチアキの、スリッパを握った右手が、ふるふると震えているのを……!!
それを見て藤岡はすべてを悟りました。
チアキがは本当にヤツを目撃していて……そして、1人で戦う気であることを!!
君を1人にはさせない。
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藤岡はチアキにそう語りかけ、もう少しここにいさせてくださいとカナたちに頭を下げるのでした。

ごはんを食べて、テレビを見て……
その相田も絶えずスリッパと丸めた雑誌をもって周囲に視線を走らせる二人。
やつの存在がウソであると思い込んでいるカナは、二人のドラマチックな決意などカケラも知らないまま、藤岡はいつまでいる気なのかと頭を捻るのでしたとさ……

というわけで、藤岡とチアキのやつを倒す決意のお話を収録した今巻。
いつも挟めた目でかなを見つめているチアキの、いざと言うときの家族愛と芯の強さ……なかせてくれるじゃぁありませんか!!
そんないじらしいチアキが堪能できるお話を加え、本巻には全19編のお話が収録!
マコちゃんや保坂先輩と言ったアクの強いキャラの存在感はやや薄めの気もしますが、他の脇役人は変わらず奮闘!
今巻ではヒトミと藤岡と言う珍しい組み合わせでほぼ1話が消化されるエピソードや、アツコが一念発起して自分の意志を表現しようとするお話など、見逃せないお話が収録されております!!

ひたすら平和な南さんちの毎日を描く、「みなみけ」第11巻は全国書店にて発売中です!!
今巻も淡々と描かれる本作。
疲れた体にも優しい、元気まんまんの体でも愉快な仕上がりになっておりますよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!