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本日紹介いたしますのはこちら、「クロス・マネジ」第4巻です。
作者はKAITO先生。
集英社さんのジャンプ・コミックスより刊行されました。

さて、ティーンズマッチ決勝トーナメントに駒を進めることが出来た藤丘高校。
第一試合にはいきなり前大会ベスト4の松夢市学園とぶつかり、それに勝つと二回戦では早くも因縁の相手である蝶蘭と激突することになってしまいました。
その前準備とばかりに蝶蘭と松夢市のし愛の映像を入手して観てみるのですが、そこに映っていたのは蝶蘭による一方的な蹂躙。
松夢市はそれによって完全に心が折れてしまい、主要メンバーが続々と抜けていまや搾りかすのように弱体化してしまっているとか……
それでも藤丘の面々の心は折れません!
いつもよりかなり頑張る、という作戦と言うか……意気込みだけで挑もうとするのでした!!

もちろん意気込みだけで勝てるような甘い相手ではありません。
櫻井が提案してきた作戦、その名も「矛盾」。
そこはかとなく中二のかほりのする作戦名に女子たちは失笑してしまうのですが、その内容はキッチリと考え抜かれたものでした。
弱小チームが強豪チームに勝つ方法……それは、徹底的に守ること。
どれだけシュートされても、どれだけボールを支配されても、きめられなければ負けない。
まずすることは、
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蝶蘭の持つ「最強の矛」より強固な「弱小の盾」を作ることだ!
そしてもうひとつは、「わずかなチャンス」を確実にモノにすると言うこと。
どんなに完璧な選手だろうと、相手も人間。
現高校生最強の呼び声も高い天才、蝶蘭の絶対的エース茅原であろうとも、一試合完璧にミスなく終わることはまず無い。
そのミスを逃さずチャンスにできれば、きっと勝てる!!

とは言え今のままではそのチャンスを手にしても、生かせる様な武器がありません。
そこも櫻井は重々承知。
友人に頼んで豊口と斎賀のラケットを改良し、二人にだけ別メニューの練習をさせたのです。
二人に練習させるのは、堅牢な守りから最少の人数で得点する最良の手段……カウンターです。
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そこで豊口には「ダイアゴナルラン」、斎賀には「レーザービーム」を習得してもらうことになりました!
聞きなれないダイアゴナルラン、簡単に言えば「斜めに走る」ことだそうです。
サイドから中央に、あるいは中央からサイドに大きく斜めに切り込むようにすばやく走ることにより、カウンターで崩れたディフェンスをさらに混乱させることができるのだとか。
そしてレーザービームとはイメージどおり、ロングパスのこと。
走りこんだ豊口めがけ、一発でパスを通しすぐさまゴールを狙おう、という作戦です!!
ちなみにこの女子ラクロスではロングパスはほとんど行われておりません。
男子に比べて腕力の低い女子では、ロングパスを放ると山なりのボールになって球速も落ち、カットされてしまいやすいからです。
そこで男以上……もとい、女子としては規格外の腕力を持っている斎賀の出番と言うわけです!
試しに一球やってみると、その球速は想像以上!!
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もしかしたらこれはいけるんじゃ!?と胸を躍らせる櫻井。
……あいにくコントロールは的確とはいえませんし、豊口の走りこみながらのキャッチングとの呼吸も合わず。
そううまいことは行かないようです!

特訓に次ぐ特訓。
悪天候の中でも誰一人折れることなく、一同は激しい練習を続けていました。
その眼差しは真剣そのもの。
悪天候の中練習を続けて怪我でもしたらどうするんだと櫻井は心配するのですが、怪我を怖がってたら全力で練習なんてできない!と豊口は言い切るのです!
そのみなぎる気合は一同も同じ。
3年生二人が音頭を取り、さらに力のこもった練習を続けます!
その気合に、呆気にとられた櫻井。
そんな櫻井に、豊口は言うのです。
うまくできないのはやっぱ苦しい。
でも今は櫻井のおかげで何をすればいいのかハッキリしてる。
何をすればいいのかわからなかったあの頃とは違う、うまくできなくても、苦しくても
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楽しい!今こんなにも楽しい!!
輝くように眩しい笑顔で紡がれたその言葉。
それは先日、櫻井に会いに来たと言う茅原の言葉とは正反対のものでした。
好きでも楽しくても、下手では意味が無い。
勝てなければ全ては無駄……
豊原の笑顔をみて、櫻井はさらに思いを強くするのです。
茅原さん、俺たちは、あなたに勝ちたい!

決勝トーナメント前日になって、その時はやってきました。
チームの司令塔である水橋の指令で、瞬く間に固められた堅牢で強固な「弱小の盾」。
そして始めて形をなした、中央に走りこんだ豊口への見事なロングパスからのシュート……鋭い一本の「矛」。
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決戦を前にして、とうとうギリギリのところで武器が揃ったのです!!

いよいよ戦いの日。
戦意がほとんど残されていなかった松夢市学園には、油断さえしなければ負けることはないでしょう。
そして並ならぬ情熱を持った今の藤丘学園にとって、ハッキリ言って油断はありえません!
4-0、文句の付けようの無いスコアで勝利をその手にしたのです。
ですが松夢市学園には悪いものの……ここからが本番です。
相手は今よりもはるかに強かった松夢市を、それこそ子ども扱いして見せた蝶蘭。
勝ち目は限りなく薄いでしょう。
しかし、やる前からまけることを考える馬鹿はいません!!
運命の決戦はその火蓋をきるのです!!
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というわけで、決戦のときがやってきた本作。
戦力の差は絶望的。
その勝機は周囲からみれば万に一つも無いでしょう。
ですがだからと言って、ゼロではないのです!
あまりにも大きすぎる戦力の差を覆すための作戦と特訓。
それがそのわずかな瘴気を手繰り寄せてくれることでしょう!!
戦いに感情は不要と言い切る茅原と、楽しいと言うことは大事なことだと真っ向から反発する櫻井&豊口。
この勝ち目の薄い戦いは、大切な大会の試合であるとともに両者の主張のぶつかり合いでもありまして。
勝敗とともに、茅原に「楽しい」と言う感情の大事さを伝えることができるのか?というところも注目です!!

さらにもうひとつの目玉である恋愛要素も外せないところ。
メインヒロイン(?)としての豊口の位置は変わっておりませんが、何故か櫻井がお気に入りらしい茅原さんも積極的に絡んできております!!
櫻井に引かれ始めているそぶりもある斎賀もおりますし……今巻では完全に蚊帳の外になってしまっている早見先輩、大ピンチですよ!!!

いよいよ宿敵とぶつかり合う、「クロス・マネジ」第4巻は全国書店にて発売中です!
その宿命の戦いの決着が描かれる最終第5巻は13年11月発売予定。
試合、主張、恋愛模様……その決着やいかに!?
今巻では決着に向かっていくクライマックスの始まりが楽しめますよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!