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本日紹介いたしますのはこちら、「少年Y」第2巻です。
作者は原作がハジメ先生、作画がとうじたつや先生。
秋田書店さんの少年チャンピオンコミックスより刊行、別冊少年チャンピオンにて連載されています。

さて、転校してきた初日にクラス全員の命が奪われ、彼らを生かすか殺すかの選択を強いられたユズル。
神様の見習いを自称する謎の少女、ワビコが突然持ってくる命の選択に、ユズルは最初に助けたクラスメイト、匡とともに挑んでいくことになるのですが……

二人はワビコに再び選択を強いられていました。
クラス全員の中から5人を選び、1位から4位を紙に記入、最下位の名前は記入しない。
5人のうち、名前をかかれなかったものの魂が破壊される。
魂を破壊後、代わりに1位に選ばれた人間が生き返る。
相談は禁止。
そんな再び課せられた理不尽な命のゲームで、匡は5人の名前を選びました。
藤島太一、矢口拓夫、有働咲、加藤杏、鏑木翔。
転校初日にいきなりクラスの全員が死んでしまった以上、ユズルにとってはその5人の誰もが「知らない誰か」似すぎないわけで。
この中で順位を付けろと言われても、何の手がかりも無いのですが……以前、匡からこんなことを言われていました。
鏑木翔は酷いいじめを行っていた最低のやつだ、俺ならこいつは助けない。
ろくでもない人物だからと言って、死んでいいと言うことにはならないでしょう。
ですがルールに則って順位を付けなければ、クラス全員の命が奪われてしまうわけで。
そんな状況の中で、今日の選んだ5人の中に鏑木翔がいたと言うことは……そういうことなのか、とユズルは選択を始めようとしたのですが……
突然匡はこんなことを言い出すではないですか!
鏑木が同級生をいじめてたって言う話、
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あれ全部、嘘だから。
ユズルは激しく動揺します。
鏑木翔の件が出鱈目なら、選択の基準が根底から崩れてしまう。
何故そんなことをするんだ!?やはり匡は信頼できない男だった……
匡は最初から得体の知れないところがあった、簡単に信用したほうが愚かだった、結局一人で選ぶしかないのか……?
思い悩むユズルをよそに、ワビコはというと手で影絵を作って遊んでいました。
ウサギできた、ヤカンできた、「モナリザ」できた。
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……モナリザの影絵!?
その驚きの言葉に、剃れどころではないにもかかわらず思わず視線を走らせてしまうユズルと匡。
ですがそれはワビコの仕掛けてきた悪戯だったのです。
モナリザの影絵なんてない、スッと附に落ちるような素晴らしい回答がどこかにあるなんて話はフィクションだけ。
モナリザの正体は、両手を使うバージョンの狐だとワビコは言うのです。
このモナリザの真相は、「狐」以外の影絵を覚えたいといってきた友人に、少年が両手バージョンの「狐」を教えてあげたと気にでた会話でした。
両手で作った影絵は凄く複雑で、人の顔か何かか?と友人は尋ねます。
男はこちらも狐と言うことで、「同じさ」と答えました。
それをたまたま聞いていた第三者が、「凄く複雑」「人の顔」という言葉に引っ張られて想像を膨らませ、普通ならありえない聞き間違いをしたのです。
「おなじさ」を、「もなりざ」と。
つまらないし納得がいかない答えだろう、でもこれが現実だ。
ワビコははっきりと、この選択に逃げ場が無いことを告げたのです。
……が、
匡はこれまたはっきりと反論して見せたのです。
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いや、モナリザの影絵はあるよ。
子供だましのトリックだけどな、と!!

その言葉は、ユズルにひっかかりを生むのに充分なものでした。
モナリザの影絵はある、と言う言葉。
それは、この選択に「スッとする附に落ちる素晴らしい選択」がある、といっているのではないか?
ですが匡は信用できない男……と言う考えがよぎりかけた瞬間、ハッと気がつきました。
信用できるかどうかじゃない、匡は何の根拠もなく自分のことを信用してくれたんだ、だから……俺は匡を信じなくてはいけない!!
鏑木翔の話が嘘だと言ったのは、その回答があると言うことをあらわしていて、更なるヒントを与えようとしていたのでしょう。
ですがそのヒントは、「相談禁止」のルールに抵触するため与えられないまま終わってしまった。
汲み取らなければならない、その真意を!!
悩んだ結果、ユズルが選んだのは……!!

順位は上からこうです。
有働咲。
藤島太一。
鏑木翔。
矢口拓夫。
最下位に選ばれたのは、加藤杏……
では加藤杏の魂を破壊し、有働咲の魂を元に戻す。
そうワビコが告げたとき、ユズルはいいました。
ルールは、5人のうち紙に名前をかかれなかったものの魂を破壊するというもの。
……加藤杏の名前は、そこに書かれている、と!!
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これが、匡の言う子供だましのトリックで作られた、モナリザの影絵なのでしょうか?
ユズルと匡の描いたモナリザの影絵、その正体は!?

というわけで、命の選択に真っ向から挑む今巻。
これからもこうやって知恵を駆使して行き、犠牲を出さずにクラスメイトを救って行く……といいたいところですが、この選択を強いる存在はそんなに甘くはないのです。
あの手この手でユズルを「苦しませよう」とするワビコ。
彼らの目的はいったいなんなのか?
それを突き止め、打ち破ることこそが本作最大の目的となることは間違いないでしょう。
ですが今はまだまだその段階ではありません。
さらに残酷になっていく選択をしなければならないのです!
ところが、辛い天秤に加えて匡との関係にもひびが入りかねない……そんな選択の中で思いもよらない手がかりも手に入り……
今までの選択とはガラリと変わる命の選択。
徐々にその姿を見せ始めるワビコの上にいる存在……
物語は一層混迷を深めていくようです!!

卑劣に、苛烈になっていく命の選択、「少年Y」第2巻は全国書店にて発売中です!!
ユズルが助けたクラスメイトたちも、思いもよらない話への絡み方をはじめる今巻。
より一層、目の離せない展開になって行きますよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!