rk0
本日紹介いたしますのはこちら、「藤子・F・不二雄大全集 ロケットけんちゃん」第1巻です。
作者は藤子・F・不二雄先生。
小学館さんより刊行されました。

さて、本作は60年より小学館さんの学年誌で連載された作品です。
主人公の少年と少女が、万能ロケットに乗って様々な場所にいって、様々なトラブルを解決していく……という、この時期のF先生の黄金パターンである本作。
F先生の出世作といえる「海の王子」を児童向けに味付けしなおした感じの本作もまた好評を博し、ここからさらに「すすめロボケット」「とびだせミクロ」と言った作品に派生して行ったのです!

主人公はけんちゃんとまりこちゃん。
彼らが愛車のひばり号に乗って空を飛んでいますと、ちょっと変わった飛行機とすれ違いました。
するとどこからともなくもっと変わった鳥がたくさん飛んできまして、その変わった飛行機に対して一斉に
ビームっぽいものを発射して攻撃し始めたではないですか!!
rk1
これは大変だとばかりにヘンな鳥を追い払い、墜落していた飛行機を救助したけんちゃんたち。
墜落した飛行気に乗っていたのは、その名もズバリ飛行機博士!
助けてくれたお礼とばかりに、二人はいろいろな飛行機を作っていると言う彼の家に招かれるのでした。
rk2

中に入ると、なるほど実にたくさんの飛行機が飾ってありました。
中でもビックリなのは、一見するたん度セルか何かにしか見えない飛行機です。
スイッチを押すとプロペラがでてきて空を飛ぶことができると言うそれだけでもゴイスな発明ではありますが、飛行機博士の産み出す発明はそんなものではとどまりません!
飛びながら雲を吸い込む掃除機型飛行機、雨を降らせるじょうろ型飛行機、お天気にするてるてる坊主型飛行機……
極めつけの「凄いロケット」をただいま絶賛研究中とのことで、飛行機博士は二人に設計図を見せてくれました。
気安くそんな凄いものを見せてくれるなんて、飛行機博士にはちょっぴり危機意識が薄いようです……
だからなのかはわかりませんが、
rk3
なんかペリカンみたいな形をしたロボットがいつの間にかその場に現われまして、「それをもらいに来た」と実にストレートに要求してきました。
そのペリカンは、空のギャングと名乗ります。
どう考えても悪者にしか見えないやからに、飛行機博士は渡せない!と断固拒否するのですが、もちろん悪者がそれだけで引き下がるわけもありません。
大きな口を比田居てそこからコードのようなものを延ばし、博士を設計図ごとキャッチ!
そのままいずこかへと飛び去ろうとしたのでした!!

正義の味方、けんちゃんとまりこちゃんはひばり号でそれを追いかけます。
けんちゃんはひばり号から胡椒を発射!
何故かペリカンロボは鼻がむずむずし始め、大きなくしゃみをしてしまいました!
博士は空中に投げ出され、それを受け止めて事件は解決……と思いきや、すかさず先ほどの変な鳥が姿を現し、博士をさらっていってしまったのです!!
今度はその鳥を追いかけていくけんちゃんたち。
ですが今度は背後から鷲型のロボットが襲来!!
ひばり号の三倍はあろうかという巨大なロボの攻撃を、宙返りで何とかかわそうとするのですが……
rk4
鷲ロボットと衝突してしまったのです!
ひばり号は大破し、二人もまた空へと投げ出されてしまいました。
二人は落下傘を装備していたために難を逃れましたが、一緒に墜落した鷲ロボットの中にいた人は脱出できなかったようです。
たすけてえ、とか細い声が聞こえてきたところを探ってみると、中には怪我をしたパイロットが。
このまま放っては置けませんし、二人はそのパイロットを飛行機博士の家に連れ帰って手当てしてあげるたのでした。

手当てしてもらったパイロットは、その親切さに感動して完全に改心しました。
もう悪いことは辞めると宣言し、飛行機博士が連れ去られて行った場所も教えてくれます。
早速その場所に助けに行くことにしたのですが、なにせ愛車は完全に故障。
幸いといいますか、ここは飛行機博士のおうちですので、移動手段となる飛行機は豊富にありました。
そんな中けんちゃんとまりこちゃんが選んだのは……
rk5
ランドセル型飛行機!!
ほぼ生身で敵の本拠地に乗り込むことを選んだけんちゃんとまりこちゃん。
お話とは言え、丸腰の子供二人で飛行機博士を取り返すことができるのでしょうか!?

というわけで、第1巻、9話目にして愛機が壊れてしまう本作。
「ロケットけんちゃん」というタイトルから察するに、本作は他の少年+ロケットモノに比べて、ロケットの凄さよりもけんちゃんの活躍に重きを置いているのかもしれません。
実際他のお話でも飛行機に乗っての活劇よりも、飛行機でたどり着いた場所に降り立った後の方をたっぷりと描写していまして。
ロケットで大活躍!というよりも、けんちゃんとまりこちゃんの冒険譚と言った感じの作品になっているのです!
そんな二人の活躍の場は、前述のVS悪人のような普通の世界だけにはとどまりません。
3話でいきなりロボットの国に言ったと思えば、4話では早くも大気圏を突破して別の星へ!
かと思えばロボットの国とかぶっている気がする機械の国に行ってみたり、西部の街で西部劇チックなバトルをしてみたり。
そんな冒険の合間にロケットでのレースに挑んでも見るなど、バラエティ豊かなんてものじゃないほど様々な舞台でけんちゃんは活躍するのです!!
今回掲載されているのは「小学一年生」誌に掲載された分と言うこともあってか、企画ページなどのおまけはやや少なめ。
ですがそれを補って余りある、本編でのけんちゃんの活躍ぶりは楽しめること間違い無しですよ!!

けんちゃんとまりこちゃんが大暴れ、「藤子・F・不二雄大全集 ロケットけんちゃん」第1巻は全国書店にて発売中です!
主役機乗り換えというイベントまで用意されている本作。
そのバラエティに富んだ冒険は、子供から大人まで楽しめること必至ですよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!