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本日紹介いたしますのはこちら、「東京喰種 トーキョーグール」第9巻です。
作者は石田スイ先生。
集英社さんのヤングジャンプ・コミックスより刊行、週刊ヤングジャンプにて連載されています。

さて、三つ巴の戦いを潜り抜けたカネキ。
ですがその代償として、カネキは人としての立場を捨ててグールとしての自分を受け入れ、今までの生活の全て……あんていくの仲間達とも別れを告げることとなってしまいました。
そしてカネキは月山などとともに、自分の今の体を作り上げた二つの存在、リゼと嘉納を探すのでした。

亜門はあの戦いを乗り越え、上等捜査官へと昇進しました。
ですがその昇進を素直に喜ぶことはできません。
アオギリの襲撃によって喰種収容所が襲われ、SSレートと呼ばれている超危険な触手が解放されてしまったのですから。
さらにもうひとつの懸念は、鈴屋の昇進です。
トラブルの種ではある鈴屋ですが、こんな前例がほとんど無い速さでの昇進を目の当たりにすると……なんともいえない胸騒ぎも感じてしまうのです。

そんな亜門に、新しいパートナーが配属されることが決まります。
真戸を失ってから一人で奮闘していた亜門。
その新人の配属もひとつのきっかけとなったのでしょう、真戸の眠るお墓へ報告に行くことにしました。
「大喰い」はくもがくれ、「美食家」は生存の線が濃厚、自分が捜査を担当している「ラビット」は、「眼帯」とのかかわりがあるとふんで捜査を進めている。
それと、今日付けて上等捜査官になった、これからは下位捜査官から上位捜査官の身だ。
……次の言葉は口からもれることはありませんでした。
いずれ、あなたの様な捜査官になりたいです。
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その時のことです。
おい、と亜門に声をかけてくる人物がいました。
小柄で華奢なイメージを受ける女性……
彼女はこういうのです。
私の父に何か用か?亜門鋼太郎。
そして彼女はこう名乗ったのです。
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来週から君の部下になる、真戸暁(マド アキラ)二等捜査官だ、と!!

アキラはやってきて早々、その鋭い着眼点で捜査の方針を進言するなど、只者ではない雰囲気をもっています。
優秀なのはわかるのですが、いろいろと問題もあるのです。
初めての部下が、最後の上司の娘……というだけでもやり辛いと言うのに、アキラの性格も厄介でして。
彼女、敬語を使わないのです。
その理由もなんといいますか……扱いづらいもの。
自分の会話スピードで、敬語の「お願いします」を言うのに0.9秒、「たのむ」なら0.3秒。
一日10回頼みごとをするとすれば、年間あたり2000秒短縮ができる。
極力無駄を省きたいんだ……と言うあれな理屈なのですから!
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一刻を争う状況ならまだしも、会っている間中お話をしているわけでもないんですからその理屈はどうなんだと言う気もしますが……
ともかくそれは彼女なりのポリシーに基づいたもののようで。
特別な畏敬の年を抱いている対象ならばそのかぎりではないが、と但しをつけるのでした。

亜門が彼なりに彼女との壁を取り除こうと奮闘している中、鈴屋は喰種捜査官の武器、クインケの受け取りに来ていました。
二等捜査官に昇進したことにより、ケイン家の所持の制限が大きく緩和された鈴屋。
早速とばかりに、彼は自分が使いやすい形状のクインケを注文したのです。
それは、奇妙に折れ曲がった大鎌のようなもの。
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その出力は、二等捜査官が所持をするには規格外のものなのですが……鈴屋もまた規格外の能力を持っていまして。
試し切りとばかりに、クインケを形作る素材、「クインケ鋼」をあっさりと刻んで見せるのでした!!
鈴屋はそのクインケに「13'sジェイソン」と命名。
ジュウゾウ・スズヤと言う彼のイニシャル、J・Sもあり、鈴屋はこれから「CCGのジェイソン」と呼ばれることになる、のかもしれません……!

カネキはといいますと、月山の導きもあってマダムAというあのグールのレストランの主を捕獲しようとしていました。
彼女が、グールを使った実験を行っているらしい嘉納とつながっている可能性がある、と見たからです。
人を人とも見ず、残虐なパーティーに興じているレストラン。
マダムAの捕獲を別としても、放っておく訳には行かない施設です。
カネキはそこに乗り込み、客ともども壊滅させようとしたのでした!
ところがそこで、立ちはだかる二人のグールがいました。
その二人は、いまやグールの中でも指折りの攻撃能力を持つカネキの攻撃をやすやすと止めて見せたではないですか!
シロとクロというらしいその二人のグール。
彼女たちが使う赫子は、カネキのそれとまったく同じ形!!
……徐々に疑念が確信へと変わっていくカネキ。
それは、シロとクロの顔を見た時に完全なものへと変わりました!!
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彼女たちは二人とも、片目だけグールの赫眼となっていたのですから!!
おそらく彼女達も、カネキと同じ半喰種……嘉納によって作られた存在と見て間違いないでしょう。
やはりマダムAと嘉納はつながっている。
シロとクロの妨害によってマダムAを捕らえることは叶いませんでした。
ですがこれで調べる方向性が完全に定まったといえるでしょう!
カネキ、亜門、鈴屋。
立場は違えど、それぞれが新たな一歩を進めることとなるのです!

というわけで、新章への動きが始まっていく本作。
その動機はわからないながらも、嘉納が動き回っていることは確実となりました。
リゼの体を使い、カネキ以外にも半喰種を作り出しているその理由とはなんなのか?
それはまだ明かされていませんが、おそらく遠からず明かされることでしょう。
そして嘉納が行っている怪しげな実験も徐々にベールを脱いで行き……
このまま嘉納がラスボスになっていくのでしょうか!?

一方で気になるのが、喰種捜査官を狩り続けているラビット。
一体ラビットは何者なのか?
カネキがあえてグールの世界から遠ざけ、人の人生を送らせようとしているトーカとのかかわりは……?
様々な要素が絡み合い、物語は一層混沌としていきそうです!!

物語が蠢きだす、「東京喰種 トーキョーグール」第9巻は全国書店にて発売中です!
徐々にその実態が明かされ始める嘉納の実験。
アオギリの樹のその後なども含め、物語に大きな動きがありそうですね!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!