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本日紹介いたしますのはこちら、「テングガール」第1巻です。
作者は上山徹郎先生。
少年画報社さんのYKコミックスより刊行、月刊ヤングキングにて連載されています。

上山先生は、93年に小学館さんの漫画賞を受賞してデビューしたベテランの漫画家さんです。
デビュー後は児童向け漫画をメインに活動されていましたが、02年から活動の場を青年誌に移し、代表作「隻眼獣ミツヨシ」を連載しました。
ちなみに同じくヤングキングで「ツマヌダ格闘街」を連載されている上山道郎先生は、上山徹郎先生の実兄だそうで。
兄弟揃って同時に同じ雑誌で連載、と言う稀有な状況を実現させたのです!

さて、本作はざっくり言うと妖怪退治モノです。
ですが単なる妖怪的なモンスターを倒すだけのお話ではなく、独自の設定とリズムで読者をひきつける作品となっているのです!

小天狗里(こてんぐり)に怪獣がでる。
そんな今時子供でも信じないような話を、女子学生4人組が話題にしていました。
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いや、実際に盛り上がっているのは写真家を目指しているチエだけ。
絵が得意なコノミや、ちょっとつんつんした感じの美少女のスミレは覚めた目で見ています。
そしてみつあみおさげに眼鏡といういかにもな装いの少女、アミはといいますと……
そんな与太話にもほどがあるお話に、本気で怯えていたのです!!
ともかくそんなよくわからない話にビクついているアミに、ほかの三人はカバンを渡してどこかに行ってしまいました。
3人には用事があるとのことでアミがこうして通学カバンを預かると言うのはほとんど日常と化してしまっていまして。
これってかるいいじめなんじゃないか?と言う気もしないでもありませんが、底抜けに人がいいアミはそんな事は露ほども考えず、忙しい皆のためにカバンを預かってあげるのは当然、というくらいにすんなり受け入れていたのです。

そんな帰り道、アミは親戚のユウキと会い、一緒に帰ることになりました。
話題はといいますと、最近拾ってきた犬、ジョーについてです。
そもそも拾ってきたのはユウキだったりするのですが、自分が世話をするから飼う、と言い出したのはアミなんだそうで……
ともかくアミは、家に帰り着くとすぐジョーの様子を見に行くのです。
するとジョー、おもいっきり、がんじがらめに縛り付けられているではないですか!!
実はこの行為、ユウキがジョーにあることをさせないようにするためにしたこと。
そのあることとは……どこからともなく拾い集めてきた鳥の羽を、家中の隙間と言う隙間に詰め込む、と言う謎の行動なのです。
アミに課せられた使命(?)は、鳥の羽を片付け、ジョーに収集を辞めさせること!
アミはとりあえず羽を片付けようと、ジョーにリードをつけて一緒にゴミ袋を買いに行くことにしたのです。

が、ジョーは器用にリードを外し、一人でどこかに行ってしまうではないですか!!
カバンを持ったまま来てしまったアミ、そのことをちょっと後悔しながらジョーを捜索。
探し回っていると、水辺で一人の男性に遭遇しました。
木の枝の上に腰かけ、なにやら紐を持っている。
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その行動をみて、アミは自殺だと直感!!
慌ててその男性に駆け寄ろうとするのですが、慌てるあまりすっころんで川にはまってしまい……
助けようとした男性に、逆に助けられてしまう始末となるのでした。

彼の名はリチャード・ベイカー。
一昨日この小天狗里に来たんだそうで、もちろん自殺しようなんてしていませんでした。
あの行動は小鳥用の小屋を設置していただけとのことで……おっちょこちょいなアミの早合点だっただけなのです。
なにやらこの小天狗里の歴史を調べているらしいリチャードですが、勘違いとは言え自分の自殺をわき目も降らずと目に来てくれたアミに感謝。
さらにこの後、ちょっとしたことがきっかけとなって、二人はどんどんと仲よくなっていくのです。

ある日、リチャードはアミの家を訪ねてきます。
ですがそれはアミをたずねてではなく、アミのおじいさんを尋ねて、でした。
リチャードはアミのおじいさんからこの地方の事に関しての文献を借りていたそうなんですが、その文献に奇妙なものが挟まっていたのに気が付き、その物体が何かを聞こうとしてきたのだとか。
鉄製らしい、曰くありげな……スパナくらいの大きさの不思議な物体。
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何か面白い言い伝えでも聞ければいいと思っていたのかもしれませんが、おじいさんはあいにくどうしても外せない用事があって外出中。
夜も更けたせいか眠気も襲ってきましたし、お暇するとリチャードは立ち上がるのです。
ところがどうしたことか、玄関に一歩でるなりリチャードは斃れこみ、意識を失ってしまったではありませんか!
これは一大事、と慌てて外にでるアミ。
するとそこには、いるではないですか。
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どうみても、怪獣が!!
慌てて家の中に引っ込み、本当にいたんだ!と身をちぢこませるアミ。
さらにそこへ驚くべき出来事がまきおこるのです。
あれは「走竦(ばしりすく)」という幻獣だ。
あいつの吐く毒息をすって、リチャードは倒れたんだ!
いきなりそう解説してくれたのは……
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ジョーだったのです!!
突然喋りだしたのにもびっくりですが、このまま放っておくとリチャードは死んでしまうかもしれない、と言う告白にもビックリです。
どうしたらいいのかと慌てるアミに、ジョーは先ほどの奇妙な鉄の物体を持ってきました。
ジョーが言うにはそれ、「真の鋼」というのだそうで、それをあの幻獣に突き立てれば倒すことができる、とのこと。
最初はそんなことを信じられず、幻獣をおそれるばかりだったアミですが……襲撃してきた幻獣の息をまともに浴び、自分の腕と……リチャードの体が徐々に石になっているのを見て決心します!
リチャードには近寄らせない!
そう言って真の鋼を手に取ると、
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アミが変身したのです!!
一体この姿はなんなのでしょうか!?
アミの運命は大きく動き始めるのです!!

というわけで、小天狗里に現れた幻獣と、その幻獣と戦うアミとジョーの物語となる本作。
この第1巻ではまだ物語の謎的なものには触れず、導入的なお話になっています。
今巻では、変身するまでと、幻獣の生まれるまでを描写。
こうして一つ一つ、だんだんと物語の全容を明かしていくようです!
そんな謎ばかりではなく、それぞれのエピソードがよみごたえあるしっかりとしたエピソードなのも素敵。
全体の流れに加え、各話の面白さもばっちりなのです!

そしてそれぞれのキャラクターにも気になるところが用意されています。
これ以上無いくらいおひとよしで、いい子だとしかいいようの無いアミ、一見クールに見えて、しっかり編みのことを考えているユウキ。
この小天狗里のことを調査しているジョーンズと、「芭律」なる踊りを伝承しているおじいさん。
そして悪びれもせずアミにカバンを預けていくお友達3人娘……
それぞれにもなんらかのドラマが秘められている予感がする本作。
彼女達の物語にも注目していきたいところですね!!

突然戦いを強いられる、アミとジョーの運命は!?「テングガール」第1巻は全国書店にて発売中です!
多くの謎が用意された本作。
徐々に明かされていくであろう謎とともに、各話の展開も楽しめる作品となっています!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!