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本日紹介いたしますのはこちら、「サクラサクラ」第3巻です。
作者はもりしげ先生。
秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行、別冊少年チャンピオンにて連載されています。

さて、現在の世界を作り上げた「御老人」たちに反旗を翻したものの、逆に停滞しっぺ返しを食らうこととなった桜子。
ですが春の交渉と、現在の世界で事実上の実権を握っているといえる「新世代(ニュージェネレーション)」の力によって桜子は無事戻ることが出来たのです。
歪ではあるものの安らぎも無いではない学生生活に戻った春たち。
しかし、春や桜子の心の内は微妙に変化を始めていまして……

まだまだ春と桜子の間にぎくしゃくした感覚は残らないではないものの、それでもなんとなく二人の距離感も縮まってきていたある日のこと。
三人が通う学校に、一機のヘリが着陸しました。
そこから降りてきたのは、
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白いワンピースに身を包んだ金髪の少女と、彼女の従者らしい青年です。
金髪の少女は、学校を見て呟きます。
かつての経済大国の面影はなく、最後に残った希望の場所さえこのみすぼらしさ。
まことおいたわしいことですわ。
そんな彼女の登場に、呆気に取られる3人。
彼女は3人を見つけると、スカートの端を摘み上げ、お嬢様がやるような挨拶とともに自己紹介を始めました。
セリシール・ハナミズキ・コレット。
そう名乗った彼女、どうやら三人の担任である唯野先生のことはすでに知っているようで。
唯野先生のことを「ピエール」と呼ぶのでした。

そんな彼女、他の国からわざわざこの学校に転校してきたようです。
その目的はやはりといいますか、春。
選択肢がひとつだけでは、春がかわいそうではないか。
あっけらかんとそう言ってのけるセリシールですが、要するに桜子から春を奪おう、とまあこういっているわけなのでした!

桜子と同じ、春にふさわしいとコンピューターがはじき出した女性だと言うセリシール。
今までは自国の女性にこだわっていて桜子を春にあてがっていたわけですが、いよいよ他の国の政府の圧力にこの国が負けた、ということのようです。
この国の大人はあてにならないと言うことを再確認することとなってしまった桜子は、ただでさえ最近いろいろあった春との関係に更なる障害が出来たことに頭を悩ませることに……
そんな桜子が、桜花とともに女子だけの授業(男子と分けて行われるアレです!)を行っている中、春はセリシールをつれて校内の案内をしていました。
ですがセリシールにとって、校内の様子なんかよりも春のことのほうが重要なようで。
春は子供のころ、同世代と遊んだことが無いそうだが、どんな遊びをしてみたかったのか?
学校のことそっちのけでセリシールはそう尋ねてくるのです。
春は昭和チックな文化が大好き。
その質問に対する答えもやはり昭和チックで、プロレスごっことか?と答えました。
するとセリシール、その答えを予測していたかのように、私はプロレスごっこを知っている、と
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春に絡み付いてきたではないですか!!
コブラツイストのような、ただじゃれ付いているだけのようなその行動に戸惑う春!
セリシールはここぞとばかりに、やっとお会いできた春とどこか二人っきりでやすみたい、とおねだり。
素直な春は休みたいと言う言葉を真面目に取って、二人っきりで休めると考えた場所……屋上に向かうのでした。

話してみれば、セリシールは春のことを調べつくしていて、昭和好きということも、プロレスごっこまでもリサーチ済みなんだとか。
何故そこまでするのかといいますと、やはり理由はひとつ、春のため。
私は春様と同じものを好きになりたかったのです。
優しげな笑みとともにそう言ってのけるセリシール。
その言葉を聞いて、春は最近になって感じ始めるようになった奇妙な動悸を感じ始め……
こんなに自分のことを理解してくれる人に合ったのは初めてだ。
素直にそんな感想を漏らす春に、セリシールは更なるアプローチをかけてきます。
今まで自分は、世界の誰よりも春を理解したいと思って生きてきた。
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どうか私をお使いくださいませ。
なんとストレートなアプローチでしょう!!
こうまで言われてしまっては、さしもの春も黙って入られません!
がばっとセリシールに覆いかぶさり……
殺気のコブラツイストは、腕でもっと締め上げないと極まらないよ!!と技の指導を始めたではないですか!!
期待していたのとは違いますが、これはこれでチャンス!
すかさずセリシールはくんずほぐれつの関節技指導合戦に持ち込むのです!!
女子との密着に、必然的といえば必然的にどきどきしてしまう春。
ヘッドロックからドラゴンスリーパー、そして相手と向かい合っての首四の字固めに移行するセリシール!
春様はさっきから受けてばっかり、たまには攻めていただかないと。
そんなことをいいながらくんずほぐれつしておりますと……
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タイミング悪く、桜子が着てしまったのですから大変です!
桜子はもはや何もいえません。
明らかに不機嫌な顔をした後、すたすたとその場を去って言ってしまいました。
セリシールはプロレス技をかけ続けることで春の足止めを成功させつつ、密かにほくそ笑むのです。
何もせず、自分が春にとって特別な存在だとうぬぼれていた。
バカな桜子、救いようのない大馬鹿者だ。
密かにそんな侮蔑の言葉を心の中で吐いておきながら、春には相変わらずの優しい笑顔で接してくるセリシール。
しかも、プロレスごっこを満喫して一息ついた春の
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ファーストキスまで奪ってしまったのです!!
夢にまで見た春様とのキス、レモン味でしたわ。
昭和な感想を聞き、思わず春の表情はにやけてしまうのでした……

その夜。
話題がセリシールのことばかりで不満だったのか、いつもと違い、さっさと自分の部屋に戻ってしまった桜花。
その心中を理解できず、不思議に思いながら布団には言った春なのですが、なんとそこには
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裸のセリシールが潜りこんでいまして!?
まさか彼女、一気に勝負を決める気なのでしょうか!?

というわけで、嵐を呼ぶ転校生が登場する今巻。
物凄い勢いでアプローチしてくる彼女、目的は……まぁ春なのですが、それによって彼女は何を得ようとしているのか?
確実に、春や桜子よりも「何か」を多く知っている彼女……
求めるものが何かまではわかりませんが、とにかく一気に春にとっての樹になる存在となったのは確か。
彼女の登場が、桜子や桜花の心に大きな波紋を巻き起こすことに!
その波紋がはっきり見て取れるほどわかりやすい反応をする桜子はともかくとしまして、いつもポーカーフェイスでとらえどころの無い桜花までがあからさまな行動を取ったわけで。
このセリシールの登場が、二人の今後の行動を大きく左右することは間違い無さそう!
そして実際、桜花のほうが大きな転機を迎える事になったりしちゃうのです!!

大胆な転校生登場の「サクラサクラ」第3巻は全国書店にて発売中です!!
今巻では御老人の暗躍はないものの、セリシールの登場や、桜花の大きな変化等もあって、激動の予感が着々と迫ってくるのを感じました。
そんなストーリー面に加え、恒例の混浴温泉などのお色気シーンもキッチリ用意されているのでご安心くださいませ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!