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本日紹介いたしますのはこちら、「となりの山田さん」第3巻です。
作者は古閑裕一郎先生。
講談社さんのマガジンKCより刊行、マガジンスペシャルにて連載されています。

さて、不思議な少女、山田さんと告白の練習をしていた頑磨。
お互いしっかりと両思いではあるものの、二人の絶妙な鈍感さと言うか、かみ合わなさでお互いの気持ちがうまく伝わりませんでした。
それでもなんだかんだと徐々に距離を縮めている感じはあったのですが……
頑磨が一人歩いていたとき、すれ違いざまに謎の少女から忠告を受けたその翌日。
急に山田さんのキャラクターが高圧的な女王様チックに変貌し、おまけに頑磨煮関しての記憶をすっかり失ってしまっていたのです!

キャラの変わった山田さんですが、何故か頑磨と一緒にいるとドキドキする、と言う事実を不思議に感じてはいました。
さらに自分の記憶に無い頑磨との繋がりも自宅で発見し、それら原因を探るために頑磨といろいろやってみることになります。
失われている記憶の手がかりを得る為、放課後の体育倉庫に集合し、さらにいろいろとやってみることを決めるのです。
ですがそんな時、二人のクラスに転校生がやってきました。
佐藤正子、と言う髪の長い小柄な美少女です。
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どんな性格の持ち主だったとしても、今の山田さんでは仲よくできないんだろうなぁ、などと頑磨はのん気に捕らえていたのですが……
その佐藤、どう見ても先日頑磨に「気をつけたまえ」と忠告してきた少女そのものではないですか!
すれ違いざまにチラッと見ただけだったせいなのか、山田さんに夢中だからなのか、頑磨はそのことに気がついていないのでした。

放課後、二人は早速手がかり探しを始めます。
まずしたことは、今の山田さんが知らない、記憶を失う前の山田さんの人となりなんかを知ることでした。
力持ちで引っ込み思案、照れ屋だけど優しい。
自分のことはさん付けじゃなくてくん付けで呼んでいた。
そういえばこの前はキスの練習をしようとしたら、山田さんが宙に浮いちゃったりして……
と、そこで山田さんは声を挙げました。
キスの練習ってなんなんだ、やっぱり私に対してよからぬことをしようとしていたんでしょう!!
大体宙に浮いたりなんかするわけ無いでしょう!?
そのお怒りはごもっともなんですが、すべて実際にあった事なんですから困ってしまうところ。
本当なんだって、と弁解するしかない頑磨と押し問答になる……かと思いきや、山田さんは埒が明かないからと少し質問の方向性を変えてくるのです。
そもそもなんで、自分が告白の練習に付き合っていたのか?と。
正直をいいますと、頑磨もそれはわかりません。
友達だから……?と憶測を告げては見るものの、ただの友達ならキスの練習とかまでするとは到底思えません。
口ごもる頑磨ですが、山田さんはさらに質問を続けます。
告白の練習に付き合っていたのだとしたら、記憶を失う以前の自分は頑磨のことを好きな人が誰かを知っていたのか?と!
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……何せ相手が相手ですから、それを面と向かって言うのは……
またまた口ごもる頑磨に、山田さんは突っ込んでいきます。
なんで言えないんだ?当然知っていたんだろう?まさか言っていないのか?
連続するツッコミに戸惑いつつも、記憶がなくなる直前に伝えてはいたものの、うまく伝わらなかったんだと答える頑磨。
山田さんはそれを聞いて、それこそが鍵だと直感!!
きっとそこに自分の記憶が失われた理由があるんだと感じたのです!!
誰が好きかを知ったことで衝撃が走り、記憶を失ってしまったんじゃないか?
だったら、もう一回その好きな子を教えてみろ!!
山田さんは一気呵成にそこまで言い切るのでした!
ですがそこで頑磨もささやかな反撃(?)を試みます。
何故山田さんは自分の好きな人のことを知ったら、記憶がなくなるほどショックを受けると思うの?
そこで山田さんはハッとします。
あわてて気になんてしていない、これはあくまで過程の話、ひとつの可能性だ……と言い逃れをするのですが、やはり今の自分が、頑磨のことに惹かれていると言うことに気がつかされたのでしょう。
ですが一転して今度は沈んだような表情を浮かべて言うのです。
でもつまり、あなたにとって今の私と以前の私は違うって言うことですよね。
山田さんはそう呟き、場所を変え手手がかりを探そうと体育倉庫を出て行くのでした……

その道中、山田さんが沈んでいるのが自分のせいではないか、と悩むあまり前を見ずに歩いていた頑磨。
当然のように、顔面から電信柱にぶつかってしまいました。
そんな頑磨を、山田さんは厳しい口調ではあるものの、ばい菌でも入ったらどうするんだ、痕が残ったら大変だろうと気遣ってくれたのです。
そこで頑磨も気づかされました。
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口調はちょっと違っても、山田さんは山田さんじゃないか、と!
やはり好きな人の名前は言うべきだ。
頑磨は決心し、はっきりと告げるのです!
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俺の好きな人って、山田さんのことなんだ、と!!
もちろん驚きまくる山田さん!
好きでもなんでもないのにこんなことを言われても困るだろうが、ずっと自分は山田さんことが好きなんだ、迷惑かけっぱなしだし、記憶をなくしたのも俺のせいだと思う。
ごめんね、それでも俺の好きな人は山田さんなんだ。
思いの丈をすべて吐き出す頑磨。
するとどうでしょう。
山田さんはその両目から大粒の涙をこぼし、泣き出してしまうではないですか!!
気持ちが抑え切れなくなったのでしょう、山田さんは駆け出し、道路へと飛び出してしまいます。
ですがそこでくるりと踵を返し、頑磨に告げるのです。
わたしも、武藤さんのコト……
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その言葉がいい終わることはありませんでした。
山田さんのすぐ後ろには、大型のバスが猛スピードで迫ってきていて……!!
考えている暇はありませんでした。
頑磨は山田さんの名前を叫びながら飛び出し、山田さんを歩道へと押しもどして
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そのバスに轢かれてしまったのです……!!
突然巻き起こった大事件!!
頑磨はこのまま……?

というわけで、頑磨の身にとんでもない事件が起こってしまう本作。
記憶を失っていたとは言え、ようやく山田さんに思いが伝わった矢先に起きた出来事。
物語は一体どんな方向へと転がっていくのでしょう!?
そしてこの後、物語はやはりあの謎の転校生、佐藤が中心となって進んでいくことになります。
即死級の衝撃を受けた頑磨の体は?
山田さんが突然記憶を失ってしまった原因は?
佐藤の正体は?
気になる謎がてんこもりの中、若葉もその渦中に巻き込まれ、物語はどんどん混沌としていきます!
嵐が巻き起こる恋愛劇、次なる激動は!?

頑磨と山田の関係は!?「となりの山田さん」第3巻は全国書店にて発売中です!
物語がまたまた大きく動いていく今巻。
まさに一瞬も目の離せない展開が連続ですよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!