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本日紹介いたしますのはこちら、「県立地球防衛軍 完全復刻版」第1巻です。
作者は安永航一郎先生。
小学館さんの少年サンデーコミックスより刊行されました。

さて、本作は83年から週刊少年サンデーの増刊で連載されていた作品を、新装版として再刊行したものです。
本作は安永先生の人気を決定付けたともいえる作品で、そのドタバタっぷりや美少女だろうとなんだろうとヨゴレを辞さない芸風はこの頃から健在!
このこれでもかというくらいかくれまくった密かな名作が、連載開始から30年もの時間が経過した今になってカバー描きおろし+新作エピソード16Pを描きおろし、何故か突然復刻したのです!!

九州の某県。
その県庁に電話のベルが鳴り響きます。
県知事宛にかかってきたその電話の主は「電柱組」を名乗っています。
しかもその電柱組、自称「悪の秘密結社」なのだとか。
暇だからと言う理由で知事がその電話にでてみますと、その電話の相手はいきなりの高笑いから、その目論見を赤裸々に発表してくれました。
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われわれは世界制覇の野望に先立ってまず、手始めにこの県を征服することにした、と!!
世界制覇をするなんていう悪の組織のセオリーに則るなら、東京辺りから攻めるのが筋というものでしょう。
ですが電柱組は、大体過去のパターンでは東京に攻め込んだ悪者はろくな目にあっていない、そこで賢いわれわれは地方からせめて行くことにした!とのことで……
しかもすでに先発隊が県民農場で行動を開始しているとか。
農場が電柱組の手に落ちるのも時間の問題だ!と彼は高笑いするのです!!
が、ここで10円玉がなくなった、と電話は切れてしまいました。
なんだか間抜けな感じではありますが、とりあえず県民農場を占拠し様としている怪しいやからなのは確か。
県知事はすぐさま県議会の召集をかけ、対策を検討。
そしてその結果、満場一致で決められたのです。
県立地球防衛軍の結成が!!

県立地球防衛軍の退院として白羽の矢が立てられたのは……
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県立今津留高校の野球部とその顧問と言う謎の面子だったのです!
それもこれも、この今津留高校の校長と、県知事が親戚関係だったから。
頼まれたために断りきれず、そこでてきとーに野球部に押し付けようと考えたようなのです!
が、この人選も完全に適当ではなかったようです。
県から特別に防衛予算がでるよ、と告げると、予算で浮いた金で宴会ができるかもしれない!と野球部の面々は考えて二つ返事で防衛軍の仕事を受け入れたのですから!!

そのころ、県民農場では。
ナスやサツマイモのできにほくほくしていたご老人たちの目の前で、突如驚愕の光景が拡がり始めていたのです!
サツマイモが……
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宙に浮いている!?
御老人達はビックリ仰天して逃げ出して行ったのですが、その騒動を巻き起こしていたのこそが電柱組でした!
「電柱組の歩く幻魔大戦」などという謎の異名を持つ超能力者、マーカライトの能力によって、芋が一網打尽に掘り起こされてしまったのです!!
その掘り起こされた芋は、電柱組の下っ端によって回収!
彼らの困窮気味だった米びつに納められることになったのです!!
そんな彼らの指揮を執っているのが、電柱組の大佐を勤めている少女、バラダギ。
今まで夜な夜なこっそり掘り出していた芋を、いまや白昼堂々と掘れる!とマーカライトの働きにご満悦。
ですがその喜びに水を差すように、地球防衛軍がやってきたと言う一方が飛び込んできたのです。
じゃあとっとと引き上げようか、と踵を返そうとするバラダギですが、ここで戦わずして何が悪の秘密結社でしょうか!
マーカライトは、県庁のこっぱ役人くらい自分に任せてくれ!と迎え撃つ姿勢を見せるのですが……
バラダギは芋ほり以外の芸なんてお前にあるのか?それは面白い、是非やってみせい!と、完全にマーカライトのことをなめきった激励をしてくるのでした……

で、防衛軍はといいますと。
先ほど逃げ出した老人を連れて現場にやってくるところでした。
ですがそこには誰もいません、
いるといえば、老人の愛牛、ミンメイただ一頭。
防衛軍のリーダー格、盛田はおもむろにそのミンメイに怪しいやつを見なかったかと尋ねたのですが……
牛が答えるわけ無い、と思いきや、盛田はその牛がただの牛ではないと言うことを看破!
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なんとそのミンメイ、マーカライトが化けていたものだったのです!!
さあここからが本番、マーカライトの超能力と防衛軍の肉弾戦の真っ向勝負が始まる……といいたいところでしたが、ここでマーカライトは敢え無く防衛軍に袋叩きにされてしまうのです。
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なんとマーカライト、最近超能力を芋ほりにばかり使っていた為、ホントに芋にしか超能力が使えなくなってしまっていたのです!!
が、そうだと分かれば戦いようはあります!!
芋を操り、弾丸のように飛ばして防衛軍に攻撃を仕掛けてきたのでした!!!
ところがそこで農場の老人が参戦!
鷲の畑を荒らすでねえ、とマーカライトを鍬で殴打!!
防衛軍との戦いより前に、農場の老人VSマーカライトが開幕してしまったのです!!
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……結局この戦いはうやむやに……
老人とマーカライトのイモの投げあいを尻目に、防衛軍も、バラダキも付き合いきれないとその場を離れるのでしたとさ……

というわけで、防衛軍と電柱組の対決を描いていくような、そうでもないような本作。
この後も防衛軍が主役……とはならず、実は普通に女子高生をやっているバラダギのほうが主役っぽくなって物語は進んで行きます。
さらにこの後、電柱組の大将にしてとある組織のトップでもあるチルソニア、インドからの留学生にしてサイボーグ、さらにとんでもない目にあって身体的特徴が変わると言うあまりにも盛り沢山なキャラのサンチンや、そんな彼をサイボーグにした医者とその娘など、様々なキャラクターが続々登場!
物語はいっそう賑やかになっていくのです!!

そして何よりも本作の目玉は、一挙16Pも描き下ろしてくれた新エピソード、「帰ってきた県立防衛軍」でしょう!!
この第1話から30年の月日がたった、今の安永先生の手による電柱組と防衛軍の手に汗握らない小競り合いが描かれているこのエピソード。
絵柄の変化や描きこみ具合の変わり方などと共に、その芸風自体の変わらなさが堪能できることでしょう!!

待望の復刊、「県立地球防衛軍 完全復刻版」第1巻は全国書店にて発売中です!!
絵柄は流石に時代を感じますが、ノリは今と変わらず楽しめることは間違いない本作。
この調子で「陸軍中野予備校」の復刊や、「火星人刑事」を最後まで刊行して欲しいところですが……どうなんでしょうか!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!