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本日紹介いたしますのはこちら、「孔雀王~戦国転生~」第1巻です。
作者は荻野真先生。
リイド社さんのSPコミックスより刊行、コミック乱ツインズ戦国武将列伝にて連載されています。

さて、本作はあのゲーム化や映画化にOVA化と一世を風靡し、近年ではあまりにもショッキング打ち切り劇と様々な話題を振りまいてくれた孔雀王シリーズの最新作です。
簡単にいいますと、孔雀が戦国時代にタイムスリップしてしまうと言うお話である本作。
当初はちょっと確定していない感じでしたが、この単行本のあおりなんかでとうとう「曲神紀」の続きであることが判明いたしました!!
孔雀王シリーズ本編の続きが、思いもよらない雑誌で連載することになったわけで……
その単行本がこのたび、ようやく発売となりました!

尾張の国、清洲城。
木下定利の娘、ねねはあの織田信長と対面しておりました。
深々と頭を下げていたねねですが、信長の面を上げよと言う声にしたがって顔を持ち上げますと……
そこでは、今まさに信長と見知らぬ人物が体を重ね合わせている最中ではないですか!
私が信長だと簡単に自己紹介をした後、彼は自分は刀や器、女に男も、美しいものが好きだ、と言い出しました。
しかしねねの外見からは美は感じられない、中身を見せよ……
冷たくそういいはなつのですが、ねねは物怖じせず着物を脱ぎ捨てました。
着物の下から現れた裸体は、美しく、妖艶な色気を纏っております。
その姿を見て、思わず感嘆の声を漏らす信長……
いや、その声を漏らしたのは信長ではありませんでした。
バチンと頬を叩かれ、転倒する信長と名乗っていた男。
たかが女の色気に惑うでない!
頬を叩いたのは、先ほどまで抱かれていた細身の……男でした!
女性と見紛う細身の美少年。
彼こそが、
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本当の織田信長だったのです!!

場所は変わり、とある森の中。
一人の女性が、数名の男性に襲われていました。
地面に押し倒され、とうとう乱暴されてしまうと言うその時のこと。
空から人影が降り立ち、瞬く間に男たちを叩きのめしてしまったのです!!
怪我はござらぬか、娘御!
紳士的にそう語りかけてきた人影は……
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どう見ても、大猿そのものではないですか!!

その猿は、信長の家臣、藤吉郎と名乗りました。
見た目に反して藤吉郎は優しい性格をしているようで、悪阻和荒れていた少女にも実に紳士的に接してくれるのです。
一方助けられた少女は、木下ねねと名乗るのです!
先ほど信長に謁見したねねとはどう見ても別人なのですが……?
父に呼ばれて近江から尾張まで来たが、父に会えないままあのような輩におわれて困り果てていたとのこと。
藤吉郎は気が休まるまでこの家にいていいと優しく声をかけるのですが、代わりとばかりに自分の手伝いをしてくれないかと言い出しました。
何でも明後日は藤吉郎の祝言が予定されているらしいのですが、藤吉郎の住む家には女手がひとつもなかったんだそうで……
そんな会話をしている二人の元に、ふらりと一人の男が現われました。
袈裟に身を包み、空の徳利をひっくり返しながら、もう酒が一滴もないぞと言う赤ら顔の僧侶……
そう、彼こそが孔雀です!!

祝言のときがやってきました。
藤吉郎の祝言の相手はなんと、
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あの信長に謁見した方のねねではないですか!
おまけに祝言に参加している武士達は、藤吉郎本人を前にして言いたい放題。
猿のヤツ信長様に何故か気に入られてうまくやりやがった。
あの嫁は定利が信長の側室にしようと呼び戻したがあてがはずれ、猿の女房になった。
挙句に定利自身も今は行方知れず……
とは言えあの嫁はいい女だ、猿にはもったいない。
思いあがりやがって、家名も無い百姓上がりの化け猿が!
優しいと宇吉郎の散々ないわれっぷり、そして自分の父が行方知れずと言う事実。
様々なよくない話題を次々に聞かされ、藤吉郎に助けられた方の寝根はいたたまれずその場を去ってしまいました。
そんな状況だと言うのに、もう1人のねねの方は悪口を吐き続ける参列者たちを誘惑するような態度を採っていて……
そんな一連の出来事を知りながら、藤吉郎はこんな身なりだから馬鹿にされなれている、こんな自分の相手をしてくれる女はあれくらいしかいないだろう、と穏やかな笑いを浮かべます。
しかしこちらの寝根は声を大にして叫ぶのです。
そんな事は無い、私は藤吉郎様が大好きです!
それにあの女を信じてはいけません、木下定利の娘のねねは、この私なんですから!!
その言葉を信じるとすれば、あちらのねねは何者だと言うのでしょう。
そこで、とうとう孔雀が重い腰を挙げました。
ここからは、俺に任せろ!

孔雀が祝言の場に戻りますと、そこでは怪しいほうのねねと男達がお楽しみの真っ最中でした。
ですがその様子は明らかに妙。
男達は魅入られたように怪しいねねに、一心不乱に覆いかぶさっていたのです。
孔雀はねねに言い放ちます。
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お前は武士でも男でも、ましてや人でもない。
俺はその人で無いやつを、打ち払うものだ!
危険を察知したねね、今まで自分の体を味わっていた男たちを操り、一斉に孔雀に襲いかからせました!!
すかさず孔雀は印を結び、大日如来の真言を唱えます!
発生する凄まじい衝撃波!!
男達は吹っ飛ばされ、そして怪しいほうのねねも大ダメージを負い、そしてその妖怪の本性を現して……!

結局、ねねの父親はその妖怪に食い殺されてしまっていました。
本物のねねはその事実を受け止め、藤吉郎の妻となることを決意します。
そして孔雀は、藤吉郎の今の猿のような姿はおそらく何者かによる「呪」が原因だろうと推測。
その呪の正体がわかれば、藤吉郎も人の姿に戻れるかもしれない……
ならば早くそうしてくれ、孔雀様は腕のいい退魔師なんだろうと頼み込むねねですが、孔雀は真剣な眼差しでこう答えるのです。
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昔はな。
今はあのニセのねねのような妖怪と同じ……とてつもない呪を与えられ、この世界に討ち払われたただの負け犬だよ。
……あのこの国の頂点と追いえる存在との戦いの後、孔雀に何が起こったのでしょうか?
孔雀が討ち払われたと言うこの時代に、一体何が起こるのでしょうか……!

というわけで、戦国時代を舞台にして孔雀の退魔行が行われる本作。
パッと見、外伝的な話のようにも見えた本作ですが、中身を見てみればしっかりとした孔雀王本編となっています。
なんといいますか、妙に軽いノリだった「曲神紀」に比べますと、今回の「戦国転生」は以前の「退魔聖伝」にもやや近い、シリアスかつおどろおどろしい雰囲気が多めな物語となっているのです!!
この後物語は信長や藤吉郎に加え、家康や列強の将軍達が参加してどんどんと規模の大きいものに!
この国の闇に蠢く何かが、藤吉郎の、そして孔雀の体に降りかかった「呪」の正体に関係があるのでしょうか?
さらにこの後、あのキャラクターまで登場!!
我々のよく知るあのキャラクターとは見た目も特性も違うような気もしますが……
これが物語にどんな影響を与えるのか!?
……そのキャラ、割と今までの本編でも見た目がころころ変わってたキャラなのでデザイン的にリファインしただけと言うことも無いではないでしょうけど……!!

シリーズ待望の新章、「孔雀王~戦国転生~」第1巻は全国書店にて発売中です!!
各地に暴風を巻き起こした、あの終わり方のその後が描かれることになりそうな本作。
無印に登場していた信長と本作の信長が完璧に違う人なのが気になるところですが、おそらくこの戦国時代が当たり前の戦国時代ではない、と言うことなのでしょう。
刊行ペースがゆっくりになりそうなのがもどかしいところですが……先が楽しみでなりませんね!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!