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本日紹介いたしますのはこちら、「なにかもちがってますか」第4巻です。
作者は鬼頭莫宏先生。
講談社さんのアフタヌーンKCより刊行、good!アフタヌーンにて連載されています。

さて、世直しを謳って、些細な犯罪を行う者を殺していくという蛮行を行っていた日比野と一社。
日比野の持っている超能力、物体の位置を入れ替える能力を使って対象を消すことで、証拠なんかを残さず世直しができるはずだったのですが、なにせ日比野達は中学生。
様々な穴ができていて、ひょっとしたら自分達が人を殺めていることにたどり着かれてしまうかもしれない、と言う状況にまで発展してしまいます。
が、そんな二人の元に想像だにしていなかった協力者が現われるのです!
一人は人のオーラのようなものを察知し、捨てられていたものを持っていた人が誰か、何をしていたかなどがわかるサイコメトリー能力を持つ高岳。
そしてもう一人は……刑事でありながら、一同の世直しを補佐すると言い切る男、桜山です!

日比野が犯してしまった最大のミス、犯行現場に残してしまった指紋。
ですが桜山のくれた情報によりますと、その場所からは指紋が検出されなかったそうなのです。
つまり、日比野たちの知らない何者かが指紋を拭き取ってくれた、と言うこと……?
ありがたいことといえばそうなのですが、後ろめたいことをしている自分達の背後に、物言わぬ誰かがついてきている、というのはかえっていやな感じを受けてしまいます。
そんなことをアレコレ考えながら、夜の公園で鶴里を待っていた日比野。
ですがそこには一向に鶴里は現われず、何故か高岳がやってきたのです。
最近何故か能力が鋭敏になっていて、雑多なものがまとわりついていたと言う彼女。
自転車で走るとそれを振り切れるとのことで、夜の町を走って気を紛らわせていたと言うのです
そんな高岳がいつも背負っているリュックが少しだけ気になった日比野はそのことについて軽く触れてみるのですが、高岳はあからさまにそのことについては触れてほしくない、と言う態度を取るのです。
高岳は話題をかえ、日比野が何をやっているのか尋ねて来ます。
女子を待ち合わせをしているという事情を知ると、高岳はバカなんじゃないかと言い出すのです。
最近このあたりでどれだけの人が死んでいると思っているのか?
そんな時にまともな親が女の子を、こんな時間に外出させると思うか?
確かに正論です。
……まぁ大半が、日比野たち自身によるものなのですが……

じゃあ帰ろうか、となった二人。
ところその時、高岳はその能力で、自分達の後ろに誰かがいることを察知するのです。
しかもその誰か、このあたりを何回かうろついている感じもあり、あからさまに不審。
おまけにそいつが抱いている感情は、好意的なものではないそうで……
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もしかしてそいつが以前日比野たちを尾行してきたり、指紋を拭き取ったりした人物なのでしょうか?
何者なのか、そして目的はなんなのか。
それは分かりませんが、泳がせておいていい結果が待っているとはどうしても思えません。
高岳はぼそりと日比野に告げるのです。
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殺そう。

曲がり角を曲がったところで待ち伏せし、姿が見えたところで……やる。
……なかなかそいつは姿を現しません。
どのくらい時間が経ったのか、あるいはほとんど時間なんて経っていなかったのか。
とうとう高岳は耐え切れなくなり、曲がり角から飛び出してしまうのですが
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そこには誰もいないのでした。

ともかくなんにせよ、手を汚すことなく自宅に戻ってきた日比野。
そんな日比野を、意外なニュースが待っていました。
少し離れた場所ではあるものの、人が殺された、という。
このあたりでの連続怪死、そして桜山によって怪死事件を起こしている存在がいるかもしれない、という噂を流したことも原因のひとつなのでしょうか、ともかくその多くの人が死んでいる流れに乗ったかのような事件が起こされてしまったのです。
一社はどうせ短絡的な犯罪だ、世直し以外で人をコロスなんで信じられない、いずれそいつも殺さなきゃいけない、といつもの感じで言うばかり。
一社は呆れ半分でその主張を聞くしかなく……
ですがテンションの下がることばかりだった日比野にとって、久しぶりに高揚する出来事もありました。
鶴里が、登校を再開したのです!
とは言えそれもつかの間のこと。
登校を再会した鶴里とは、今までのように二人だけ出会ったりする関係は消えうせ、今までの近くて遠いクラスメイトと言う関係に戻ってしまいました。
しかも何故か、日比野が昨夜夜の公園で高岳にあっていたことや、鶴里と二人きりで会っていた事が幼馴染の新瑞橋にばれているではないですか!
彼女によれば「そんなの皆知っている」んだそうですが……
自分と高岳が一緒にいるのを見たのは、もしかして鶴里だったのか?
いや、それにしても鶴里が自分をつけてくるはずがないし。
頭を悩ます日比野ですが、そんな日比野に新瑞橋は言うのです。
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最近なんか変。
昔と何か違う、と。

一方その頃、高岳は気になる物を見つけていました。
道端に不法投棄されたごみの中に転がっていた、まだ新しいぬいぐるみ。
思わず拾い上げると、高岳はその能力で感じ取ったしまったのです。
このぬいぐるみを捨てたヤツ、
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人を殺してる。

というわけで、またも新たな事態に発展してく本作。
最初は一社の独りよがりな正義感のために、たった二人だけで行うはずだった世直し。
それがいつの間にか、大きなうねりの中心に飲み込まれてしまったようです。
サイコメトリーの能力があり、自分の狙いがはっきりとしている高岳はまあいいでしょう。
ですがどこからともなく現れ、日比野の能力を当然のように受け入れている桜山はあまりにも怪しすぎます。
今のところ桜山は見方の立場に立ってくれてはいるものの、まだまだ怪しい、注意を払わなければならない人物はまだいるのですからまったく油断はできません。
日比野たちを追いかけてくる謎の人物。
そして、突然吹っ切れたように今までどおりに生活を始めた鶴里も十二分に怪しいでしょう。
さらにヘタをすれば、何も知らないかのように見えている新瑞橋が何かしている可能性も、鬼頭先生作品ならばあり得るかも!!
そんな警戒してもしてもしたりない位の現状ですが、さらに日比野たちを翻弄する出来事が次々に起こっていき……
何が敵で何が味方なのか、何に気をつけて何を信じればいいのか?
まったく予想ができない展開となっていくのです!

暴走する少年の世直し、その行く手にあるのは?「なにかもちがってますか」第4巻は全国書店にて発売中です!!
だんだんときな臭い雰囲気が立ち込めてきた本作。
物語に、さらに大きな変革が起きるのも間近かもしれません……!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!