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本日紹介いたしますのはこちら、「藤子・F・不二雄大全集 すすめピロン」です。
作者は藤子・F・不二雄先生。
小学館さんより刊行されました。

さて、本作は61~62年にかけて、「小学一年生」「小学二年生」に連載された作品を1冊にまとめたものです。
60年から連載されていた、手塚治虫先生が第1話のみ執筆し、その後F先生が受け継いで描いた「ピロンちゃん」の続編的作品のようで、なんといいますか……唐突に始まっています!

海を行く大きな船。
その船に向かって、なにやら物凄い勢いで近づいてくるものがありました。
その何かが近づいてきますと、正体は意外なもの。
なんとそれ、真っ赤なクジラだったのです!!
クジラはそのまま速度を落すことなく、船の右舷にズシンと衝突!!
その一撃には何とか持ちこたえたものの、このままでは転覆してしまうことでしょう。
船長が顔面蒼白になりながら操舵をしておりますと、そこに一機のロケットが駆けつけました!
あの船を助けよう、と赤いクジラに向かって機銃を操車するロケット。
ですが赤いクジラにはあまり効いていないようです。
それどころか赤いクジラ、クジラのクセに宙へ舞い上がり、直接ロケットを撃退せんと文字通り飛び掛ってきたのです!!
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しかし流石に小回りの面ではロケットに軍配が上がります。
クジラはロケットをグルグル追いかけている間にこんがらがってしまい、これはたまらないとばかりにいずこかへと飛び去っていってしまうのでした。

とりあえずの危機を逃れた船の上に、ロケットから少年と犬っぽい何かが飛び降りてきます。
颯爽と現れた二人に、君は誰だと尋ねる船長。
少年は名乗ります。
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星から来た、ピロン、と!!
ちなみに犬っぽい方はぴぴだそうです!!

ピロンとぴぴはロケットに乗り、あの怪クジラを探すことにしました。
そのあと、二人はけっこうあっさりクジラを発見します。
慌ててクジラの後を追いかけていくと、クジラは海の中へと潜っていき……
やがて、海底に聳え立っている、大きなお城の中へと消えていくのです!!
相手もピロンに気がついていたのか、お城の中から魚のような変なものが数機飛び出してきました!
ピロンは必死に応戦するのですが、多勢に無勢。
ミサイルっぽいものをコクピットのガラス面に食らってしまいました!!
そしてそのミサイルから、眠りガスが噴出!
あっという間にピロンは眠ってしまうのです。
そこですかさず、ピピがハンドルを取ります。
難しい操作はできないのか、とりあえずなんかめっちゃくちゃでっかい昆布の林立する茂みの中に逃げ込みました。
敵の魚型メカもそれを追ってきて、昆布林まで来ると中の人がでてきて探索を始めます。
見つけたのは、空になったロケットだけ。
ピロンは見つけられないものの、中の人たちはピロンのロケットを鹵獲して帰っていくのです。
当のピロンはというと、ぴぴによって少し離れた場所に隠されていました。
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海中ですが……生身でいびきをかいております!!
……さすが星から来た少年、海中でもなんとも無いようです!!
ぴぴに起こされ、事情を聞いてピロンは悔しさに飛び上がります。
やられた、ロケットを取り替えそう!!
ピロンはぴぴと共に、生身であの海底城に忍び込むことにしたのです!!

……ですがピロン、やはりと言うかなんといいますか、頭より体のほうが先に動くタイプのようでして。
最初にとった行動は、隠れもせず真正面からお城へ向かうと言う蛮行でした!!
いくらなんでもそれではバレバレです。
物凄い勢いでミサイルを撃たれ、あえなく撤退となったのでした。
危なくて近寄れない、とここでようやくピロンは作戦を打ち立てます。
指笛を吹き(海底で!)魚をたくさん集め、そこに紛れて侵入することにしたのです!!
その大群がちょっとやそっとの大群ならば、あっさりミサイルにやられてしまったかもしれません。
しかしそれはもう物凄い数の魚が集まってくれたようで、敵の視界が魚でいっぱいすることが出来たのです!!
流石にそんな状態で闇雲に撃っても仕方ないと思ったのでしょう、敵は冷静に入り口を見張らせます。
その冷静な判断はまさに適切で、海中トンネルを通ってお城の中に入ってきたピロンとぴぴに
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バッタリ遭遇!
誰かきてくれ!!と大声で叫び、仲間を呼ぶのですが……
駆けつけたその仲間達の頭上、
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天井にピロンとぴぴが張り付いていようとは誰が予想するでしょうか!?
理由はよくわかりませんが、彼らは「てんじょうもあるける」んだそうです!!
凄いです、星の人!!

しかしピロン、ちょっぴり調子に乗りすぎてしまったようで。
ボスの部屋まで天井を伝ってきたはいいものの、ぴかぴかに磨かれた机に自分達の姿が移っていることに気がかなかったのです!
ボスがすかさず壁のボタンを押すと、どういう自体を想定していたのかは分かりませんが、ピロンとぴぴの体が瞬く間に天井に張り付いてしまいまして。
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敢え無くピロンとぴぴは捕らえられてしまうのでした。
続々とおとずれるピンチ!!
ピロンとぴぴはこのあともモリモリやって来る窮地を潜り抜け、悪の組織を打倒することはできるのでしょうか!?

というわけで、星から来たピロンとぴぴの活躍を描いていく本作。
この作品も「海の王子」の流れを汲んだ、少年+ロケットによる冒険活劇物となっています。
他のこういった作品と同じように、海から別の星まで、様々な舞台で活躍するさまが楽しめるのですが、最大の違いはそもそもピロン自身に超能力があることでしょうか。
なにせ生身で海中を歩けるわ、天井を歩けるわ、壁は殴り壊せるわ、終いには宇宙空間にまで生身で飛び出すわと物凄くパワフル!
他の少年+ロケットモノとは違い、ロケットが無くても何とかなる感が半端じゃありません!!
それでもイージーな敵というのはひとつも無く、後の作品にも生かされていくような強敵が続々登場!!
手に汗握る戦いがたっぷり楽しめるのです!!

ロケットも乗組員も強ければ敵も強い、「藤子・F・不二雄大全集 すすめピロン」は全国書店にて発売中です!!
ピロンとぴぴの万能ぶりも楽しい本作。
難しいことの無い、単純に楽しめる作品ですよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!