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本日紹介いたしますのはこちら、「水木しげる漫画大全集 フーシギくん 他」です。
作者は水木しげる先生。
講談社さんより刊行されました。

さて、本作は「テレビマガジン」や小学館さんの学年誌をはじめとした児童誌で、66年から94年にかけて発表された作品を集めたものです。
メインとなるのはテレビマガジンで連載された「フーシギくん」と「おばけのムーラちゃん」になるのでしょうが、こちらの二作品は10年にまとめて刊行されたばかり。
そちらの紹介はこちらの記事を参照していただくとしまして、今回は短編連作「水木しげるの妖怪めぐり」の中から、「海おしょう」を紹介したいと思います!

ある日のことです。
とある漁村に、海底調査団がやってきました。
それを知った漁村の住民達は、一様に渋い顔をしております。
何でも昔から、このあたりの海のそこは探索してはいけない、と言い伝えられているんだとか。
調査団は、知事の許可証もあるんだと迫ってくるのですが、やっぱり村人達は許可できません。
いくら県知事の許可があるといっても、そんな船で海底を引っ掻き回してもしたら、恐ろしい海おしょう様が出ることは間違いない。
そう言って異様に怯える村人達。
調査団からすればまったくその言葉の意味がわかりません。
いったい海おしょうとはなんなのか?
そう尋ねてみますと、村人たちもはっきりとはわかっていないようで。
たたりというかなんというか、とにかく説明のつかない恐ろしいものだ、というフワフワした説明しかしないのです。
はっきりいって、こんな村人の言葉だけで調査をやめるわけがありません。
かといって、自分から率先して村人達と事を荒立てることも無いでしょう。
ご忠告は承っておきます、とその場は引き下がったのでした。

ですが翌日になると、当たり前のように船を出港させる調査船の船長。
村人の言うことを聞いていたら仕事にならない、話は確かに聞いたが、約束なんてしていない!としらばっくれるのです。
さっさと調査しないと社長におこられる、と船長は指示をとばして早速調査を開始。
程なくして、海底に思いもよらない物体を発見します。
海底に広がる、一面の墓地を!!
どうやらこの海底一帯は、大昔には墓地だったようです。
意外な発見をした船長。
これで村人達の言葉をやっとまともに受け止める……かと思いきや、ここを掘ってみようと言い出すのです!!
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海底の墓に穴を開けるなんて、と戸惑う船員達ですが、船長は一切気にしません!
ボーリングの杭をドリドリと地面に突き立てるのでした!!

するとどうでしょう。
何かもやもやとしたものがあたりに立ち込め始めるではないですか!
ただの霧じゃないかと最初は楽観視していた船員達。
ですがほどなく、そのもやはただの霧ではないことが分かるのです!
もやのせいで見えなかったのか、それともそれの魔力なのか。
そのもやは大きなカメのような物体で、船長達は船の上ではなく、そのカメのような物体の上に立っていたのです!!
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もしかしてこれが、村人達の言っていた海おしょう!?
そんなバカな、見間違いだなどと言っているうちに、カメのような物体は海中に沈み始めました。
となれば、上に乗っていた船長たちも海中に沈んでいくしかありません!!
為す術なく、船長達は海に沈んで行き……
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そのまま巻き起こる渦の中に消えていってしまったのです……

またあくる日。
誰も乗っていない海底調査船が海に浮かんでいました。
それを見た村人達は口々に言うのです。
だから言わないこっちゃ無い、忠告したのになぁ。
昔からの言い伝えは、ただの迷信だとは限らないのです。
やはり、海おしょうは海底のお墓を守っていたのでしょう……

というわけで、妖怪の恐怖を淡々と描くシリーズを収録した本作。
この他にも、「鬼太郎」のイメージのおかげでお茶目な正義の妖怪、と言うイメージのある妖怪の恐るべき目的を描いた「子泣きじじい」、マイナー妖怪ながら容赦ない恐ろしさを見せる「こくりばばあ」、その妖怪の特性を描ききった「水虎」と言った妖怪が描かれています。
鬼太郎をはじめとした、妖怪を退治してくれた存在がいないと人間はどうなってしまうのか?
本来妖怪が恐ろしいものだ、ということを水木先生がまざまざと見せ付けてくれるのです!!
他にもそんな妖怪の生態をより子供向けに描いた「ようかい百ものがたり」シリーズや、
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水木先生がお話の挿絵を勤める「日本むかし話」シリーズなど、
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漫画に限らない様々な作品が収録されています。
新聞という媒体で発表された、「六助とヒトデくん」と言ったレア作品もたっぷりと用意されていまして、今巻もおなかいっぱい楽しめますよ!!

児童向けの作品を大量収録した、「水木しげる漫画大全集 フーシギくん 他」は全国書店にて発売中です!!
漫画以外の読み物も収録されている本作。
そう言うお話に興味が歩かないかは別としまして、水木先生のイラストが拝めると言うのは嬉しいもの!!
水木先生のファンならばファンであるほど、今回のラインナップは心が躍るのではないでしょうか!?
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!