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本日紹介いたしますのはこちら、「クリムゾンの迷宮」第2巻です。
作者は原作が貴志祐介先生、作画が三上達矢先生。
小学館さんのビッグコミックスより刊行、月刊!スピリッツにて連載されています。

さて、突如として謎のサバイバルゲームを課せられた藤木たち9人。
クリアしたものには多額の報酬が支払われるとのことですが、勝者が一人しか生まれない「ゼロサムゲーム」では無いか?という疑念が付きまとい、同じように巻き込まれた参加者たちも信じきることができない状況になっています。
そんな中藤木は、漫画家だと言う女性、藍と協力してゲームを進めることに。
二人が選んだ「情報」を得られると言う北ルート今のところ正解だったようで、貴重な情報を得ることができました。
一番大きかったのは、サバイバルグッズを手に入れられる東ルート、護身用グッズを手に入れられる西ルート、食料を手に入れられる南ルート、どのルートを選んだグループも手に入れたアイテムの全てを公開せずに密かに着服している、と言う事実!
藤木と藍はより警戒心を強めつつ、ゲームを慎重に進めていこうとするのでした。

一同はそれぞれの成果を開示し、分配をすることにしました。
それぞれのグループが、最も重要だと思ったアイテムを隠しているとは言え、その内容はまだまだ有用なものが揃っているのです。
藤木達が得て、隠したままにしている情報の中に、それぞれが入手したアイテムとその重要度の一覧表がありまして。
それを充分に加味しつつ、何故そんなモノを取りに行くのか?と怪しまれないようにバランスをとって藤木達はアイテムを取りに行くのでした。

藤木達が手に入れたアイテムは、小型の鉈一本、マッチ、ナイロンの釣り糸、プラスチックの食器セット、ハエ避けスプレー等々。
概ねほしいと思っていたものは手に入れられました。
そして最も手に入れなければならなかったもの……高性能受信機を手に入れることも出来ました。
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救難要請などの自分から送信ができないこの受信機、最初は話題になりましたが、分配が始まる頃には忘れ去られていた代物です。
が、そんな受信機が藤木達のアイテムリストで重要度が最高ランクに割り振られていたのです。
これをもっていることで、今後の展開が左右される……?
この後電池が与えられると仮定しても、このサバイバルに必須であるゲーム機の充電に使わなければならないわけで。
そのリスクを背負う価値がこの受信機にあるのでしょうか……?

その後自然に、それぞれが再び4手に別れてゲームを進めることになりました。
ですが出発の火は、朝から大雨。
雨脚がやむまで、一同は雨宿りすることになりました。
必ずしも急ぐ必要は無いにもかかわらず、他のメンバーがそわそわしていることが藤木には不思議でなりません。
ですが、藍は彼らがそわそわしている理由に察しがついています。
それぞれが道中に隠してきた、重要なアイテムが無事なのか気になっているのだろう、と……
そう、今の協調関係はあくまでかりそめのもの。
それぞれがそれぞれ、自分だけが美味しい思いをしようと牙を隠しあっている。
いつ寝首をかかれてもおかしくない、と言う事実を忘れてはいけないのです!!

あと一時間もすれば晴れるんじゃないだろうか?という藍。
その時間つぶしに何か面白いことを話してくれ、と藤木に話しかけます。
ですが藤木、人よりは起伏のある人生を送ってきたといってもいいでしょうが、それでも命がいくつあっても足りないような修羅場をくぐってきた……というような類の冒険などしたことがありません。
君はそんな経験があるのか?と逆に質問をしてみました。
すると藍はこんなことを言い出すのです。
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したかもしれない。
もしかしたら、一度死んだのかも……
物憂げな瞳でそう語る藍。
その表情からは、その言葉があながちうそでは無いであろう背景が感じられて……
影響されたわけではないかもしれませんが、藤木もぽつぽつと自分のことを語り始めました。
実は以前も短期間だが、サバイバル生活をしたことがある。
失業し、社宅を追い出され、自暴自棄になった藤木は、わずか5日間ではあるもののホームレス生活をしていたことがある……
今思えば屈折した三十代男のピクニックに過ぎなかったと言うホームレス生活ですが、そのわずかな期間の中でどうにも耐え難かったのは寒さでもひもじさでも、ましてや風呂には入れなおことでもなかったそうです。
それは、「脚」。
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目の前を通り過ぎる無関心な、行き先を知っている脚。
その足音が絶えず、お前は誰からも必要とされないんだと告げてくる。
こっちは生きるために苦闘しているのに足音は、お前は敗残者だ、お前がやっていることはすべて無意味だといい続ける……
今でもその夢にうなされて起きることが珍しくないと言うのです。
あんな重いだけは二度としたくない、あの時に比べれば今のほうがはるかにマシだ。
一度はそう思う藤木でしたが、すぐに違う考えも過ぎるのです。
どんなに惨めでも周りに人がいる、プライドをかなぐり捨てさえすれば誰かが助けてくれる……ぬるま湯のような生き地獄を、どこか懐かしんでいたのではないか?
そんなぬるま湯ではない、本当の生き地獄はこれから始まるのです。
ここに集められているのは、自分も含めて社会不適応者ばかり。
この多額の資金が費やされて作られた舞台の中で、高額の報酬を得るゲームが行われる。
これを仕組んだ連中の狙いがなんだったとしても、そんな莫大な金額に見合うのは……
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人間の命しかないでしょう!!
こびりつく不安を拭いきれないまま、一同はそれぞれのルートをすすみ始めるのです……

というわけで、アイテム分配が終わって本格スタートをする本作。
藤木たちの得た情報は非常に有益なもので、サバイバルを有利に進めることができます。
ですがその情報の中に気になる物がありまして。
やたらと「食屍鬼(グール)」に関する記述がでてくるのです!
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いくらなんでもファンタジーの世界のモンスターがでてくるのでしょうか?
それともこのサバイバルに降りかかるなんらかのトラブルの暗喩なのでしょうか……?
徐々に手に入ってくる情報も物騒さを増して行き、出発後しばらくして再会したほかのメンバーも、ほんのわずかな間に何事があったのかと目を疑うばかりに変わっていまして。
ただでさえどんな危険が潜んでいるのか分からないこのサバイバルゲームで、どんどんと危険が加速していくのです!!
この後このサバイバルゲームの主催者の目的がおぼろげながら見えてきます。
さらに恐れていた、犠牲者がとうとう……!!
迫り来る絶望はすぐそこまで来てしまっているのです!!

無情のサバイバルゲーム、「クリムゾンの迷宮」第2巻は全国書店にて発売中です!
まだまだ始まったばかりのサバイバルゲームで、早くも吹き荒れる激動の風。
一体この後何が起こるのか?
藤木はその何かから逃れられるのか?
恐ろしくもあり、楽しみでもありますね!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!