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本日紹介いたしますのはこちら、「妖怪ハンター 稗田の生徒達(1) 夢見村にて」です。
作者は諸星大二郎先生。
集英社さんのヤングジャンプ・コミックス・ウルトラより刊行されました。

さて、本作は久しぶりに妖怪ハンターの名を関するシリーズ最新作です。
ですが妖怪ハンターシリーズの主役であり、狂言回し的な役割も果たす稗田は今巻ではところどころに姿を現す程度。
2シリーズが展開しているこの作品の主役は、かつて稗田にお世話になり、教え子となった稗田の生徒達!
そんな本作、紹介するのは表題作「夢見村にて」ではなく、もう一編「悪魚の海」を選びたいと思います!

浜沿いの道を自転車では知っていた少女、渚。
ふと視線をやった先に、人影が見えました。
明らかに、海を泳いでやってきたと言う感じのその人影。
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砂浜にたどり着くなり倒れこんだその人影、大変だと渚は慌てて駆け寄るのですが……
近づいてみればビックリ、渚と中学校の同級生だった、後藤カオリだったのです!

事情を聞いてみれば、なんだか込み入ったことの様子。
学校を卒業した後、海女になったと言うカオリ。
彼女の地元では中学をでて海女になると言うのは普通のことなんだそうですが、そのうち海女の指導は熱を帯びてきて、「ホンアマ」という一ランクうえにあると言う海女になるために、離島にある海女小屋に移されたんだとか。
そこでの生活は地獄のようなもので……耐え切れなくなったカオリは逃げ出してきたと言うのです。
次の日、なぎさは香りを匿ったまま学校に行ったのですが、夜になるとカオリが苦しみだします。
病院に連れて行こうかと言う渚ですが、カオリは海に行けば治ると言い出して……
確かに海で泳ぎだすと、元気になるカオリ。
ところがその時、沖から怪しい船が近づいてくるのです。
追手だと言うカオリ、慌てて近くの岩場に身を隠します。
固唾を呑んで身を隠していますと、やがて海の一部が奇妙に赤く光り始め……それに引かれるかのように、追手達は引き上げていきました。
安堵する渚ですが、カオリはと言うと……彼女もまた赤い光に誘われたかのように沖へと向かい始めてしまうではないですか!
手を握って行かせまいとする渚。
ですがその時沖に現れた、
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人面の巨大な怪魚を見て気がそれてしまいます。
その一瞬の隙を突いてカオリは手を振り払い、沖へと消えていってしまったのでした……

そのことを警察に知らせたものの、すでにカオリは家に帰っている、といわれてしまいます。
ですがどうかんがえても普通では無い一連の事件、気になってしまった渚はカオリが暮らす土地をたずねてみることにしました。
流石に一人で行くのは心細かったのか、恋人でもある潮を道連れとして……

現地は今までの状況に負けないほど、異常な雰囲気に包まれていました。
カオリの友人だといってみても、海女小屋に行くなと冷たくあしらうばかりの現地住民達。
丁度取材にマスコミ関係者も来ていたのですが、やはり取り付く島なし。
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やむなくマスコミの人と一緒に、村人の目を盗んでこっそりとホンアマのすむ海女小屋に行ってみることになりました。
岬からその海女小屋のある島を臨む一同ですが、村の人の剣幕を考えると、泳いで島に渡ると言うのはちょっと怖いところ。
様子を見ていると、なにやら海女小屋のほうが騒がしくなってきました。
とは言え距離がありますので、何が起きているのかまでは知ることができません。
ところがその時、渚が急に「呼んでる」と呟き、フラフラと海女小屋へと歩いていこうとしだすではないですか!!
カオリが呼んでいる、行かなきゃ。
そういったかと思うと、渚は意識を失いました。
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これは渚の特殊能力のひとつ。
何か超常的なものに憑依されたり、呼ばれたりすることが頻繁に起こるのです。
と言うことは逆に言えば、海女小屋に何か普通ではないものがあると言うこと。
調査したいところですが、そこに一人の海女がやってきて、なにをやっているんだと怒鳴りつけてきたのです!!
言い訳しようとしても海女は聞き入れず、モリを投げつけて失せろと言い放ちます。
すごすご帰るしかない一同ですが、その別れ際に海女がこんなことを言うのが確かに聞こえたのです。
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今日は明るいうちから悪魚が……
悪魚とは一体なんなのでしょう。
見当もつきませんが、渚が「呼ばれて」いまだ目を覚まさないことからも、その悪魚とやらが「呼ばれた」原因の一因を担っているのは間違いないでしょう。
ではどこに呼ばれたのか?
もうそれはあのホンアマの島を置いて他にはありません!

一同は、夜になったらまたあの島へ行ってみようと言うことになりました。
幸いにもマスコミの一団のなかの、女性カメラマンは水中撮影をするための装備を持ってきているそうで。
遠くの浜から水中を通っていけば見つからないだろう、と考え、早速実行に移すこととなりました。
水中に身を潜め、ホンアマの小屋に向かう女性カメラマン。
小屋の下の海中をぐるりと廻り、入り口へと向かおうとしたのですが……
海中にある、小屋の柱がなんだか妙なことに気がつきました。
柱というよりも……まるで、檻。
海中に、それも海女の小屋に何故こんなものがあるのか?
近寄ってよく中を覗いてみるとそこから何者かがのぞき……女性カメラマンの手を鷲掴みにしてきたのです!!
しかもその何者かは一人ではありません!!
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多くの手が伸ばされ、女性カメラマンはたちどころに捕まってしまい……
一体これはなんなのでしょうか。
海中に無数に顔を出す人影の正体は?
ホンアマの驚くべき事実が明かされることとなるのです!!

というわけで、謎多きホンアマの村にまつわる奇談を描く本作。
この後も物語はどんどんと奇怪さを増していきまして、カオリの身にも恐ろしい出来事が巻き起こってしまうことに!
どんどんと恐怖が溜まって行く展開に、息を呑むこと間違い無しですよ!!
そして表題作、「夢見村にて」ももちろん見逃せません。
こちらはとある事件によって稗田と懇意になった天木兄弟が活躍するお話となっています。
夢の売買や奪い合いが日常的に行われている奇妙な村で、天木が遭遇する、夢ともうつつともつかない不可思議な事件。
読者も主人公と同じように、困惑しながらの戦慄を覚えることでしょう!!

シリーズ待望の最新作、「妖怪ハンター 稗田の生徒達(1) 夢見村にて」は全国書店にて発売中です!!
妖怪ハンターも代替わりが始まった(?)本作。
特殊な力を持つ生徒達の活躍も非常に楽しいのですが、やはりごく普通の傍観者に過ぎない稗田先生の奮闘もまた見たいものですね!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!