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今回紹介いたしますのはこちら。

「名探偵マーニー」第8巻 木々津克久先生
秋田書店さんの少年チャンピオンコミックスより刊行です。

女子高生探偵、マーニーが日常の些細な事件から、凶悪犯罪までを日当5000円+経費で解決していく本作。
今巻で繰り広げられる事件とは!?

9編が収録されている今巻。
ザ・推理漫画、と言った本作らしからぬ事件が巻き起こる「殺戮劇」、静かな港町で巻き起こった漁船爆破テロの裏に隠された真実を暴く「環境テロ」、オカルトとは相性が悪いとぼやきながらも真っ向から苦手に挑む「占い騒動」、衝撃的な展開からゾッとするオチが待っている「献花」……
などなど、どれをとっても引き込まれる事件揃いの今巻。
そんな中で目を惹くのは、マーニーの過去が明かされる「五年前」でしょう!
あの忌わしい事件が起こり、ロイドは警察を退職して母と別居、というマーニーがどん底にいたときのお話であるこのエピソード。
いい年をして警察を退職したロイドが働き口を見つけるためにヒイヒイ言っているさまや、新しい環境に馴染めないマーニーと、暗いお話になっているのですが……だんだんとそんな環境にも変化が訪れはじめます。
まず訪れた変化は、マーニーを助けるために人が死んだと言う事実から、人殺しといわれなき言葉を投げかけていたクラスメイト達に真っ向から反論してくれる友人が出来たこと。
さっぱりとタケヲ割ったような性格をしている活発な少女、その名は……若島津ゆりか。
そう、あのどうしようもないお友達としてトラブルメーカー道をまい進しているゆりかちゃんこそが、マーニーに最初に救いの手を差し伸べた人物だったのです!!
そんな意外な(?)救いの手もあって、徐々に失われていた笑顔を見せるようになって行ったマーニー。
この少し前までは、マーニーは急激な環境の変化を作った原因のひとつとしてロイドを罵倒までしていました。
しかしその心を完全に溶かしたのは、やはりロイドだったのです。
きっかけは、マーニーが出しっぱなしにしていたバッグから顔を覗かせていた一枚の紙。
そこに書かれていたのは、「母親参観日のお知らせ」でした。
とは言え、マーニーの母親はまともに連絡すら取れない状態。
そんな中、ロイドがとった行動とは……?

というわけで、いろいろと興味深いお話が収録されている今巻。
今回はメカニックがらみのお話は少しお休みのようで、本筋ともいえるそちらがすすむことはありません。
ですがそのぶん、木々津先生ならではと言っていい普通の推理モノ、探偵モノとは一線を画した事件が際立っています!
マーニーに対抗心を燃やす男子高校生探偵探偵が現れる「二人の名探偵」など、あのオチはまさに木々津先生作品でしか読めないのでは!?
推理勝負というのは数あれど、あそこまでいろいろな意味で完全なる決着がつき、それでもなんだか腰砕けになるオチがついているお話はこの作品でしか楽しめますまい!!
この他にも、すっきりと終わらず人の持つ業の深さなんかを感じさせるお話あり、ほっこりとする心温まるお話あり、悪を真っ向からつぶすお話あり……
今後にもいろいろとお話に絡んできそうなキャラも登場し、ただでさえいろいろ半端無いマーニーの学校はさらにただ事ではすまないカオスになって行きそう!
メカニックがらみのみならず、学園生活も大変なことになりそうです!!
そして今回はマーニー&ゆりかちゃんの水着姿が拝める回も収録。
ですがそんなマーニーの麗しの姿に、CGによる修正疑惑が……!?
その真偽はおまけ漫画にて!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!