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今回紹介いたしますのはこちら。

「斑目先生の妄想学級日誌」第1巻 永瀬ようすけ先生
スクウェア・エニックスさんのガンガンコミックスONLINEより刊行です。

さて、本作はとある女性教師のアレな日常を描くギャグ漫画です。
中学校に勤める30歳の女教師、斑目先生の切なくも楽しい悩める日常とは!?

カフェで彼氏に、浮気のガンバを収めた写真を突きつけた斑目先生。
これはどういうことなんだ、出来心ならまだ……と彼氏に詰め寄ろうとする斑目先生ですが、彼師さんは悪びれることもなく斑目先生の悪口をいい始めました。
髪ぼさぼさだし、なんか凄い筋肉質だし、胸は無いし三十路過ぎてるし。
その上新しいお相手はモデルもやってるお嬢様で、若くてスタイルもいい。
それぐらいの相手じゃないと俺にはつりあわない、束の間の夢を見られただけで感謝してほしいくらいだ。
そんなセリフを言い終わる前に、斑目先生の中で頻繁に行われている脳内会議の結論が出ていました。
三人の陪審員の意見は「死刑」で一致。
斑目先生はテーブルを蹴り飛ばしたかと思うと、彼氏の胸倉を掴み上げ、テメェなんかこっちからお断りだと罵声を浴びせるのでした!

その後、切れてしまったと斑目先生は大後悔。
職場の中学校にはスケベ親父とか、下心丸出しの体育教師と言ったろくでもないものばかり。
出会いは求めることもできず、家に帰れば四畳半のボロアパートでペットのカメを愛でながらいっぱいやるだけの日常が待っていて……
そんな彼女がふと目にした雑誌の占いでは「恋愛運が絶好調、白馬に乗った王子様が迎えに来るかも?」などとなめたことが書いてありますし……もうフラストレーションは募る一方。
教え子達は中学生、斑目先生からすれば子どもも子どもな存在でして。
とは言え彼らは青春真っ只中、校内を歩いていればあっちでちゅっちゅ、こっちでちゅっちゅとやっておりまして……
限界に達した斑目先生は、もう彼氏もいないんだしどうでもいいと赤提灯でお酒をかっくらい、酔った勢いにのって野外で眠り始めちゃうのでした!!

中身はともかく、ビジュアルのパッと見は悪くない斑目先生。
無防備に寝ている彼女に、ガラの悪い男が寄ってきてしまいます。
が、斑目先生は物凄く体を鍛えてまして。
よってきた男たちを、逆にボッコボコにしてしまうのでした。
とは言え酔っ払ってケンカしたせいで、こっちもノーダメージとは行きません。
服はボロボロ、あちこちから流血してしまいまして、何もかもに疲れてしまった斑目先生はゴミ捨て場に寝転がり、あんまりにもあんまりな今の状況に耐え切れなくなり、号泣してしまうのです。
するとそこに、一人の教え子が通りがかりました。
やんちゃな子どもに過ぎないと思っていた中学生たちの中では、わりと大人なところがあると見込んで(?)いた瀬名という少年です。
ボロボロの斑目先生を心配してくれ、すぐ近くだと言う自宅に招いて手当てしてくれると言うのです。
ふと目をやると、瀬名が乗ってきていた自転車に刻まれていた文字が「ホワイトホース」であることに気がつきました。
ホワイトホース……白馬……?
白馬に乗った王子様というのはもしや!?


というわけで、思いがけない出会いがやってきた本作。
ですが斑目先生は教師、瀬名は中学生。
立場上のモラルという問題、そして倍も違う年齢、何よりもいろいろアレな斑目先生と、二人の間にはあまりにも多くの問題が林立しているわけです!
しかも瀬名のことを意識しているのは斑目先生だけ。
瀬名の方は完全になんとも思っていないうえ、なにやらハーレム漫画の主人公のような体質の持ち主でもありまして。
斑目先生にとっては果てしないにもほどがあるこの恋……報われる日は来るのでしょうか!?
そんな本作の肝はなんと言っても、アレすぎる斑目先生の行動です。
前作「やみのさんしまい」でも疲労されておりましたが、アレな人物を描かせたら天下一品の永瀬先生。
本作の主人公、斑目先生もそれはもう……な様子を描いていらっしゃいます!!
自分自身でも女性らしさが足りないとわかってしまうほどのどうしようもなさ……
彼女の脳内で日夜繰り広げられる、彼女の中の相反する三つのキャラクターによる脳内会議、類は友を呼ぶとしかいえないどうしようもないお友達……
愛すべきどうしようもなさをハッキし続ける斑目先生を、温かい目で見てあげたくなること必至ですよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!