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今回紹介いたしますのはこちら。

「惨殺半島 赤目村」第2巻 武富健治先生
泰文堂さんのアース・スターコミックスより刊行です。

さて、孤島の診療所に勤める医者としてやってきた三沢。
ですがその孤島、赤目村では不可思議な風習や、極端に生活レベルの低い集落があったり、田舎らしい排他的な空気があったりと一筋縄ではいきません。
そんな中起きた、不可解な転落事件。
この事件をきっかけに、物語はそのタイトルの通り、血なまぐさくなっていくのです!!

村の長老が倒れたと呼び出されたものの、とりあえず大事には至らずに終わりました。
自室に帰り着いた三沢、体にどっと疲れが押し寄せます。
村八分にされている集落、崖から突き落とされたこと、そして「乙女組」の夜の顔。
様々な事実を今日一日で知った三沢は、心も体もつかれきっています。
信頼できる友人、ショウに連絡使用とも思いましたが、なにぶん疲れきっています。
村人から渡されたタバコをふかしながら、連絡は明日でいいだろう……とまどろむ三沢。
ですがその眠りは、半鐘の音と、電話の音で打ち破られてしまうのです!

その音は、三沢に何かを渡し、伝えようとしていた耕太の家の火災を知らせるものでした。
三沢が駆けつけたときも、雨の後だと言うのに不自然なほど真っ赤に燃え盛っていました。
生存者はいないのか、と尋ねると、見せられたのは黒コゲになった集落の人々。
その犠牲者の中には、耕太の両親も含まれています。
幸か不幸かその中に耕太と妹の瞳の姿は見えませんでしたが……その行方はわかりません。
この火事、タイミングや被害者から言っても放火であると考えるのが自然。
三沢を含めた冬眠はみな色めき立つのですが……

被害者の死体を搬入し、できる限りの検死を試みる三沢。
ですがやはり疲れが取れてはおらず、島民達が診療所を去ってもすぐに検死を始める気にはなれません。
とりあえず今すっているタバコを吸い終えてから、もう一本吸い終えてからやろう。
そう呟く三沢の瞳は、不自然なほどうつろで……!!

検死を終えた結果、今のところ他殺の証拠は出ませんでした。
やってきた青年団はその事実を聞くと、三沢の労をねぎらってタバコをおき、去っていきました。
くれぐれも吸い過ぎには注意ですよ。
その言葉を聞いて、三沢は良くしてくれる島民、秋奈が言っていた言葉を思い出します。
酒とタバコは欲しいだけ島民がくれる、その「試し」に自分で打ち克たなければダメだ。
タバコのパッケージをよくよくみてみれば、新品のはずのタバコにシュリンクがかけられていません。
箱の作りも荒い気がしますし、パッケージの印刷も質の悪いカラーコピーのようで……
中身抜き取って見つめてみると、手で巻いたように巻き具合にムラがありますし、何よりその匂いは普通ではありません!!
さらにイライラしたりすると、すぐそのタバコに手を伸ばしたくなる中毒性。
これはまるで……!!
追い詰められる三沢。
そんな時惨劇が……今度こそ明確な、殺人事件が起こってしまうのです!!


というわけで、いよいよ本格的に惨劇が幕を開ける本作。
第1巻では舞台を整えることに終始した感じに終わりましたが、今巻でこの村に蠢いていた闇が一気に噴出することになるのです!!
第1巻で繰り広げられた、三沢の手に渡った奇妙なさなぎのような物はなんなのか。
それを渡すことで耕太は何を訴えようとしていたのか?
あの集落では一体何が行われていたのか?
様々な謎が徐々に明かされていき、そしてその謎を覆い隠すような事件が巻き起こっていくのです。
牙をむき始める村の暗部に三沢は飲み込まれてしまうのでしょうか。
手を差し伸べてくれるのは、秋奈か、乙女組のスミレか、祥子か?
その中の誰が味方で誰が敵なのか、誰が生き残って誰が死ぬのか?
急展開に告ぐ急展開が待っているのです!!
そしてクライマックスに待っているのは、怒濤の惨殺劇!!
すべての謎が明かされるとき。
血と狂乱とともに、それは近づいてくるのです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!