kuro
今回紹介いたしますのはこちら。

「黒-kuro-」第1巻 ソウマトウ先生 
集英社さんのヤングジャンプ・コミックスより刊行です。

ソウマトウ先生は10年ごろから活躍されている漫画家さんです。
アンソロジーや少女漫画誌などで作品を発表するなど、精力的な活動をされています。
ちなみに「となりのヤングジャンプ」で連載されている本作のほかにも、「電撃大王web」で連載をもたれております!

さて、本作はとある少女とそのペットが織り成す、のんびりしたちょっと不思議な日常を描いていく作品です。
淡々と描かれていく日常の中に、見え隠れする不思議。
一体それはなんなのでしょう?

ココはたった一人で大きなお屋敷に暮らしています。
いえ、一人、というのはちょっとだけ違う様子。
ココは、黒猫のクロと一緒に過ごしているのです。

クロは一度だけ、お屋敷から逃げ出したことがあります。
結局クロは自分で家に帰ってきたのですが……時々、ココはクロが逃げ出す前のクロと違うクロなんじゃないかな?と思うことがあるのです。
クロの口はまん丸で、そのまん丸の形のままに鋭い牙のような歯がずらりと生え揃っています。
綺麗な瞳は、まるで差さっととってつけたような簡単な感じの目になっていて。
しかも……ココの見ていない場所ではその目が3つになったり、びっくりしたときには体中に目が現れたり、と……やっぱりなんだか変です。
ですがココはクロがおかしいことに気がついていないようで。
二人はいつでも一緒に、楽しく暮らしているのでした。

かくれんぼをしてみたり、お出かけしてみたり、ボール遊びをしたり。
二人きりでそんな生活をしているこのお屋敷に、お客さんがやってくることもあります。
定期的にやってきて、健康診断してくれたり、ココの栽培した薬の元となるお花を勝ってくれたりするお医者さん。
家庭教師のブレンダ先生と、その娘さんのセサミちゃん。
ココちゃんの唯一の同じ年頃のお友達、ミルクちゃん。
ミルクちゃんは猫のネコーを飼っていまして、そんなペットつながりもあってか二人は取っても仲良しです。
……が、ミルクちゃんのお母さんはミルクちゃんがココと仲良くするのをよく思っていないようです。
どうもその理由はココ自身というよりも、ココの周りの環境を「恐れている」感じなのですが……

ココはクロと楽しく何事もなかったかのような、日常を過ごしています。
が、そうやって暮らしているのは……ココ一人だけなのです。
ココの暮らしているお屋敷の周囲には、なんだかよくわからないもの、が歩き回っています。
そしてそのなんだかよくわからないものは、「道」にははいってこられないものの、道の外に出てきた人間を容赦なく……!!
ココにはそのなんだかよくわからないものが見えていないようなのですが……それだけでなく、何か大切なことを忘れているようで……
片時も傍を離れようとしないクロは、なんなのでしょうか。
周りを歩き回るものの正体はなんなのでしょうか。
ココが忘れている、大切なことはなんなのでしょうか。
……のんびりと過ぎていく日常とともに、そんな数々の不思議が少しずつ、紐解かれていくのです……


というわけで、ココとクロの日常を描いていく本作。
最初はちょっと不思議な猫(?)のクロとのありふれているのに不思議な日常を描いていく作品だと思いきや、物語が進んで行くに連れその裏側に物凄い背景が隠されていることがわかっていきます。
徐々に徐々に紐解かれていく、恐ろしい「まわり」。
ココの楽しくのんびりとした日常とは裏腹に、その日常が酷く危ういところで成り立っていて、周囲の人々は恐れ、怯えて暮らしている……
まだまだこの世界の謎は片鱗しか明かされていません。
ですがそれでも、この奇妙な恐ろしさに十分圧倒されてしまうはず!!
そしてそんな恐ろしい世界の中で暮らしているココの日常とのギャップがさらに読者を引き込むのです!!
クロの正体は、この世界はなんなのか、ココの過去に何があったのかという闇の部分の面白さに加え、ココとクロの楽しい日常という光の部分の面白さが両立しているこの作品。
カラーで描かれた作品はキッチリとカラーで収録され、物語を掘り下げる短編もキッチリと収録し、読者を満足させてくれる1冊に仕上がっていますよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!