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今回紹介いたしますのはこちら。

「レストー夫人」 三島芳治先生 
集英社さんのヤングジャンプ・コミックスより刊行です。

三島先生は90年代末ごろからオリジナルの同人作品を発表し、その独特の作風から根強い人気を博していた漫画家さんです。
近年では電撃大王で「スクロオル」を連載するなど、商業誌でも活躍。
本作が初の商業単行本となります。

さて、本作はとある学校の劇にまつわるアレコレを描く作品です。
少し不思議な劇、「レストー夫人」。
その不思議な劇を演じる生徒たちも、少し変わったもの達ばかりで……?

その学校では、毎年二年生が「レストー夫人」という演劇をします。
7つのクラスすべてで同じ劇を、違う台本にして7つの「レストー夫人」を演じる……
少し普通とは思えないこのイベント……何かの実験なのでしょうか……?

このクラスで主役のレストー夫人に抜擢されたのは、志野。
少し西洋めいた顔立ちの綺麗な生徒で、ほとんど異論なく主役に選ばれたのです。
そして、スズキに回ってきた役は……舞台に立つ役ではなく、進行記録係。
スズキは、事細かにクラスの劇の、志野の一挙手一投足を記録していたのですが……?

クラスのほとんどは、なれない舞台演劇に苦労していました。
そんな中志野は、普段通りのような言葉遣いでサラリと練習をこなしています。
普段から彼女の台詞はどこか演劇めいていて、演劇だからと構える必要が無いからなのかも知れません。
普段からそんな言葉遣いをしていたら周りはちょっと引いてしまいかねませんが・・・…彼女のその類稀な美貌と立ち振る舞いが、違和感を感じさせないのです。

そんなある日、志野はスズキに劇の進行記録ノートを手渡してきました。
移動教室のときに忘れてしまっていたものを、篠が気づいて持ってきてくれたようです。
志野に比べたら、自分の記録ノートなんておまけみたいな役目だけど……とそのノートを受け取るスズキですが、彼女はこういうのです。
記録係は大切な役目だし、スズキさんはおまけの役なんかじゃないわ。
スズキさんは、この劇の語り手なのよ。

それ以来、志野はスズキによく話しかけてくるようになり、一緒にごはんを食べたり、おしゃべりを楽しんだり、オセロで対戦したりする仲になって行きます。
志野との会話は、他の友人との会話のように疲れることもなく、一人静かに外国の本を読んだ戸のような気分になりました。
そんな日々を送っていたからか、記録ノートの中身はだんだんと志野が主人公の物語を書いているかの用になっていき……
あまりにそれに没頭するあまり、授業中にも記録ノートにペンを走らせてしまい、先生にノートを没収されてしまうのです。
そのあと職員室に呼び出されたスズキと志野。
このままでは他の学校生活に悪影響が出るから、とノートは先生が預かり、放課後にその日の状況を報告してもらって記す形にすると決めてしまいました。
進行の記録、ならばそれで充分ではあるでしょう。
とにかく、劇と授業は分けなさい。
先生のその意見は確かに真っ当で、反論の余地はありません。
そこで話を終わりにしようとする先生ですが、その瞬間に志野は驚くべき行動に出たのです。
なんと先生の手から記録ノートを引ったくり、職員室から駆け出して行ってしまったのでした!!
普段の物静かな、立ち振る舞いも華麗な彼女が突然起こした驚きの行動。
志野は何故こんな行動に出たのでしょうか?


というわけで、レストー夫人をめぐる日常を描く本作。
このあと、志野が何故あんな行動に出たのかだけでなく、志野の魅力のひとつでもある独自の立ち振る舞いがどのように形成されたのかという謎も明かされます。
彼女の隠された秘密とはなんなのでしょうか?
彼女の人となりに、意外な秘密。
スズキだけでなく、読者もまたその魅力に引き込まれてしまうことでしょう!!
そしてこのあと、物語はスズキと志野のクラスの別の人物を主役に据えたエピソードが描かれます。
志野に負けない、不思議な魅力を備えた様々なキャラクターが、レストー夫人という物語を作り上げていくのです!
そして表題作「レストー夫人」の最終話にあたる第4話は、なんと30ページを超える描きおろしで収録!!
個性的な生徒達が作り出す不思議な舞台の結末は?
心地いい余韻溢れるその結末をお楽しみください!!

本作の魅力はなんと言っても三島先生独特の空気でしょう!
劇的なドラマは存在しないながら、淡々と描かれる物語の中に息衝いている生徒達の息吹。
この雰囲気は、読んで確認していただくのが一番です!!
さらに読み切り作品も二本掲載し、三島先生の世界にたっぷり浸れる1冊になっていますよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!