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今回紹介いたしますのはこちら。

「黄門さま~助さんの憂鬱~」第2巻 徳弘正也先生 
集英社さんのヤングジャンプ・コミックスGJより刊行です。

さて、命を懸けた士官試験を勝ち抜き、水戸藩士となった進ノ助。
剣術指南役だと思われていたその仕事、実際は水戸光圀の諸国漫遊のお供だったのです!
四代目助さんとして、水戸光圀こと黄門さまの道楽に付き合うことになった助さん。
ですがその旅は、我々のよく知る世直しの旅とは少し違っていたようで……?

いよいよ初仕事に参加した進ノ助。
進ノ助は旅立ちの直前に行われた勉強会のことを思い出していました。
漫遊の時の光圀公は、木曽の木材問屋の隠居、国ェ門さまで、進ノ助は手代の助さん。
戦いは多いだろうが、大体は三つ葉葵の印籠を出せば相手が平伏して終わるはず。
先代の助さんは印籠をなくして、焦っているうちに殺されてしまうという悲劇が起こりました。
そこで今回からはバックアップとして家紋入りの脇差と長襦袢を持っていくことにしてミス防止の体制を強化することに。
ですが問題は、徳川の意向が全く通用しない連中もいる、と言うこと。
ご隠居を光圀公と知っていながら、命を狙ってくるものもいるのです!!
……この太平の世の中で、光圀公の命を狙うもの。
それはいったい誰なのか……進ノ助はそれが気になって仕方がないのです。

そんな道中、たちの悪い駕籠屋につかまり、ぼっこんぼっこんにされてしまっている旅人を見つけた一同。
光圀公は進ノ助に助けてあげなさい指示。
進ノ助はささっと行ってパパッと駕籠屋をたたんでやると、旅人は危ないところをありがとうございましたと平伏してお礼を言うのです。
そんな様子をにこやかに眺めていた光圀公。
進ノ助は、ひょっとすると本当に身分を隠した世直し旅なのか!?と心を躍らせるのですが……
旅人は、自分を助けてくれたこの老人が光圀公であると気が付いたようです。
なぜなら後ろで
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参勤交代の大名が土下座をしていましたから!!
街道で参勤交代の大名によく出くわし、これでよく正体がばれるんだとか……
全力であいさつするとおすがりの大名に、完全に光圀公だと気が付いて泡を吹く旅人。
それでもただの田舎の商人ですよ設定を貫こうとする光圀公、駕籠屋にこれからは心を入れ替えなさいよと振り向くのですが、気を利かせた通りすがりの大名が首をはねちゃってました。
そうなるともう光圀公、ご立腹!
自分の想定していない方法でトラブルが収まってしまうことが、光圀公は大嫌いなのです!!
そう、光圀公はこの漫遊で世直しなんて考えていません。
光圀公は……
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ワクワクしたいだけなのです!!

今回の旅ではなかなかトラブルが起きず、いらいらし始めていたときのこと。
町にいきなり大八車でけが人が運び込まれてきたのです。
てえへんだ、木こりの又八が、また山で鬼に襲われた!!
……さっそく光圀公のわくわくが刺激され始めたようです!!

光圀公は鬼に会うまで山を下りない気のようです。
幸いというかなんといいますか、異変はわりとすぐに起きはじめました。
ヤマドリが鳴くのをやめ、静まり返った山。
その直後、周囲から矢の雨が降り注いだのです!!
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ですがその矢の先は布が巻かれていて、刺さらないように細工されています。
どうやらこの矢はただのおどしの様子。
そして脅すだけ脅すと、矢を放っていた「鬼」達はさっさと退散していったのでした。
……どうもこの鬼というのは、普通に連想する鬼とは違うもののようです。
進ノ助は光圀公に言われるままに鬼を追いかけていくのですが、そこで見たものは……?


というわけで、黄門さまの漫遊が幕を開けた今巻。
進ノ助はその卓越した剣術と体術で、歴代助さんの中でも群を抜いた活躍を見せることになります。
ですが問題は、進ノ助のあまりにもまっすぐな正義感あふれる心と、光圀公の自分さえ楽しめればいいといういい加減な根性のすれ違いです。
いくら助さんといえども、光圀公の機嫌を損なえば、一発で文字通り「クビ」になってもおかしくはないわけで。
進ノ助の正義感が、いつしか自分の首を絞めることにならないか……?
そして、光圀公のあれな性格をうまく誘導することができるのか?
小悪党感のすごい格さんの動向なども気になりますし、この漫遊の旅がそれぞれにどのような運命をもたらすのか!?
徳弘先生の得意とする下ネタ、バトル、シリアスな場面でもつっこんでくるギャグと、持ち味が存分に発揮されている作品なのです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!