nk0
今回紹介いたしますのはこちら。

「ニンニクナックル」第1巻 一文字蛍先生 
徳間書店さんのリュウコミックスより刊行です。

さて、本作はバトルものです。
とある学園の部活同士が激しいバトルを繰り広げる、というたまに聞く漢字の題材ではありますが……
そこは一文字先生、先生ならではの必殺技と独自の要素が加わった作品になっているのです!


ここは暴力と餃子の街、現代のソドム……ウツノミア。
力がすべてを支配するこの町では、壮絶な格差が自然と生まれています。
力なきものの餃子には、合成プロテインと引き伸ばした小麦粉が。
力あるものは、弱者から奪ったウニアワビ餃子……
そんな荒れ果てた町のとある高校で行われる一大イベント。
それが、各部活の代表者がオクタゴンの中で戦うトーナメント……学園アルティメット!!
性別、体重、使用する武器……ほとんどルールに制限のない、文字通りの最強の部活を決める大会です!!

そんな大会を観戦していた、部活無所属の「力なき者」、新島新人は繰り広げられる激しい戦いを羨んでいました。
自分にもあんな力があれば、いじめられている現状を覆せるのに。
そんな思いを胸に秘めたまま戦いを見ていると、隣に座っていたフルコンタクト系空手部の村田箱女(ぱんどら)が急に話しかけてきて、今行われている戦いの解説を始めました。
nk1
行われているのは、野球部VS伝統派空手部。
戦況は、空手部がやや優勢。
それもすべて、空手部の有している「疾さ」ゆえなんだとか。
素早く一撃を加え、即離脱。
バットのヘッドスピードがいかに速かろうとも、手玉にとれる「疾さ」。
攻撃面でも、鍛錬に鍛錬を重ねた拳と足はもはや武器同前……
なのですが。
その状況は、空手部の蹴りがバットに直撃してから180度変わってしまいます。
一周のうちにどす黒くはれ上がる空手部の足。
箱女によれば、空手がパフォーマンスでへし折って見せる試割り用のバットと、最近使われているハードメイプル材の硬式用バットは別物と言っていいほど違うものなんだそうで……
試割り用のバットをへし折るのは十二分にすごいことなのですが、そこはそれ。
堅い硬いバットを思いっきり蹴ってしまった結果、空手部の足のほうがへし折れてしまったのです。
そしてそうなれば、優位に立っていた最大の理由であるフットワークは封じられます。
野球部はさんざんノックで公式球をぶつけて弱らせた後、思いっきり頭をバットでたたいてノックアウト……
試合は野球部の勝利で終わったのでした。

この戦いで優勝したものは生徒会長になることができ、絶対的な権力を握ることができます。
そのためにありとあらゆる部活がすべてをかけて挑むわけですが……そんな大会にちょっと驚く部が参戦してきました。
この学校の「死天王」と称される男にして、新人をいじめているボクシング部の高倉喪漢(モヒカン)に挑むその男、菊地黄熊(ぷウ)……帰宅部!!
なんと彼、新人がいじめられ始める前のターゲットだった男で、今は引き籠りをしているというあまりに異色な経歴の持ち主なのです!!
今もその表情は死線がうろうろ、口は半笑いと、いじめられっ子だったころのまま……
ところが黄熊、試合が始まるなり見事なパンチを喪漢にさく裂させたではないですか!!
なかなかの「疾さ」でしたが、ダウンさせるには至りません。
喪漢が反撃の連打を喰らわせると、あっけなくダウンする黄熊……
しかし、彼は立ち上がります。
タフネスの鍛錬は、叩かれて磨き上げるしかありません。
しかしいじめられっ子だった彼は……そう、叩かれ慣れていたのです!!
すかさずラッシュをかけてくる喪漢ですが、なんと黄熊は同等のスピードで反撃をして見せました。
とはいえやはり技術には差があり、ディフェンスがど下手な黄熊のほうが多くパンチをもらってしまっています。
勝利を確信した喪漢、食うものと食われるものでは、人間の種類そのものが一生違うんだ!という侮蔑の言葉とともに強烈なアッパーをさく裂させました!!
勝利を手にし、かっこいい決めポーズを考えていた喪漢……ですが、黄熊はまたも立ち上がるのです。
あの、きょろきょろと動く視線、口には半笑いで……
その表情を見た新人は気が付きます。
あの表情は自分と同じ、無抵抗ないじめられっ子の顔だと思っていたが……違っている。
落ち着かない視線は逃げるためではなく、チャンスを探している。
口元は許しを後半笑いではない、ニヤツキの嗤い。
あの顔は無抵抗の象徴の表情とは違う。
nk2
反撃する、戦う貌だ!!
そして戦いの際に露わになった黄熊の体を見て、箱女も気が付いたことがありました。
あれは、師に教えを乞うて磨き上げた体ではない。
引き籠りを極めしもの、だと。
あの筋肉は一人でサンドバッグを叩き続けてできたもの、戦法は独学、あるいはゲームキャラを師匠として学んだもの。
引き籠りが唯一持つ武器、永劫ともいえる時間を使って……作り上げた、打撃格闘家の資格!!
言うのは簡単ながら、実際には非常に難しいそれを成し遂げたられたのは、おそらく強い強い目的があるからでしょう。
執念か……いや、怨念か。
そう、黄熊には、強い強い怨念があったのです。
その怨念が、ある一点で黄熊に人間の限界を超えさせるのです。
本来人間は、自分の肉体を破壊しかねない動きをすることはできないはず。
ですが、黄熊はそれを強い強い怨念で乗り越え、リミッターをカットした打撃を放てるようになっていたのです。
その攻撃は壮絶の一言、
名付けるならば
nk3
怨念ナックル!!
黄熊はその怨念ナックルで喪漢をノックアウト!!
そして、参ったを言わせるものかとストンピングの嵐を浴びせかけるのです!!
ストンピングとともに吐き出される黄熊の叫び!!
今度はお前らがこうなる番だ!
俺が永遠に反撃しないとでも思ってたか!
俺の人生、反撃開始だ!!!


というわけで、引き籠りの達人が嵐を巻き起こす本作。
本作はこの黄熊が主人公、箱女がヒロインとなり、現在のこの高校を統べる死天王の打倒を目指していく作品になっていくようです。
本作の最大の目玉は、リアル調でありながらファンタジックな異種格闘技戦でしょう!!
野球VS空手、ボクシングVSヒキコモリ。
すでにこれだけでも十分注目ですが、この後もMMAVS忍術、合気道VSサッカー、キックボクシングVSフルコン空手とゴイスな戦いがてんこ盛り!!
さらに黄熊はさらに実力を上げていく修行パート的なものや、割と謎な箱女の素性にもちょろっと迫るなどの物語部分もじわじわ進展。
さらに控えている死天王の力や、黄熊の社会復帰の道などなど、まだまだ見どころはたっぷり用意されているのです!

必殺技とはったりの飛び交うバトルはまさしく一文字先生節!
総合格闘技に参戦した経験もあり、伝統派空手を学んでいた先生が、伝統派空手をつかみの鎌瀬役にしたところからも本作の本気度が伺えてみたり。
これから先のバトルにも期待せずにはいられません!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!




あとどうでもいいといえばいいんですけど、カバー折り返しの著者略歴の作品の名前書いてあるところ、「アスラズ『ア』ース~廻~」になってますよ!!
せつない!!