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今回紹介いたしますのはこちら。

「火ノ丸相撲」第1巻 川田先生 
集英社さんのジャンプ・コミックスより刊行です。

川田先生は、09年に手塚賞の佳作を受賞し、13年にジャンプNEXTにて本作のプロトタイプとなる同名の読みきりでデビュー。
好評を博し、再び同盟の読み切りをジャンプ本誌で発表後、14年に本作の連載を開始しました。

さて、本作はそのタイトルが示す通り、相撲漫画です。
その数は決して多いとは言えない相撲漫画ですが、近年ではチャンピオンで「バチバチ」シリーズが人気を獲得したり、「のたり松太郎」がまさかのアニメ化を果たしたりと、にわかに盛り上がっている……気がします。
そんな中、少年ジャンプで始まった本作。
果たしてどんな物語が展開するのでしょうか!?


スポーツの盛んな大太刀高校では、新入部員の勧誘も盛んです。
ですがそんな勧誘合戦の中でも、いまいち押しが弱く、隅に追いやられてしまう部活もあるようです。
その代表格が、相撲部。
何せ部員が部長である小関一人という体たらくですし、その小関も「大関」というあだ名からは想像もできないほど気弱な性格でして。
誰も通らないような隅っこに追いやられてしまうのですが……それでも何とか部員を集めたいと、席を立って勧誘に向かうのです。
その際、よそ見をしながら小走りをしていたために誰かにぶつかってしまう小関。
たまらずしりもちをついてしまう小関ではありますが、そのぶつかった相手を見て驚きます。
相手は身長が160センチもないであろう、小柄な新入生だったのですから!
いくら小関が弱小と揶揄される相撲部員とはいえ、その体格は100キロを超える立派なもの。
だというのに、自分がしりもちをつき、相手はバランスすら崩さずに立っている……?
そんな新入生、小関が廻しを占めているのを見て目を輝かせます。
潮火ノ丸、と名乗った彼、なんと相撲部への入部希望者。
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しかも、横綱を目指すために高校相撲の頂点をとりに来た、とこともなげに言って見せたではないですか!!
正直言って、とてもじゃありませんが相撲を取る体形には見えない潮。
ですがあのぶつかったときの岩のような感覚は……?
なんにせよ、入部してくれるというだけでありがたいもの!!
いきなり全国制覇を目指すという潮の言葉はともかくとしても、大歓迎であることは言うまでもないのです!!
しかし、そこまで言うということは、潮はそれなりに腕に自信があるのでしょう。
本人に言わせれば、中学ではいろいろあってロクに公式戦には出ていないが、小学校ではそれなりに鳴らした、だから高校では結果を出さなければならない……とのこと。
去年まで部員が小関一人でまともに試合ができなかった状態からいきなり頂点を目指す、なんて夢のまた夢ではありますが……それでも部員が二人になればぶつかり稽古ができるわけで。
うわさに聞く、立派な道場に行きたいと言い出す潮ですが……

道場はとんでもないことになっていました。
入学以来喧嘩無敗、ダチ高最強の男、とうわさされる不良、五條。
そんな不良のたまり場となっていたのです!!
どうやら不良たちにこの道場を奪われてしまったらしい小関。
その代り、相撲部員には手を出さないように約束していたようなのですが……
そんな土俵を屁とも思わず、タバコをポイ捨てしたりする不良に潮は切れてしまいます。
一触即発状態になってしまう不良たちと潮ですが、小関が彼は相撲部員だ、とその約束を持ち出してかばったおかげで衝突は逃れられたのです。

道場がないなら小関はどこで稽古をしていたのでしょうか。
小関はその稽古の場に潮を案内します。
校舎の裏のひっそりとした場所に作られた、手製の土俵。
情けない練習場所に加え、喧嘩なんてしたことがないし、公式戦で一回も勝利をしたことがないと自分がどうしようもないことを打ち明ける小関……
さっきはとっさに相撲部員だなんていったものの、こんな体たらくでは入部する気も失せたかな、と自嘲気味に笑う小関……
ですが潮は、その土俵を見て笑うのです。
雑草も小石も、丁寧に取り除かれている土俵。
相撲の練習をするために、何か月もかけて作り上げたのでしょう。
部長も自分と同じ、相当な相撲馬鹿だ!
小関は小関なりのやり方で戦ってきたのです。
立派な道場なんてなくても大丈夫!
二人の相撲道が始まる……かに、思えたのですが……

翌日。
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その土俵はめちゃくちゃに破壊されてしまっていました。
間違いなく、自分に挑戦的な態度をとった潮を不快に思った五條たちの仕業でしょう。
ここまでやられてはさすがにもう黙ってはいられません。
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戦争だ。
完全にぶちぎれ、五條に宣戦布告をする潮!!
待ってましたとばかりに、五條はその戦争を受けて立つのです!
ですが相手はこの高校を裏で統べる不良。
まともな戦いをするわけもなく……どんな卑劣な手段を使い、どのようにつぶしにかかってくるかしれたものではありません。
心配する小関ですが、自分は横綱になるんだからあんな不良なんてどうってことないと笑うばかりの潮。
そこで小関も、とうとう怒りをあらわにするのです。
茶化すな、お前のために行ってるんだ。
横綱になるなんて言っているが、そもそも新弟子検査で167センチ以上伸長がないと大相撲の力士になることすらできないんだぞ!?
世の中にはどうにもならないことがあるんだ!!
……潮の脳裏によぎるのは。病床に就く女性の姿と……彼女の、「大きな体に生んでやれなくてごめんね」という言葉……
潮は言うのです。
自分は、それを覆すためにここに来たんだ。
勝って勝って勝ちまくって、相撲では無名のこの学校であらゆるタイトルを総なめにする。
ここにスゴイやつがいると知らしめ、大相撲のほうから頭を下げさせてやるんだ!!
それに比べれば、あの五條に戦いを挑むことなんて「どうにもならないこと」に入らないだろう。
入るとしても、あの土俵を壊したということはどうしても許せない!!
もう潮は止まりません!
一人、不良たちの待つ道場に乗り込むことでしょう。
ですが、それをただ見送ることもできないわけで。
潮の前に、一人五條の前に向かう小関。
土下座して相撲部から手を引いてくれ、道場を返してくれと懇願する小関……
意外にも、五條はそれを受け入れるのです。
が、覚悟を見たいなどともっともらしい理由を付け……10分間無抵抗で五條に殴られ続けて、立っていられたら、というとんでもない条件を付けてきたのです!!
はてしない夢の前に立ちはだかる、暴力の壁。
果たして二人は、ダチ高相撲部として電車道を進むことができるのでしょうか!?


というわけで、高校相撲という珍しい題材のストーリーが描かれる本作。
目標に向かって努力を続けてきた主人公が、夢に向かって戦いを始める近年珍しいまっとうなスポ根ものとなっています!!
最近の漫画らしく、主人公がすごく強くて、必殺技的なものを繰り出したりもしますが、いわゆる天才型とはちょっと違う主人構造もまた最近にしては珍しいところ。
努力によって形成された今の主人公の力が、着々と実を結んでいくのです!!
相撲がよくわからないという方でもその暑さは存分に伝わるところですし、解説をした企画ページも収録。
おまけ漫画も収録していまして、熱血の本編意外にも楽しめる内容となっています!!

これからどのようなライバルが現れるのか?
謎の多い潮の過去は?
団体戦をするためのメンバーはどうするのか、今のところ頼りなさすぎる小関はどうなるのか?
今後の気になる要素も満点で、先が楽しみなことこの上なしですよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!