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今回紹介いたしますのはこちら。

「かみさまドロップ」第4巻 みなもと悠先生 
秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。

さて、キケリキーなる怪しげな組織がおかしな動きをし始めた前巻。
あすなろやエルたちの頑張りによって、キケリキーによって暴走していたみことを収めることはできたのですが、その影にはキケリキーのヘビーユーザーを自称するリノの不穏な動きがちらついていて……?


みことがあすなろに対しての行き過ぎた執着をおさめ、エルの信者として悔い改めた(?)おかげで、平穏になったかのように見え始めたあすなろの毎日。
そんな学校生活に、ちょっと大きな突発的なイベントが巻き起こります。
18歳、Fカップだという人気絶頂のアイドル、柏木紗雪……通称サユッキーがCM撮影にやってくるというのです。
盛り上がりまくる学校、そしてアイドルがどんなものか見てやろうというエル、最近アイドルにはまっているシロまでもがやってきてまさにお祭り騒ぎ。
サユッキーがいざやってきますと、やはりその体から湧き立って来る芸能人オーラに大盛り上がりとなるのでした!!
そんな中であすなろはちょっぴり盛り上がりからおいていかれております。
確かにサユッキーはかわいいが、正直言えばバンビのほうが……
ところがこの大騒ぎの中で、バンビの可愛さを高く評価しているのはあすなろだけではありませんでした。
なんと撮影に同行していたスタッフの一人が、サユッキーの見物に来たお友達の付き合いでやってきていたバンビの容姿に目を付け、CMに出ないかと誘ってきたのです!!
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CM用の衣装が予備用にもう一着持ってきてあるとのことで、せっかくだからサユッキーとバンビ二人でCMをとろうと提案してきたスタッフ。
基本的には目立ちたがらないバンビですから、当然断ろうとするのですが……学校から有名人が出るかも!という期待感で回りはガンガンと煽ってきまして、断れる雰囲気ではなくなってしまいます。
あすなろはその様子を呆然と見送り、バンビが遠い存在になっていくなぁ……と落胆するばかり。
そんなあすなろに、エルはこの節穴がと目つきで突っ込み!
明らかにバンビは嫌がっていただろう、嫌がるバンビを助けるのはお前の役目かと思って譲ってやろうとしたが、それを自分がかっこよくやってやる!と言い残してエルはスタッフのほうへと歩いていくのです。
……華もあって積極的な自分のほうがバンビより適任だろうから自分を使え、と提案してやるという、若干私利私欲も混ざっていたようですが……!

CM撮影はリハーサル的なものが始まっていました。
さすがのサユッキーは、完璧にCMをこなして見せます。
バンビはおどおどとしながらも懸命にこなそうとするのですが……やっぱりちょっとおどおどしすぎた感じになってしまい、このままではCMとしては使えません。
が、その要旨はやっぱり抜群でして。
スタッフは、サユッキーは完璧だからと放置しつつ、緊張とかしないでもっと元気にやろう、と励ましつつも、うちの事務所に来ないか、サユッキーとチェンジしてもいいくらいかわいいなどとほめそやして勧誘するのです!
……サユッキーからすればそれが面白いわけがありません。
それでは本番に入ろうとなって、二人で着替えをしている最中もサユッキーの心の中には黒いものが渦巻いています。
確かにかわいいが、ただそれだけじゃないか。
暗いし演技も下手、自分は毎日レッスンに次ぐレッスンで遊ぶ暇もなく努力してやっと手に入れたソロの仕事なのに、この子はあっさり同じ舞台に立つなんて。
それに何よりも、自分が求めてやまないテレビの仕事を、よりによって嫌がるなんて!
ずっと沈んだ表情を浮かべているバンビに、とうとう我慢しきれず思いの丈をぶちまけてしまうサユッキー。
みんながあなたに注目して、特別な目で見てくれる舞台にいきなり立てるというのに、不満なのか、うれしくないのか!?
ですがバンビはそれでも暗い表情を一切崩さず、こう答えたのです。
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特別?
そんな立場の何がいいかわからないわ……
サユッキーはその答えを聞き、自分の夢を馬鹿にされたように感じてしまいます。
だったら断ればいい、と声を荒げるのですが、バンビは「自分にはそんな資格はない」と、不可思議な返答を返すばかり。
煮え切らない態度に怒りをあらわにするサユッキーですが、バンビは返答の代わりに、先ほどのCMの演技を完璧にこなして見せました。
こんな感じでやればOKがもらえるのか。
アナタの歩んできた道を否定したわけじゃないが……
本番ではみんなに迷惑をかけないようにする。
はっきりした答えは出さないものの、仕事をする意思は現したバンビ、
もはやこうまでされては、サユッキーは反論することができません。
彼女にできるのは、出れなくなればいいのにと願うことだけ。
そんなどす黒い願いを聞き届けたかのように……彼女が右腕につけていた、数珠のようなブレスレットが光を放ち……!

いよいよ本番となったその。
決意を固めたはずのバンビが、何やらもじもじしていることに気づいたサユッキー。
注意深く様子をうかがうと……どうも予備の衣装の仕立が甘く、衣装が今にも破けそうになっているようです!
替えの衣装はもうありません。
衣装が破れればもうCMには出られないでしょう。
そしてそれだけではなく、大勢の前で恥をかくことにもなるわけで!
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ほくそ笑むサユッキー、否応なしに進んでいく撮影に流されていく中で、衣装はどんどんとほつれて行って……!?
このままバンビは撮影スタッフの前で恥を描くことになってしまうのでしょうか!?


というわけで、バンビが芸能界入りかというエピソードを収録した今巻。
今回のエピソードで目を引くのは、バンビのセリフでしょう。
まるで自分は何か良くない意味で特別に選ばれたものである、と言っているかのようなその台詞……
時折バンビが見せる暗い表情の理由につながっているのでしょうが、それが一体何なのかはまだ明かされません。
おそらくそれが明かされるのは本作のクライマックスとなる時でしょう。
非常に先が気になるところです!!
そしてもう一つ気になるのが、サユッキーの身に着けているブレスレット。
良くない願いを叶える力を持っている様子のそれ、おそらくはキケリキー関係のアイテムでしょう。
世界に禍の種をばらまこうとしているかのように見えるキケリキー、その目的は?
バンビの問題と関係があるのか、それともまったく別の何かなのか?
エルたちとの対決の時もそう遠い話ではないはずですが!?

そして今巻には、とてもじゃありませんがスルーできないエピソードが収録されています。
クロに隠された(?)衝撃の過去と真実が明らかにされるのですが……
なんかもういろいろショックを受けること間違いなしのその真実、ご確認いただき、震えていただくしかないかもしれません……!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!