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今回紹介いたしますのはこちら。

「DRAW(ドロウ) 魔女の眠る海で」第1巻 原作・奥瀬サキ先生 作画・阿倍野ちゃこ先生 
秋田書店さんのヤングチャンピオン烈コミックスより刊行です。

奥瀬先生は85年にデビューし、現在に至るまでエロス+アクション+オカルト、といった感じの作品をメインに発表し続けている大ベテランの漫画家・漫画原作者さんです。
その独自の世界観は常に一定以上の根強いファンを獲得し、近年では「低俗霊DAYDREAM」がOVA化するなど、いまだバリバリに活躍されています。
現在は本作の他、自身の筆による「火閻魔人」「低俗霊狩り」を連載中です。
が、何か題材が題材なせいなのか、先生があまり速筆ではないのが原因なのか……きっちり漫画が完結しないことが多いのも特徴だったり。
「コックリさんが通る」、好きだったんですけどねぇ……

阿倍野先生は天王寺きつね先生のアシスタントをしていた01年、当時多忙だった天王寺先生の代わりに「インホワイトピュアストーリー」を執筆することとなりデビュー。
その後もオリジナル作品やメディアミックス作品、ゲームの原画などさ魔様な仕事をして活躍されております。


さて、本作は奥瀬先生の得意とする、オカルト+エロスな感じの作品です。
ある少年が、ある少女と思わぬところで会話をしたところから動き始める本作。
謎の多い少女たちの中で、少年はどんな道を歩むこととなるのでしょうか?


食卓で朝ご飯を食べる少年、海。
彼の向かいでは、ワンピースに麦わら帽をかぶった彼の妹、風がご飯も食べず、人形で遊んでいます。
そんな彼らのほうを振り向くことなく、仕事へ出かけていく母親。
風の朝ご飯、ラップしておいて。夜に私が食べるから。
それと恐、帰りが遅くなるから夕食は何か買って食べておいて。
そう言って出かけていく母を、海もまた振り返りもせず言ってらっしゃいと送り出すのでした。

海は電車で学校へと向かいます。
そんな海になぜかぴったりとくっついてくる風。
高校に入ってまだ2か月しかたっていないのに、もう6日目の遅刻だ、ちゃんと学校に行け!
バカバカとののしり続ける風を、イヤホンまでして無視する海。
都合が悪くなるとすぐそれだ、とご立腹の風、今度は社内をうろうろしだすのですが……そこで海のクラスメイトを発見します。
ショートカットの、メガネをかけた物静かな美少女……詠(よみ)ドロウ。
そう言えば彼女は週に一度、病院通いで遅刻する日があるのでした。
目があってしまった海、つい隠れてしまうのですが……風はといいますと、彼女のことが嫌いだと文句を垂れるのです。
いつもすまして誰にも興味がないって顔をして、ちやほやされるのを待ってるんだ。
そう言ってあかんベーをする風を、海はどんなきれいな奴だって性格は人それぞれだとなだめるのですが……
その瞬間、電車が急ブレーキを踏んで停車したのです。
周りには踏切も何もないところでの急停車。
となれば……自殺……?
……死。
間近に迫った死の香りに、フラフラと顔を窓の外へと向ける海……
するとその瞬間、行っちゃダメ、という声がかけられました。
振り向くと、肩に手をかけてこちらを見つめるドロウの姿が。
ドロウは最初、自分が話しかけた相手がクラスメイトであることすら気が付いていないようでしたが、怪が自分の名を名乗ってようやくそれを思い出したようで。
自分にしか興味がないからクラスメイトの名前も覚えてないんだ、と風は毒づくのですが……その言葉が聞こえていないのでしょうか。
ドロウは自分をじっと見つめる海に、ボクの顔に何かついているかと尋ねてくるのです。

そんなとき、車内に叫び声がこだましました。
どうやら外に何かを見た女性が上げた声のようですが……いち早く電車の窓を開け、その悲鳴の原因を確認するドロウ。
……電車のわきを、ふらふらと歩いている……少女。
その姿は全身血まみれで……頭は一部が爆ぜ、中、が露出してしまっています。
飛び込み自殺か、やっぱりな。
思わず海の口から洩れるそんな言葉。
ドロウはそんな海をきっとにらみつけたかと思うと、電車から降りてその少女のもとへと駆け寄りました!!
どう見てももう助からないその少女。
ドロウはそんな彼女をそっと抱き留めて、やさしく語り掛けるのです。
何か伝えたいことはない?と。
すると少女は、か細い声で答えました。
しなせて、と。
わかった、それが望みなら。
ドロウはそういうと、何か呪文のようなものを唱え……
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少女は、眠るようにその目を閉じたのでした。

先ほどはデリカシーのないことを言ってしまってごめん、とドロウに謝る海。
すると彼女はその謝罪に対しての返答ではなく、こんなことを言い出したのです。
君、よく学校でも時々誰かと話してるみたいに独り言を言ってるのが気になってて。
さっきは君も、死ぬことを考えてるんじゃないかと思った。
……思わず息をのむ海。
そんな海に、風は言うのです。
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あの女、さっきの人殺した。
あの女、魔女だよ。

同じころ。
この町にもう一人の奇妙な美少女が姿を現していました。
ドロワと名乗るその少女、名前だけでなく、雰囲気までどこかドロウを思わせるものがあって……
そんな彼女、行きずりの男性とともにホテルへと入っていきました。
そして彼女の魅力に男性もまた、惹きこまれて行ってしまい……
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吸い込まれるように彼女の何も身に着けていないスカートの中に手を差し入れる男性。
するとなんということでしょう。
たちまち彼女の中から無数の蟻が這い出てきて、男性の肉を食らい尽くし、骨だけにしてしまったではないですか!!

得体のしれない「魔女」二人。
彼女たちの正体は一体……?


というわけで、奇妙な二人魔女が現れる本作。
死に向かう少女を、彼女の望むように眠らせてあげたドロウ。
そしてそれとは逆に、生命力に満ち満ちた男性を無慈悲に殺めたドロワ。
不可思議な力を持っているという点は同じながら、その力を逆の方向に使う二人……
あまりにも似ていて、あまりにも似ていない二人がこの後で会うことは必然と言えるでしょう。
ですが彼女たちは一体何者で、何をしようとしているのか?
そしてその中心に巻き込まれることとなる、海の運命は?
いつも彼にくっついている妹、風の正体はやはり……?
数々の謎、徐々に濃くなっていく闇の気配。
彼女たちに惹かれていく海。
より一層増していく、血なまぐさい香り……
様々な思いと謎が絡まりあい、ゆっくりと進んでいく本作、
果たしてそのたどり着く場所とは……?

奥瀬先生が得意とするオカルトエロス、そして今後アクションも期待できそうな香りも十分。
阿倍野先生の描く女性キャラも魅力たっぷりですし、これから先の展開から目が離せませんね!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!