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今回紹介いたしますのはこちら。

「サクラサクラ」第5巻 もりしげ先生 
秋田書店さんの少年チャンピオンコミックスより刊行です。

さて、最後の世代である春と桜子を結びつけるための実験の場であった学校。
二人は自然とひかれあい、とうとう結ばれる寸前までこぎつけるのですが……
自分たちが本当に惹かれ合っているとはいえ、御老人の思惑通りにことが進んでしまうことに悔し涙を流してしまう桜子。
春はその思いを感じ取り、最後まで事を為すことはなかったのでした。


それから様々な出来事がありました。
最近押しが足りなかったかも、と再び激しいスキンシップを図ってくるコレット。
新世代とのつながりを断って以来すっかり感情が豊かになり、今までなかった羞恥心も見せるようになってきた桜花……
桜子との一件以来、どうしても異性との接触を意識してしまうようになった春は、毎日ドキドキしっぱなし。
その日も、今までの体験をミックスしたかのような、コレットや桜花と関係を持ってしまう夢を見てしまうのでした。

良くも悪くも、コレットが来てからの生活は騒がしいものとなっています。
特に最近は何をするにも異性との関係を意識するような行動が目立ちまして、これじゃまるで動物みたいじゃないか、と桜子はちょっぴり不満なのです。
ですがそんな桜子に、コレットは真っ向から反論。
動物、結構ではありませんか。
オスとメスが交わって子孫を残す、まさしく我々は動物なのですから。
そんなストレートな言動に桜子はちょっぴり腹を立てて話を打ち切ろうとするのですが、そこでコレットはとんでもないことを言い出すのです。
何なら、春様の初めてをお譲りしますわよ、と!!
思わず聞き返す桜子ですが、コレットは動じません。
あなたが言いたいこともわかるつもりです。
ですが、いつまでも私たち三人で春様を独占できるわけでもないのも事実。
私は今を楽しむことを推奨いたしますわ。
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……その言葉に動じるのは桜子。
この生活が、そう遠くないうちに壊される、ということ……?

放課後。
最近めっきりぐんにゃりし通しの春が、生活指導室に呼び出されました。
待ち受けているのは橘先生。
何か困っていることはないか?と春に尋ねてきたのです。
毎日楽しく過ごしていると答える春ですが、橘先生は教師の目をなめるなとピシャリ。
そこで春は正直に自分の思いを吐露し始めました。
ここに来た当初は、夕食のメニューくらいしか悩みのないのどかで楽しい生活でした。
なのに最近は、寝ても覚めても考えるのは「アレ」のことばかり!
頭の中があのことでいっぱいになって、爆発でもするんじゃないか!?
春はそんな悩みを抱えているとのことです。
橘先生に言わせれば、春ぐらいの年頃の子は大体そんなもんだと言い切ります。
ですが春がその大体のこと違うのが、手を伸ばせばそれがすぐ手にはいる、ということ!
橘先生はよくわからないたとえを持ち出して話し始めます。
男女の間というのは電車みたいなものなんだ。
女の子とコトに至る過程は、まさしく人それぞれ。
各駅停車の人もいれば特別急行の人もいるが、とにかく乗ることが大事なんだ。
そこで話を変える橘先生。
手を筒を握るような形にして上下させ、ちゃんとしてる?と言い出すじゃありませんか?
あまりにストレートな物言いにドギマギする春ですが、ちゃんと自分でコントロールしないと、いつかパンクしてとんでもないことになっちゃう、ということが言いたいようで。
特急で事に至ることに抵抗があるなら、鈍行の各駅停車で行ってみるといいかもよ。
なんだかんだ内容のあったアドバイスに、見た目はあれだけどちゃんと大人なんだなぁ、と感心する春だったのですが……
最後に橘先生から逆に投げかけられた質問に、上がった株は再下降してしまうのです。
左での人差し指と親指で作ったわっかに、右人差し指を出し入れしながら……
どうしてそんなに我慢するの?という……

ですが最後の質問が春の気持ちを最も大きく動かしたのも事実。
どうしてそんなに我慢するのか?
それは、初めては桜子としたいという気持ちとともに湧き上がる、もう二度と桜子を苦しめたくないという相反する思い……
桜子が心から自分を受け入れてくれるまでは、と近いながら歩いていた春ですが……そこに桜子がどうだったと尋ねてきたからたまりません。
何を言われても気にするな。
でも最近だれもかれも、もちろん自分も盛っている感じになっているのはどうだろうか。
それがこの世界の目的で、自分たちもある意味でそれを受け入れてはいるけど、もっと大切なことがあるんじゃないかと思う……
そんなことを漏らす桜子ですが、春の頭の中はもう彼女のこと……と言いますか、彼女との行為のことでいっぱい!!!
真剣に話をしてくる桜子の言葉を一切聞いていない春は、彼女に対して突然こんなことを言い出してしまうのです!
僕とキスだけでいいからさせてくれないか。
言いたいことはわかるし、僕だって本当にそう思う。
でももうこのままじゃ爆発してしまいそうで……
でも、本当にキスだけだから!!
その時の春の様子は本当にせっぱつまった感じで……
桜子はやむなくというかなんといいますか……顔を赤らめて、キスだけだからね、とお願いを受け入れたのです!!

落ち着いてできる場所を求め、美術室にやってきた二人。
そこで春は、桜子の心の準備も終わらないうちにくちづけをしてきて……!!
さらに春は、
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舌を中に入れてきたではないですか!
心の中では桜子に謝っている春。
このままではいけないと体を話そうとする春ですが、今度は逆に桜子が春の首に手をまわして抱き寄せてきて……
こうなればもう止まりません。
約束なんてどこへやら、春の手は桜子の胸へ回り、お尻へ回し、そして下着の中へ……!!
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各駅停車で進むどころか、まさかこのまま終点まで一直線!?
御老人の最終目的まで、このまま一気に行っちゃうのでしょうか!!


というわけで、春が男女というものを激しく意識するようになった本作。
桜子も今やすっかり春にご執心で、完全に相思相愛状態。
二人の間に立ちはだかっているのはもはや御老人方への反発心と、欲望まで突き進んでいいのかというモラルくらい。
このままいけば二人が結ばれるのは時間の問題ですが……?
それをそのまま見過ごすわけにいかないのがコレット。
二人が結ばれるの事態はそれほど嫌がってはいない感じですが、彼女もなんだかんだ言って春のことが大好きなわけで。
このまま二人がラブラブになるのをよしとはしますまい!
さらに感情を得始めた桜花も春のことを少し意識し始めたようで……
この4人の関係は、これからもう少し複雑なものになっていきそうです!!
そこで気になってくるのがコレットの春の独占が続かないという発言。
やはり国や御老人が一番大事にしているのは春で、何らかのきっかけで次なる「場」に移されてしまうということ……?
その時は刻一刻と迫っているはず!!
彼らのラブコメぶりにエロス、そしてその裏にある大きな黒い陰謀……
物語はその二面性をはらんだまま、進んでいくのです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!