sy0
今回紹介いたしますのはこちら。

「軍鶏」第33巻 たなか亜希夫先生 
講談社さんのイブニングKCより刊行です。

さて、いよいよどぶ組、バカ兄弟との決戦が始まった前巻。
奇妙な特訓を繰り返していたバカ兄弟ですが、弟はなんだかんだと巨大な刀を自由自在に操れるようになっていまして。
兄は兄でどんな卑劣な手でも使って見せる油断ならない人物ですし、その戦いは一筋縄ではいかなそう。
リョウはリョウで黒道着衆の一人から何か武器を入手し、一応の対策は経てているようですが……?


鉄パイプを手に弟と対峙したリョウ。
ですが弟の刀の使いこなしぶりはなかなかのもので、鉄パイプは次々に切り落とされ、防御にすら使えないほどの短さにまで刻まれてしまいます。
やむなくリョウはパイプを持ちかえて投擲したのです!
が、弟の身体能力もすさまじいものがありまして。
難なくそのパイプを刀で防ぎ、すさまじい勢いで刀を振り回して見得を切って見せるのでした!

菅原相手ならばこういった奇策も通じたのでしょうが、何せ相手は涼を上回るなんでもありの主義者たち。
リョウも腹をくくり、そう都合よくはいかないか、とパーカーを脱ぎ捨て……その下に隠し持っていた武器を構えました!!
黒道着衆が「こんなものでいいのか」といっていたその武器は……ふたふりのトンファー!!
sy1
独自の修練を積んでいないと使いこなすのが難しそうなこの武器ですが、リョウの構えはなかなか堂に入ったもの。
そしてその強度もかなりのもののようで、鉄パイプをやすやすと断ち切った刀の攻撃も難なく受け止めて見せたではないですか!!
リョウは刀を受け流し、そのまま弟の右手首を打ち据えます!!
さすがの弟も一瞬ひるみ、リョウはその隙に腹部をトンファーで突きました!!
さらに左手でトンファーの先端を持ち、持ち手部分を弟の足首に引っ掛けて
sy2
弟を転がします!!
続けざまに、寝転がった弟の顔面にトンファーを突き立てるのですが……
弟は素早く横に転がって回避!!
起き上がり際に刀で反撃まで仕掛けてきたではないですか!!
足元を狙った横薙ぎを、ジャンプしてかわすリョウ。
弟は素早くそれに反応し、弟は素早くも刀から片手を話、刃の背に拳を当てて跳ね上げました!!
そこでリョウは素早くトンファーを交差させ、刀を受け止めて見せました……が、弟は刃の背を蹴りあげてさらに刀の勢いを加速させたのです!!
リョウは体をひねって刀を回避。
その回避の勢いで、トンファーを振り下ろすのですが、今度は弟、なんとそのトンファーを素手でキャッチして見せたのです!!
しかしあくまで冷静なリョウ、逆のトンファーで弟の受け止めたその指を打ちます。
異常なタフネスを誇る弟も、末端の攻撃はさすがにこたえた様で。トンファーから手を放します。
が、その意識はまだしっかりとリョウをとらえています。
リョウの追撃をしっかり避けて見せたのですから!!
さらに弟はその大木のような腕をリョウの首に引っ掛け、放り投げました。
すかさず立ち上がるリョウですが、その起き上がり際を狙ってかたんっを振り下ろす弟!!
リョウは後ろに距離をとって回避。
そんなリョウに弟はさらなる力任せの一撃を放ち……
リョウはそれを二つのトンファーでそれをガード。
さらに距離が離れ、ここでようやく二人の攻防は一呼吸おえるのでした。

弟の底知れないパワーを実感したリョウ。
さすがの彼も、焦りを隠し切れません。
そんな弟はと言いますと、あんな激しい攻防を繰り広げた直後にもかかわらず、息一つ切らせていません。
が、無事化と言えばそうでもありませんでした。
突然大声で「痛え!!」と叫んだのです!!
弟が痛がっているのは、先ほど打ち据えられた左手の指。
戦っている最中はアドレナリンの効果……といいますか、持ち前のあれさで痛みを忘れていたのでしょうが、一息ついたことでその痛みを思い出してしまったようです!
弟が叫ぶのも当然、左手の指はトンファーでたたかれた時のまま、織れて変形してしまっているのです!!
困ったときの兄頼み、指がやばいことになってるよ、と助けを求める弟。
ですがあのいい加減な兄が適切なアドバイスができるわけもなく、落ち着け、元に戻せと言うばかり!
しかし弟は兄の言うことに全幅の信頼を置いています。
無理やり指をまっすぐに直して見せるものの、織れているんですから自在に曲げ伸ばしなんてとてもとても……
兄はその二本の指が伸びた状態を、勝利のVサインだとまたいい加減なことをのたまいまして。
とはいえ弟はそれでやる気が出るのですから、この兄弟はこれでいいのでしょう。
指のダメージは弟にとってないも同然!
sy3
そんなバカげたタフネスと、ふざけたやり取りを苦々しげに見つめるリョウ……
リョウとバカ兄弟の対決はまだまだ始まったばかり。
これからどのような展開になっていくのでしょうか!?


というわけで、バカ兄弟との戦いが白熱していく本作。
何せお互いが武器を持っている以上、勝負が決まるのは一瞬……と言いたいところなのですが、トンファー程度の武器ではあの弟を一撃で沈めることなどできなそうです。
しかし弟の持つ武器は正真正銘一撃必殺!
かすっただけでも下手をすれば致命傷になりかねない危険極まりないものなのです!!
さらに、名伯楽を気取る兄もこのままおとなしく見ているはずがありません。
弟が窮地になったら……いや、チャンスと見れば弟を巻き込んででもリョウを仕留めに来るはず!
肉体労働派ではない兄だけに、その手段は完全に予測不可能。
弟のすさまじいフィジカル、兄の非道極まりない戦法。
その二つを乗り越え、リョウはこの戦いに白黒つけて帰ることができるのでしょうか……!?

そして影筆の女性、サキコのほうにも動きが。
このまま彼女はリョウと生活をつづけ、彼の支えとなるのか。
それともこの一連の事件を引き起こしたサキコの父親によって、その関係はばらばらに壊されてしまうのか?
サキコと父親の行動ににも注目です!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!