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今回紹介いたしますのはこちら。

「名探偵マーニー」第11巻 木々津克久先生 
秋田書店さんの少年チャンピオンコミックスより刊行です。

さて、いよいよメカニックとの対決機運が高まってきた本作。
マーニーはその優れた洞察力と推理力でメカニックの謎に迫っていくのですが、現在のメカニック・夜刀は凶悪な人物であることがわかり。
協力関係となったもう一人のメカニック、鴻上とともに夜刀の影を追うマーニーですが……?


調査を行った結果見えてきた、いくつかの事実。
コンプレックスと悪いの塊のような人格を持つ夜刀、そしてその夜刀のスパイスパイがマーニーのクラスに紛れ込んでいること。
そしてそこからマーニーはある決意を固めるのです。
奴の攻撃から逃げているだけでは事態は好転しない。
自分の身を守るためにもこちらから攻撃を仕掛けなければ。
そのための、作戦を思いつき……実行に移すことにしたのです。
あまりにも荒唐無稽なその作戦とは?

マーニーが訪ねたのは、以前依頼を受けたことのある元政界のフィクサー、村枝。
彼にメカニック退治の協力をお願いしようと考えたのです。
現役を引退して久しい村枝は、過去のメカニック……鴻上とは面識があるものの、昨今のメカニックの事情までは知らないようで。
鴻上のほうは村枝もなかなか気に入っていたようなのですが……
そんな村枝も気に入った鴻上が築き上げたメカニックの名をジャックし、様々な人間を不幸にしていった夜刀、そんな男を許すことができない。
現役当時はクリーンとは言えない手段もつかってきたであろう村枝、もしかしたら夜刀ともつながっているかもしれない、信用してもいいのか?
強力を持ちかけてきたマーニーに、自分からそう言ってきた村枝。
ですがマーニーはそんな人物に、けろりとこういってのけるのです。
村枝さんはいい人だからそんなことないですよ、と。
元裏の世界のドンともいえる男を捕まえて、いい人とは。
村枝は大笑いして、以前依頼を受けてもらったこともあることだし、と協力を約束してくれたのでした!!
……実はマーニー、村枝が夜刀とつながっていないことを確認済みだったりするのですが。

村枝にお願いしたのは、ある程度信用できる人間に盗難や詐欺と言ったあまり公にしたくない類の架空被害を出してもらう、ということ。
そしてその事件の現場に……歯車のマークが記された名刺が残されていた、と言う風に装ってもらう……!!
マーニーがやろうとしている作戦は、「第3のメカニック」を作ること!
そしてその役を
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自分が勤めようというのでした!!
細かいフォローを鴻上に任せ、準備を着々と進めていくのです!

プライドが高く、メカニックの名に異様な執着心を持っている夜刀。
第3のメカニックが現れたらしい、という噂が耳に入れば黙っていることなどできません。
当然夜刀はマーニーも第3のメカニックを騙っている人物の候補の一人と考え、スパイに探らせていたのですが……
それこそがマーニーの狙い。
今だマーニーが「クラスにスパイがいることに気が付いていながら、それがだれか特定できていない」そぶりをすることによって、自分がまだスパイを探っている段階であると思いこませ、第3のメカニック候補から外そうとしていたのです!
その企みはまんまと成功し、メカニックの疑いの目は今のところマーニーには向いていません。
ですがこのままではじり貧ですので、ここでさらに大胆な攻めを見せることにしたのです。

第3のメカニックは、自分のおびき寄せるために鴻上が仕組んだ罠ではないか?
夜刀がそう考えて用心しているかもしれない今の状況を打破するために考えた奇策はこうです。
あえてカメラに映る位置で、男装して協力者の一人と取引するふりをする。
こうすればさすがの夜刀も第3のメカニックの存在を認めるだろう、と!!

早速行われたその作戦ですが、そこで事態は思わぬ方向へ進んでしまうのです。
協力者とやり取りをしている中、背後から現れたのは……
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夜刀本人!!
夜刀直々に姿を現し、鴻上の手の者か?マズイ名を借りたな、俺の手下になるなら命だけは助けてやる。
やばいといえばやばい状況ですが、襲撃を想定していなかったわけではありません。
鴻上から渡された秘密兵器のスイッチを入れると、なんとあたりの街灯が一斉に消えて周囲は闇に!!
マーニーはその隙にメカニックの現れた逆の方向から逃げようとするのですが、なんとそちらからは警察の一団が来るではないですか!
それも、マーニーと親交のある刑事、毛利まで混ざっていて……
どうやら毛利も彼なりにメカニックを追っていて、この取引のことを突き止めていたようなのです!!
しかもこの後わかることですが、協力者だったはずの人物が裏切っていまして、今回の事件が正真正銘の犯罪となってしまっていて……
前門の警察、後門のメカニック。
さらに騙されたとはいえ、犯罪の片棒を担がされたマーニー。
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マーニーはこの窮地から脱することができるのでしょうか。
そして、メカニック打倒を果たすことができるのでしょうか!!


というわけで、いよいよクライマックスを迎える本作。
マーニーと二人のメカニック……三人の深い因縁は、どのような決着を迎えるのか?
悪逆極まりない夜刀、凶悪でこそないものの裏では何を考えているかわからない鴻上。
そんなふたりの間に挟まれながらも、自分なりの戦い方でメカニックを追い詰めていくマーニーは、夜刀を倒しトラウマを乗り越えることができるのか……
その戦いの結末は、ぜひその目でご確認ください!!

そして過去の次に乗り越えなくてはいけない現在も存在します。
マーニーやロイドとたもとを分かったこととなる母。
メカニックの件が解決し、ロイドも警察を辞めた今、分かれてくれ明日理由もないはずです。
が、何年も別に暮らしてきた二者が急にくっつくことができるはずもなく……
そんな中起こったある事件。
それをきっかけに、母とマーニー、その関係も一応の決着を見ることとなるのです!!

そして大団円となる最終回も必見!
ラスト間際に描かれるマーニーの表情は、今まで読んできた読者が一番見たかった表情なのかも……
ほっこりとした読後感に浸れること間違いなしですよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!