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今回紹介いたしますのはこちら。

「生まれる価値のなかった自分がアンナのためにできるいくつかのこと」第2巻 永瀬ようすけ先生 
双葉社さんのアクションコミックスより刊行です。

さて、小学生時代にタイムスリップした和也。
小学生時代からやり直し、未来の絶望的な自分を変える。
そう思っていた和也ですが、過去ですでにあこがれの存在だった杏奈が、親友であった京太が相思相愛であったことを知って絶望。
その屑の本性をむき出しにし、杏奈をその手で汚す決意をするのでした!!


和也たちのクラスに転校してきた少女、外海いづる。
不思議なことに和也には、彼女が転校してきたなどという記憶がないのです。
しかもそれだけではなく、彼女は転校の自己紹介の直後から和也に対して敵意をむき出しにしてくるではないですか!!
彼女はいったい何者なのでしょう。
気になる所ですが、和也にとって今はそんなことはどうでもいいのです。
彼の頭の中に存在するのは、ただただ杏奈のことばかり。
……杏奈の、体のことばかりなのですから。

クラスでは、月末に行われる劇についての話し合いが行われていました。
演目はラプンツェル。
とりあえずその日は配役だけ決めることになったのですが、その話し合いが始めるや否や和也が動きを見せたのです!
ラプンツェル役は、杏奈がいいと思う。
挙手してそう声を上げると、クラス全体もその提案に大体同意しました。
そしてそのまま、京太が王子役をやればいい、と推薦をつづけたのです!
彼が杏奈に思いを寄せていると知っている和也は、二人をくっつけるためにフォローしたんだ、と京太に囁いたのですが……
本当に和也がそんなことを考えているはずがありません。
いったいこの配役で和也は何をたくらんでいるのでしょうか……?

放課後、和也を含めたグループでこのあたりの案内をすることになります。
正直あそこまで敵意をむき出しにする相手に対し、自分から近寄るような行為はしたくない和也ですが……
なんでもいづるは杏奈の親戚ということですし、これからも仲良くするかもしれないから、という京太の提案もあって、渋々同行することにしたのでした。

和也たち三人に加え、杏奈といつも一緒にいるさつき、そしていくみをくわえた6人で街へ出た一同。
それぞれのおすすめスポットをめぐることになったのですが、最後にやってきたのは昔秘密基地を作ったりもしたという郊外の廃屋でした。
一通り案内は終えたものの、このまま別れるのもつまらないということで、この廃屋でかくれんぼをして遊ぶことになりました。
じゃんけんの結果、鬼は京太。
最初はいつものように、杏奈と一緒に行こうとするのですが、みんなバラバラに隠れないとだめだといづるに声をかけられ、まるで逃げるかのように駆け出したさつき。
物陰でかがみこんでいると、そこにいくみもやってきました。
近くに鬼が来ている気配もあるので、一時的にここにかくまってもらうことにしたいくみ。
そこで二人押し黙っているのもあれですし、いくみは激に関してのお話をし始めました。
さつきは図工が得意だから小道具係だったものの、自分は女なのにお父さん役だ。
京太と杏奈はお似合いの配役だしうらやましい。
自分ももっと女らしくなれば……和也も……
先日の事件以来、和也に完全に惚れてしまっているいくみ、
思わず口に出た言葉ばを、今のなしと振り払おうとするのです。
さつきにはどうやら、超能力めいたものがあるようで。
その人物が抱く強い感情をなんとなく感じ取れるらしいのですが、いくみの体からは、小学生から本来感じ取れない「欲望」が立ち上っていることに気が付いて……
さつきは、ただならない何かを感じ、冷や汗を流すのです!

そして、一人ぼーっと隠れていた和也。
かくれんぼって暇だななどと考えていた彼ですが、ふとこんなことを思い立ちました。
ここでいくみを見つけて……「して」しまおう、と!
そんなどす黒い欲望をたぎらせ、しかもそれを「暇つぶしくらいにはなるか」ととんでもない考えを巡らせながらその場を立った和也。
するとその直後……
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和也の座っていた場所に、思いドラム缶が落ちてきたのです!!
もし偶然立たなかったら、直撃して死んでいた!?
さっと視線を頭上に飛ばすと、そこには逃げていく長い髪の女の姿が……
あれはやはり、敵意をむき出しにしていたあの……?
彼女の敵意は敵意などという生易しいものではない……明確な殺意!!
そんなまさか、とそれが気のせいだと思い込もうとする和也なのですが……

そしてやってきた劇の当日。
一同は滞りなく劇をおえ、衣装から体操服に着替えて体育館に戻る段階に来ていました。
ですがそんなとき、杏奈は一人体育倉庫に来ていました。
実は、京太に大事な話があるからと呼び出されている……と、和也に伝えられてここで待っていたのです!!
もしかして、告白とか……?
自分も京太が好きであると最近気が付いた杏奈は、そんなことを考えて胸をときめかせるのです。
そして時間になってやってきたのは、だれであろう
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和也!!
戸惑う杏奈に、和也は思いの丈を語り始めます
この人生でもお前らはこのまま付き合って結婚して子供を産んで、幸せに暮らしていくんだろう。
俺のことを差し置いて……
このまま生きていたとしても、今回もくそ人生まっしぐら、何回やり直しても屑は屑のままだ。
だったら、俺は好き放題やらせてもらう。
悪く思うなよ?
……そして、和也はパンツを脱ぎ捨て、どす黒い滾りを杏奈に見せつけるのです!!
杏奈を押し倒す和也。
杏奈はさすがに今の状況が異常であると気が付いて、泣き叫び始めます。
ですが和也は、今の人生では練習台がいたから経験豊富だ、大丈夫、天国に行かせてやるなどとのたまい……
さらにそのうえ、衝撃的な言葉を重ねるのです。
王子様にはすぐ会えるぜ、時間ずらして、ここに来るように言っているからな、俺たちが「している」最中にな!
……夢にまで見たあの瞬間がついにやってきた。
和也は杏奈の中に、そのどす黒いという言葉すら生ぬるい邪悪極まりない欲望をほとばしらせようと杏奈の股間を……!!
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というわけで、とうとうとんでもない行動を実行に移した和也。
完全に吹っ切れた彼は、もはやこの人生でもまともな未来を夢見ようとすらしていないようで。
その欲望を完全にさらけ出し、欲望のままにその毒を振りまこうとしているのです!!
果たしてその欲望は、杏奈に浴びせかけられてしまうのでしょうか。
そして、杏奈だけでその欲望はとどまるのでしょうか……?

さらに気になるのは、いれひゅらーの少女、いづる。
彼女の目的が和也の殺害であることは間違いなさそう。
ですが問題はなぜ彼女が和也を殺そうとしているのか?
仮に彼女も和也と同じ未来から来た存在だとしても、さかのぼる前の和也はそれほどとんでもないことはしでかしていないはず。
和也への憎悪はあまりにも大きすぎるような気がしますが……
そんな謎多きいづるの正体もついに明かされることに……!?

なんといっても本作の売りは和也のとんでもない屑っぷり。
その屑っぷりは前巻をはるかに超えるものになっていまして、前巻のいくみと慎也、そして今回紹介した杏奈に対しての非道だけでは収まりません!!
あまりに非道すぎる和也の行いは読み手に大きなショックを与えることでしょう!
そしてその行動にさらされた者たちがたどることになる運命……
次巻で完結と銘打たれている本作……因果応報となって終わるのか、その非道がまかり通るのか。
今巻で判明する本作のタイトルの意味。
果たしてこの物語はどのような結末を迎えるのでしょう!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!