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今回紹介いたしますのはこちら。

「賭ケグルイ」第1巻 原作・河本ほむら先生 漫画・尚村透先生 
スクウェア・エニックスさんのガンガンコミックスJOKERより刊行です。

河本先生は、「牛乳」名義でweb漫画を発表したのち、本作にて商業誌で漫画原作者デビューされた漫画家さん。
本作はそのweb漫画、「ドミニウム」を元にした作品のようです!

尚村先生は09年にデビューした漫画家さんです。
オリジナル作品でデビュー&連載後、アニメ「TARI TARI」のコミック版を執筆。
そして今度は原作付き作品と、様々な作品を手掛けていらっしゃいます。

さて、本作は学園を舞台にしたギャンブル漫画です。
とある学校に女生徒が転校して来るところから物語が始まる本作、その内容は……?


私立百花王学園。
この学校では、ちょっとやそっと勉強や運動ができてもだれも評価してくれません。
財政界の有力者が数多く通うこの学園では、将来人を使う立場になる人物にとってより重要な、人と人とのけ駆け引き、ここぞというときの勝負強さを重んじているのです。
ですがそれをどのように証明するというのでしょう。
それは……ギャンブルです。
ここでは生徒同士が実際に金と「身分」を賭け、ギャンブルが日常的に行われていたのでした!!

そんな学園のあるクラスに、ポチと呼ばれる生徒がいました。
彼の名は鈴井。
彼はつい先日、大勝負に敗北し、身ぐるみをはがされてしまっています。
百花王学園では生徒会が強力な権限を持っており、生徒たちからお金を回収してギャンブルのお金を管理しています。
その回収されるお金、「上納金」の上納額が低い下位100名の者は、「非協力傾向生徒」として、家畜同然に扱われることとなってしまうのです。
脱出するためには多額の上納金を収めるしかありません。
が、一度その立場に落ちてしまったものは、そもそもお金がないからその立場に落ちてしまったわけで……
どうにもすることができず、家畜扱いのまま耐え続けるしかないのです……

そんな鈴井のクラスに、転校生がやってきました。
物腰も柔らかな、黒髪ロングヘアーの美しい女生徒……蛇喰(じゃばみ)夢子。
鈴井は彼女に、学校の案内をしてあげることになります。
その道中、鈴井は何も知らなそうな彼女にこの学園のルールを説明することに。
この学校では伝統のようにギャンブルが流行っているが、金持ちが多いから賭け金が半端ではない、近いうち誘われると思うから気を付けて……
そう説明しながら夢子の顔を見ると、なんと彼女、笑っているではないですか!
しかも、それはとても楽しみだという言葉まで漏らして……!

その日の放課後。
美人である夢子は瞬く間にクラスメイトに囲まれて質問攻めにあうのですが、そんな中に割り込んでくるものがいました!
その人物は、早乙女と言う女生徒。
彼女こそ、鈴井を家畜の身分へと突き落とした人物なのですが……今度は夢子をターゲットにしたようです。
にこにこと笑顔で近づいて油断させ、ギャンブルをしないかと持ち掛ける早乙女。
夢子は大歓迎ですと笑うのですが、早乙女が提案してきた種目は「投票ジャンケン」と言う聞きなれないゲームでした。
それもそのはず、このゲームはこのクラスオリジナルのギャンブル。
鈴井はとっさに、何も知らない人にルールの把握が難しいゲームをやらせるのはどうかと進言するのですが……「ポチ」である鈴井は、早乙女のひとにらみのまえにすごすごと引き下がるしかないのです。
とはいえ投票ジャンケンはそれほど難解なルールではありません。
教室にいる生徒全員が、グー・チョキ・パーのどれか一種類をカードに記入して投票。
対戦する二人はそれぞれ三枚ずつ、投票された箱から取り出し、その三枚の中から一枚をだしてじゃんけんをする。
あいこならば残りの手札から選んでもう一回、三枚ともあいこだったら引き分け。
これを一セットとして、お互いチップをかけあって対戦していく……
このゲームの肝は、なんといってもグー・チョキ・パーがそれぞれ何枚入っているかわからないということ。
極端に言えば、どれか一種類がゼロ枚だということもあり得ます。
運と、その偏りを見切る感。
それが重要なゲームなわけですが……

二人は、1枚1万円のチップをお互い120枚ずつ、120万円を奪い合うことになりました。
第一セットは、お試しということで夢子は2枚ベットして対決。
見事勝利を収め、合計4万円を獲得します。
その勝利で味を占めたのか、
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夢子は第2ゲームになんと50枚かけたではないですか!
意外と勝負士なのねと言いながらてぶ打を選ぶ早乙女。
こんなものまだまだだ、と夢子も手札を選びます。
第2セットの一枚目は、お互いグーであいこ。
2枚目は……夢子がチョキ、早乙女がグー。
……早くも大きくマイナスになってしまったのです!!
第3セットはまた2枚掛けで夢子の勝ち。
そして第4セットになると、夢子は再び50枚ベット!!
さらに再び、一回のあいこの後に出した2枚目で負けてしまい……
合計で100万円近く負けてしまったのでした!!

勝負は続き、夢子のチップはなくなってしまいます。
が、そこで夢子はなんとチップの追加をお願いしてきたではありませんか!!
それこそ、泥沼への第一歩。
マイナスがマイナスを生み、どんどんと脱出不可能な深みにはまっていく……
早乙女はにこにこしながら歓迎だよ、と答えるのですが、内心は馬鹿めとほくそ笑んでいたのです!!
……が。
そのあとの言葉を前に、凍り付いてしまうこととなるのです。
夢子が要求してきたチップの枚数は……1000枚!!
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一気に今までの10倍近い大勝負を挑もうというのでしょうか!?
早乙女はつい声を荒げて言ってしまいます。
そんな払えるかもわからない大金、即金でもない限り信用してチップを渡せるわけがない!!
すると夢子はその言葉を待っていたかのように、机の上に1000万の札束を置いたのです!!
……一発のジャンケンに、1000万円を賭ける。
さすがの早乙女も、これには「狂っている」と叫んでしまいました。
ですが夢子は答えるのです。
だ狩りいのではないですか。
ギャンブルは、狂っているほど面白い。
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さぁ、賭け狂いましょう!!
とんでもない大勝負となってしまった、夢子の初戦。
受けて立つ早乙女ですが……実はこのゲームには一つのイカサマが仕込んであったのです。
押せるふりをしてひそかにほくそ笑む早乙女……
果たしてそのイカサマとはいかなるものなのでしょうか?
そして、夢子はそのイカサマを見破っているのか、それを破ることができるでしょうか!?


というわけで、学園を舞台にした高額ギャンブルを描いていく本作、
この1000万円の勝負のあと、勝負はさらに高額の2000万、そしてそのあともどんどんとビッグな賭けになっていく予感をはらんで戦いは続いていきます。
ギャンブルが横行する学園で、超高額の倍プッシュを続けていく……
主人公が転校してきたことといい、設定的には「ギャンブル・フィッシュ」と非常に似ている感じを受けるのですが、もちろん本作には本作ならではの要素がたくさん盛り込まれているのです!
本作の主人公である夢子、その真の目的、そしてその過去や生い立ちと言ったものはまだ語られてはいません。
ですがその最大の原動力は、高額の賭け事ならではの生と死のはざまに立つヒリヒリ感を楽しみたいという欲望!!
そのギリギリの感情を楽しむためなのでしょう、相手のイカサマを知っていながら、そのイカサマを利用して勝利を収める……のではなく、イカサマを完全には破らないまま勝負に出るという完全なる運否天賦勝負に出る夢子。
いったい何がどうなればこんな人物像が出来上がるのでしょうか?
彼女のバックボーンが語られる日が楽しみです!
そしてもちろんただ楽しみたいからという理由で転校してきた、ということはないはず。
只者ではない空気を醸し出す、当面のボスの実力なども含め、まだまだ気になる要素はてんこ盛り!!
今後の展開から目が離せませんね!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!