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今回紹介いたしますのはこちら。

「孔雀王~戦国転生~」第2巻 荻野真先生 
リイド社さんのSPコミックスより刊行です。

さて、衝撃的なラストを迎えた「曲神紀」のその後を描く本作。
今回の孔雀は何らかの理由で戦国時代に現れ、そこで信長や秀吉と出会い、怨念と呪の渦巻く時代で戦うこととなってしまっています。
孔雀の目的はどうやら「アシュラの過去を変え、ひどい未来を変える」というもののようで。
孔雀はアシュラと出会うことはできたものの、「艮の金神」と呼ばれる彼女は何も言わず去っていってしまい……


信長の正室、お濃の部屋、帰蝶の間。
そこで信長とお濃は愛し合い、眠りについていました。
幸せな時を過ごした後の安らかな眠り……
ですがふと目を覚ました信長は、その場にお濃がいなくなってしまっていることに気が付きます。
不安に駆られ、あたりを見回すと……一面のふすまに描かれた美しい花と蝶が、吹き荒れる風に蹴散らされ、一斉に朽ち果てていくではないですか!!
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美しいものを何より愛し、醜いものを忌避する信長にとってこれはまさに悪夢……
そんな悪夢から、信長は今度こそ目を覚ますのでした。

現実世界では、お濃はきちんと信長のそばに寄り添っていました。
先ほどの悪夢のことを話すと、その原因は「呪」にある、というお濃。
先日行った京の、荒廃した景色……それが呪となって信長の心の底に残り、信長の最も嫌う悪夢となってよみがえるのだとか。
それを案じてお濃は今宵、この美しい部屋で信長を眠らせたとのことなのですが……
残念ながら悪夢を防ぐには至りませんでした。
京をよく知るというお濃の父、斎藤道三によれば、上洛したものは皆呪に侵され、帰国した後も心をむしばみ続けていき……末は前巻で撃破した今川義元のように、醜悪なバケモノとなってしまうとか。
その呪を振り払うにはどうすればいいのか?
お濃は声高らかに言うのです。
この呪を断ち切る最上の策は、大軍を持って京を包囲し、呪の根源とともに京を焼き払うこと!!
父、道三もそう申しておりました!

孔雀は信長に呼び出され、帰蝶の間に来ていました。
そこに待っていたのは、艶やかな蝶の着物に身を包んだ、お濃……ではなく、女性のいでたちをした信長だったのです!!
そのあまりの美しさに仰天する孔雀。
もちろん信長は趣味でこんな恰好をしているわけではありません。
お濃のアドバイスを受け、呪から身を守る魔よけとしてこんな恰好をしているとのことなのです。
で、何故孔雀をこの部屋に呼んだのかと言いますと、孔雀に一緒に京に来てほしいと頼むため。
京に行ったときはこんな場所に二度と来たくないと言っていた信長が、何故今度は逆のことを言い出すのか?
お濃の入れ知恵とは知らない孔雀じゃ当然そのことを尋ねるのですが……
信長は自分が考えたかのように、京を焼き払って呪いを一掃する!孔雀には、密法の力で艮の金神を倒してもらいたい!と力説!
信長は、汚い沼もぬもうな将軍も腐った貴族も呪に侵された武将も、呪の根源である艮の金神もろとも焼き払い、そのあとにこの部屋のように花と蝶で彩られた花園のような新都を作り上げる、と考えているようで。
ですが孔雀は、そんな信長の頼みをやだねとあっさり拒否!
孔雀は艮の金神、アシュラがすべての呪の根源だと知っていながら……だからこそ救いたいと言うのです。
そして同じく、信長も救いたいと考えています。
京に行けば間違いなく信長は死ぬ。
信長もアシュラも、呪に殺されて欲しくない……だからこそ、仏の禁を破り、この時代に来たんだ!!
ks2
自分には未来がわかる、と言ってみても信じられるはずもなく。
信長は怒りをあらわにし、お前に何がわかると言って孔雀に切りかかります。
が、恐之お前は動きが鈍い、どこか変だと孔雀はその刀を難なくさばいてしまいました。
その原因が信長の来ている着物にあると気が付いた孔雀、信長を投げ飛ばした勢いで強引に着物をはぎ取ります。
そして真言とともに独鈷杵を着物に打ち込むと……そこから姿を現したのです。
ks3
……お濃が!

なんとお濃は、信長を操るために道三が信長好みの美しい女房として作った式神だったのです!
信長が今のように、美しいものに取り付かれたゆがんだ性格になってしまったのもお濃のせい……かと思われたのですが、彼女の言葉を信じればそれを信長の持前のものだとか。
その心の闇を広げはしたらしいのですが、何故あんな孤独で人を信じない性格となったのかは知らないそうです。
それだけ聞くと、孔雀は……お濃を見逃したのです!
式神なんぞ討ったところで、また別の式神がやってくるだけ。
ならばお濃本人に主である陰陽師に伝えさせようと考えたのです。
次はこの大威徳明王呪で、てめえも一緒に調伏してやる!!


というわけで、お濃編を収録した今巻。
この後、孔雀は藤吉郎たちとともに道三との戦いに挑むこととなります。
式神であったお濃、そしてそのお濃を作り上げた道三。
道三の狙いは一体何なのでしょうか?
この時代ではすでに死んでいるはずの道三……信長を操って天下をとる、などという「人間」並みの目的などを持っているはずがありません!
そしてその道三の思惑通り、お濃にのめり込んでしまっている信長は……?
孔雀が何と言おうと、素直に従う信長ではありません。
お濃の言うがままに動いてしまうであろう彼を、何とか抑えて道三を打ち倒す。
孔雀や藤吉郎の市名はなかなかに厄介なもののようです!!
なにより、得体のしれない道三の実力も気になる所。
お濃のような優れた式神を作り出しているだけで呪に長けた人物であることは確かですが……やはり一筋縄ではいかないはず!
果たしてこの混迷の中の戦い、その結末は……!?

そしてこのお濃編は今巻の中で決着するものの、様々な気になる新要素もありまして。
信長の意外な過去、新たに参戦する新キャラクター、そして本シリーズのボスとなるであろう意外すぎる人物が示唆されます!!
「曲神紀」のその後はまだ語られなさそうですが、つながり事態はしっかりと感じさせてくれますし、いずれ明かしてくれることでしょう。
次はどんな歴史上の人物が出てくるのか?
本作のボスはどのような形で物語にかかわってくるのか?
以前シリアスなストーリーラインが続いておりまして、グイグイ引き込まれること必至!!
今後の展開が楽しみでなりませんね!!


なんか意外と(失礼!)お金かかっていそうなスペシャルアニメも、この記事を書いた現在リイド社さんのホームページで公開されていますので、そちらも要チェック!
あわよくば孔雀王シリーズ、そして荻野先生史上初の地上波アニメ放映も夢見ちゃいそうです!!
……エログロとか、いろいろ地上波向けではない内容なんで無理なのはわかってますけどね……


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!