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今回紹介いたしますのはこちら。

「いきいきごんぼZ」第6巻 陸井栄史先生 
秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。

さて、はっちゃけ三人組のハッスル陰鬱学園生活を描いていく本作。
どうしようもない学校の底辺三人組の主人公グループ、だったはずですが、最近はなんだか技野が他のクラスメイト……特に女子に受け入れられ始めたりしておりまして。
今巻でも技野くん、ラブがコメっているようで?
果たして三人組は分裂してしまうのでしょうかっ!?


テストの成績が壊滅的だった三人組、夏休みまで補習を受けさせられることとなってしまいました。
夏の暑い教室で、やりたくもない勉強をさせられる三人、その日の補修が終わるころにはすっかりゾンビ化してしまっています。
そんなゾンビ化した三人を、部活かなにかで学校に来ていたイマキマキー達が発見。
アンタら補修まで三人セットなんだ、目が死んでるよ、と早速小ばかにしてくるのです。
枷井はいつもの調子でこのおぽんぽんどもが!と激高する……かと思われたものの、夏の暑さでゾンビ化したボディはその怒気に耐えることができません。
ゲル化して地面に崩れ落ちてしまうのでした!
そんな枷井の機構をさらりと流したイマキマキー、技野一人にちょっとお話があるから来なさいと手招きしてきます。
技野は空元気を振り絞って、誰が行くか、用事があるならそこから言えや、もういいや帰ろうぜと火星たちのほうを振り返るのですが……
枷井と吏毘堂は何やらひそひそ言いながら遠くのほうに行ってしまっているではありませんか!
慌てて二人を追いかけ、今日俺んちで映画観ようぜ、カイジュウのタマゴ(スイカ)もあるぜ、と引き留めます!
が、一人女子と仲良くしている技野にドン引きの二人、今日はクラスメイトのおやっさんと遊ぶから気が向いたら行くわ、と気のない返事をして立ち去ってしまうのです。

スイカを食べやすい形に斬り、クーラーをガンガン効かせて準備万端。
予想通り吏毘堂と枷井は来ないようで。
今日は技野姉がいませんので、もうこの家の神としてやりたい放題してやる!と映画の鑑賞を始めたところ……来ました。
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イマキマキーが!!
チェンジ、と言い残して玄関をしめなおす技野ですが、そのまま放置するわけにもいきません。
最近技の姉と仲良しになったイマキマキーですから、いま彼女はいないよとあしらおうとするのですが、イマキマキーは帰りません。
借りていた本を返したいとのことで、さっき技野にお願いしたかったものの断られてしまったため、わざわざ着替えて家を訪ねてきたのだとか。
せっかくわざわざやってきたのだから家に上げろ、とイマキマキーは強引に中に入ってきてしまうのです。
この家涼しい、スイカがある、私スイカ好き!とはしゃぐイマキマキーに、スイカをやるから食ったらさっさと帰れ!と早いとこ追い払おうとする技野。
このスイカおいしい、お礼に勉強教えてやろうか、といろいろとうるさい彼女ですが、何の警戒心もなく男と二人っきりになる彼女に対して、技野は何を考えているかうかがい知ることもできず、やりづらさばかりを感じて強く出ることもできません。
ようやくスイカを食べ終わり、皮を片付けに台所へ行くイマキマキー。
そのままご帰宅……と思いきや、技野の隣にどっかと腰を下ろして映画鑑賞を始めたではないですか!!
吏毘堂とか来るかもしれないから帰れよ、と慌ててつっこみを入れる技野ですが、それなら来たら帰るよと言い出すイマキマキー。
……それこそ技野が一番恐れていることだというのに!!
女子と一緒にいるだけで裏切り者扱いされるのですから、二人で家にいるところなんか見られたりしたら!?
ただでさえいまの状況が気恥ずかしいのに!!
……と、そこで技野はイマキマキーの様子がおかしいのに気が付きます。
技野が鑑賞していたのは彼の大好きなホラーもの。
その恐怖シーンに差し掛かるたび、イマキマキーは明らかにびくついているのです!!
いつも彼女のペースに巻き込まれ、何もできないまま流されてしまう技野。
反撃のチャンスだと考えたのでしょう、ここぞとばかりにあれあれどうしたのかな、今木さんにも苦手なモノがあるんだ、怖かったら帰ってもいいんだよと攻撃を仕掛けるのです!
しばらくはそんなことないと強がってみせるイマキマキーですが、技野が得意の(?)ホラー的なくしゃみやらスイカの食べ方で攻撃を繰り返していますと、やはり効果はてきめん。
イマキマキー、おびえるあまり姿勢も変えられなかったようで、正座していた足がしびれて動けなくなってしまったのでした!!
その様子を確認した技野、俺は2階に行くからそこで口はてっる通いと無慈悲に宣告。
したのですが、なんとそこでイマキマキー……上目づかいで、一人で見るの怖いから行かないで?と言い出すではございませんか!!
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ですがこの手に乗っていつもやられている技野、その手にゃかからんぜ、ワンパターンなんだよ!と小躍りしながらスルー!!
……しようとしたものの、イマキマキーは顔を伏せて小刻みに震えはじめ……
まさか「女子を泣かしちゃった」ってやつなのか?
泣き落としか、やだね女は泣きゃいいと思って……と、怖気づきながらも追撃する技野。
ところがイマキマキー、何でそ
う言うこと言うの?と消えいりそうな声で漏らしまして……
泣くなよめんどくせえな、ていうか嘘泣きだろ?
そう声をかけて、手も、イマキマキーは突っ伏したまま……
技野の頭は真っ白に。
どうするんだこの状況、こういう状況対応できねえよ!
テンパった技野、滑稽な踊りと歌で笑顔を取り戻させようとするのですが……
気が付けばそこには冷めた顔のイマキマキーと技野姉、そして吏毘堂と枷井までもがいるではありませんか!!!
やっぱりね、こうなると思ってましたよ、わかってて乗ってやったんですけどねファック。
脳内をめぐるのは、そんな恨みごとばかり……
ですが本当の恐怖はまだこの後やってくることを、技野はまだ知りませんでした。
吏毘堂たち二人と遊んでいたおやっさんが、一緒に来ていたことを。
イマキマキーにひそかに思いを寄せているおやっさんが、技野がラブコメをしていると聞いて完全にZQN化して迫ってきていることを……!!
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というわけで、ラブコメ成分満載のエピソードを収録した今巻。
この他にも技野くん、イマキマキーとそのお友達+技野姉と言う女の園にぶっこまれて買い物につき合わされるエピソードなども用意されていまして、すっかり本作のラブコメ(プラスそれに嫉妬した二人に冷たく扱われる)要因になりつつあるようです!!
さらに吏毘堂も委員長とお近づきになるために図書委員に立候補してみたり、枷井が漫画化になるという野望のため画力向上を図って美術部に入部し、そこで女子の先輩や後輩とちょっと仲良くしたりと、にわかにラブコメ分がアップ!?
パイン頭の女子こと鳳さんも無事表紙を飾ったことですし、次巻はきっと表紙になるであろうてるみんもちょこちょこ登場。
まさかの保健の先生退場、まろ美が体調不良で美少女モードに変身した状態で水議会が繰り広げられたりもしちゃいますし、ごんぼにラブコメの嵐が吹き荒れる……かもしれません!!

とは言いましても、基本はいつものドイヒーなお話がそろっております!
吏毘堂はうんぽぽと再会する羽目になりますし、枷井は小さいほうのおトイレにアレしてしまいますし……
ラブコメ成分もよろしいのですが、なんだかいつもよりもうんうんが多めな気もするまさにカオスな巻に仕上がってもいるのです!!
おまけ漫画に至ってはもう……その目で見てもらうしかないアレっぷり!!
このアレさこそが本作の肝なのだ、とかみしめるのも乙ではないでしょうか!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!