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今回紹介いたしますのはこちら。

「火ノ丸相撲」第2巻 川田先生 
集英社さんのジャンプ・コミックスより刊行です。

さて、小学生時代国宝とうたわれたものの、中学生時代には姿を消していた男、潮。
再出発の場に選んだダチ高は部員1名の弱小で消滅寸前だったものの、潮に感化されて佑真が加わり、三名に!
そして一同は団体戦地区予選に出場し、決勝トーナメントで強豪・石神高校との対戦を迎えたのでした!!


潮がいない中学生の相撲界で、国宝の名を欲しいがままにしていた男、沙田美月。
子供のころからスポーツ万能であった彼が、相撲の道を選んだ最大のきっかけが……何を隠そう潮でした。
鬼気迫る形相で敵を投げ飛ばす潮。
あんな相手とギリギリの勝負ができたとしたら、どんなに……
ですがそうやって上り詰めた頂点には、彼の姿はなかったのです。

そんな美月の今大会、予選リーグ最終戦の相手は大会最重量の170キロを誇る巨漢!
湧き立つ監修ですが、何に沸き立っているのかはその巨漢にもいやというほどわかっているのです。
超巨漢を、国宝がどう料理するか。
その一点だということを!!
取り組みが始まると、すぐに美月の得意の体勢になりました。
相手の腕やひじを掌で押し、動きを制限する必殺の「おっつけ」!
絶大な威力と精度を誇る美月のおっつけは、相手にまわしを取ることを許しません。
相手の廻しをとってからが本領発揮となる「四つ相撲」を自身の型とする潮にとっては、対戦するとなれば子のおっつけをどうするかこそが勝負のカギとなるのは間違いなさそうです!
その美月ですが、対戦相手が最初から勝ち目がないと思って取り組みに挑んでいることを感じ取り、怒りに燃えていました。
本来ならば、このままおっつけだけで勝負を決めることもできたでしょう。
ですが美月はその怒りをぶつけるかのように、必殺技で勝負を決めて見せたのです!!
美月が廻しをとった時に閃く、必殺の上手出し投げ……上弦之月!!
ギャラリーの求めていた通り、巨漢はきれいに土俵の端から端まで投げ飛ばされてしまったのでした!!

潮のいない土俵での、味気ない勝利に飽き飽きしていた美月。
ですが、そんな様子は潮自身も面白くないと思っていたのです。
自分が立っていない土俵の上で、美月が淡々と白星を積み上げていく……
あんたの勝ちは、見飽きたよ!
そんな中学時代の悶々とした思いは、潮の体からは隠しきれず立ち上っています!
決勝大会とはいえ、あくまで地区予選。
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潮から、そして美月から立ち上るさっきからくる緊張感は、そんなレベルでは済まないとんでもないもので……!!
土俵の中央、向き合って蹲踞する両者。
二人の手が、仕切り線についた瞬間……激戦の火ぶたは斬られたのでした!!

立ち合い、両者は真っ向からぶつかり合います。
頭と頭でぶつかり合った結果は、互角!
離れて相撲を取る美月に対し、潮は当然廻しをとりに行く……かと思われたその瞬間!!
潮が選んだのはつっぱりだったのです!!
廻しが取れないって?じゃあいらねえよ!
四つ相撲の潮が、まさかの突き押し!?
驚きを隠せない周囲ですが、この間合いは美月の間合い。
おっつけようと、潮の右ひじに左手のひらを当てる美月ですが、すかさず潮はその手は払います。
そうすると今度は逆の手で左ひじへ押し当てる美月……
やはりこのおっつけは厄介な武器です。
そればらば、と潮が選んだのは……突っ張りの回転を上げること!!
次々と放たれる突っ張り、さすがにこれをすべてさばき、好きを見つけておっつけに入ることはできないはず……
ですが、美月はその突っ張りの中に、力をこめた本気の突きに交じった、手数を増やすためだけの突きが混じっていることを看破!!
その間隙をぬい、体重の乗った突きを捌いてやれば難なく崩せると潮の体制を崩して見せたのです!!
が、潮の鍛えぬいた体は一度のさばきでは崩れません。
すぐ体勢を立て直し、さらに突き押しの連打を繰り出すのです!!

はたから見れば、廻しが取れないゆえの苦し紛れにも見えるその突っ張り。
ですが付け焼刃ではない、基本に忠実な下から押し上げるしっかりした突きはこれが本来の方ではないかというほど堂に入っており相手が美月ほどの実力者でなければこれだけで勝負をつけるほどの威力を秘めています!
さらにほんのわずかなすきでもあれば、廻しをとって決めようと期をうかがってもいるわけで。
その殺気を感じ取り、美月も今一つ攻めに転ずることができずにいたのです。
すさまじい気迫とともに、潮はさらに突き押しの回転数をアップ!!
そしてなんと美月を相手に逆におっつけを刊行して見せました!!
自分の得意技を仕掛けられ、美月は慌ててその手を振り払ってしまいます。
すると自然に払った側の脇があき……すかさず潮は右の仕立をとりました!!
潮はこの瞬間を待っていたのです。
頂点に立つ男を相手に下手をとり。投げ飛ばす……!!
炸裂する必殺の右下手投げ、鬼車……と思われたものの……両者の動きはぴたりと止まってしまったのです。
美月はすかさず、左上手を取り返していて、ぐっと引き寄せて潮の下手投げを防いでいたのです!!
ですが潮にはまだまだ次の手が残されていました。
下手投げを防がれた直後に下手捻りを放つ、鬼嵐!!
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小学生相撲を制したこの技は、高校生になって今さらなる磨きがかかっています。
さすがの美月と言えどこの技には耐えられない。
一度は敗戦を覚悟した美月ですが、潮と戦えたというだけで満足し、敗北を受け入れていいものでしょうか!?
そんなわけがない!!
美月は潮に負けない鬼気迫る表情で左足を踏ん張り、体を残します!!
そのまま今度は上弦之月と対をなす左上手出し投げ、下弦之月を敢行!!
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鋭い切れ味を持つ投げに、潮は血をなめさせられてしまうのでしょうか!?
潮の瞳は、この窮地にもギラリと輝くのです!!


というわけで、盛り上がりを見せる本作。
今までは格下の相手との取り組みしか描写されていなかった潮。
ですが今巻でとうとう、中学相撲の頂点に立ったという名実ともにトップクラスの相手と激突することになりました。
身長の足りない潮が、大相撲の世界に入るためには越えなければならない壁の一つである美月。
果たして潮は早くも立ちはだかったこの巨大な壁を乗り越えられるのでしょうか?
それとも再びその生まれついた身体能力の壁に跳ね返されてしまうのでしょうか……!?
さらにこの戦いを見物しているものの中には、次なるライバルとなりそうな猛者の影もちらほら。
ここで躓いている場合ではない潮、三年間の雌伏の成果を見せたいところですが!?

この後物語は新シリーズへ。
3人では満足に大会にも出られないわけですが、とある事情によって部員を急遽5人にまで増やさなければならなくなってしまうのです。
なりふり構わず部員を増やすだけならば、佑真の舎弟を名前だけでも入部させればいいだけのこと。
ですができればつわものを……いや、せめて自分で相撲をやりたいと言ってくれるものを入部させたいもの!!
潮は部の存続をかけて新入部員を集めようと奮闘するです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!



ちなみにこの記事を紹介した現在発売中の月刊誌「相撲」11月号の「アマ翔る!」のコーナーにて、本作の特集が組まれております。
川田先生へのインタビューを交えた紹介記事は読み応え満点ですので、ファンの方はそちらもお見逃しなく!!