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今回紹介いたしますのはこちら。

「真・女神転生IV DEMONIC GENE(デモニック・ジーン)」第2巻 フクダイクミ先生 
集英社さんのジャンプ・コミックスより刊行です、

さて、ナラクの底、東京にたどり着いたワルター。
力を求めていたワルターは、この地で悪魔をその身に宿しさらなる力を手に入れました。
ですが東京の地で会った、幼馴染のジーナそっくりである女性、ヒルコにこんなことを言われるのです。
すべてをぶち壊して、強いものが好きなだけ変えられる世界を作ろう、と!!


突如、アイツが来た、と天井のほうを見上げて苦しみだしたヒルコ。
アイツとは何なのか?
ヒルコは、自分たちにとっての脅威だというのですが、それでもヒルコは大丈夫だと言って歩き出すのです。
彼女はいきなり、この東京の秩序を力で作り上げている組織、阿修羅会を潰そうと言い出しました。
まずは独裁者を始末しなきゃ、とどんどん進もうとするヒルコ。
ワルターはそんなヒルコが全身から憎悪の感情を発していることが気がかりでなりません。
その阿修羅会ってのが、ヒルコにナニカしたのか……?
そんなことも考えたのですが、どうやらそうではないようです。
ヒルコが憎んでいるのは「秩序」というもの自体。
そんなものはあるから、あたしたちも悪魔も苦しんでいる。
アタシがこんな風になったのだって、人間の欲望のせい。
なにやらただならぬ気配を感じ取ったワルター、彼女の話を続けて聞いてみることにします。
すると彼女は、とんでもないことを言い出したのです。
人間が、悪魔を使って「はるかに高次な存在」を生み出そうとした。
人間は無謀で、残酷なんだよ。
何度も何度も、何度も何度も失敗した。
そうした間違いだらけの掃き溜めから……あたしが生まれた。
そんな呪詛の言葉を漏らしながら、いつの間にかヒルコは体から血液を流しだし……
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彼女の右腕は、おぞましい巨大な肉塊へと変わっていて……!!
血の涙を流しながら、ヒルコは言うのです。
どうしてアイツだけ、もう一人のあたしが、許せない。
……もう一人のあたし……ワルターの脳裏には、どうしてもジーナの顔が浮かんでしまいます。
うろたえるワルターに、ヒルコは手を伸ばします。
あたしの未来は破滅しかない。
お願い、あたしと一緒に来て?

決断を下す前に、二人のいた地下道に悪魔と、悪魔と交戦していた人間がなだれ込んできたこともあり、ワルターはその場を逃げ出すように離れてしまいます。
あれは何なんだ、悪魔を宿した自分もいつかああなってしまうのか?
どうすればいいんだ、誰か教えてくれ……誰か……
闇の中をもがくように、がむしゃらに走るワルター。
その手を取ったのは
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ジーナだったのです!

会うなり泣きはじめ、心配させるなとワルターの胸に飛び込んでくるジーナ。
変わらない彼女に安堵をするワルターではありますが、同時に変わり果てたヒルコの顔も脳裏に浮かんでしまいます。
まさかジーナも、ああなってしまうのか……?
不安に駆られるワルターを心配するジーナは、顔色悪いし、熱もあるみたいだけど……とワルターの額に手を伸ばします。
瞬間、再び脳裏によぎるヒルコの姿。
思わずワルターはジーナの手を振り払ってしまうのですが……それは、ジーナに対する不安や恐怖だけが原因ではありませんでした。
俺は、悪魔になっちまうかもしれないんだ。
……その言葉を口に出すことはできず、なんでもないとごまかすことしかできないのでした。

そんなところに阿修羅会のチンピラたちがやってきます。
ジーナを強引に連れ出そうとするのですが、当然ジーナは嫌がって抵抗。
阿修羅会はイラつくあまり、ジーナの顔を容赦なく殴りつけました!!
それを見たワルターの中に燃え上がるどす黒い感情……!!
気が付くと、ワルターは一撃のもとにチンピラの一人を危めていました。
その体こそ人間のままではありますが、湧き上がった殺意、そして凶暴なまでの力は悪魔のそれそのもの……
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己が身に宿した悪魔は言っていました。
悪魔の本能に、蝕まれていくんだよ。
ワルターの中に広がる不安、そして燃えるような得体のしれない何か……
抱き上げたジーナは、うなされるようにつぶやきます。
行かなきゃ、生まれたところ、覚えてるから。
六本木に、行けば……
ワルターは決意するのです。
そこにいけば、わかるのか。
ジーナと、ヒルコのことが……!!


というわけで、すべての謎が明かされる今巻。
ジーナは、ヒルコは何者なのか。
その謎が明らかになるとき、最後の戦いが始まるのです!!
その戦いは、激しく厳しいもので……
女神転生らしさ、というものには乏しいかもしれませんが、その苛烈な運命と壮絶な戦いは見るものを惹きこんでくれることでしょう!!

戦闘シーンには女神転生らしさが少ないといったものの、物語には相当女神転生をリスペクトした要素が練り込
まれているのも特徴!!
紹介分にもあった、「秩序」が敵だという言葉は、原作で「秩序(ロウ)」と敵対する「混沌(カオス)」側に立つワルターたちにぴったりのセリフです。
さらにこの後繰り広げられていくのは、原作シリーズで脈々と描かれている「天使VS悪魔」の構図をとっていまして……
ハードな世界観に惹きこまれる本作ですが、シリーズのファンならばより一層楽しめるであろう内容となっているのです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!