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今回紹介いたしますのはこちら。

「囚人リク」第20巻 瀬口忍先生 
秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。

さて、数々の困難を潜り抜け、何とか脱獄の準備を終えたリクたち。
決行の日は間近に迫り、一同はその決意を固めていくのでした!


決行の夜はやってきます。
看守が夜の見回りを終えた直後、跳ね起きるリクたち!!
次々と入念に練習した手錠はずしを行い、手筈通り天野にパス。
松尾が隠していたロープを取り出し、レノマが窓の格子を取り外して江田とともに真っ先に資材庫に降りる……
はずだったのですが、そこで早くも予定外の出来事が!!
江田の手錠が、まだ外れていなかったのです!
時間との戦いであるこの脱出作戦、こ庫で少しでももたついてしまえばそれが命取りになりかねません。
そこで松尾が知ろうを後ろから羽交い絞めにして、両手を胸の前で拝むような形で固定。
その腕ごとレノマが蹴っ飛ばすことで、強引に腕輪を外したのでした!

レノマ、江田、周龍、松尾、そしてリクは資材庫へ。
すぐに作戦の要であるハンググライダーの準備に取り掛かります。
そしてその準備を行っている間に、房に残っている天野と椿に最初の重要な仕事が任されるのです。
まず布団に、きちんとそこに人が寝ているように見える張り子の頭を設置。
再びやってきた見回りの看守を安心させたうえで、今度は天野がうめき声を上げます。
となれば看守も声をかけないわけにもいきません。
そこで天野は自らの手の甲に噛みついて血を流し、それを顔に塗りたくって重病を装い、看守に助けを求めました!
普段ならば、適当な看守にあたったりすれば朝まで我慢しろとないがしろにすることも考えられるところです。
ですが今は視察委員が来ているため、劣悪な環境と判断されてしまってはいろいろめんどくさいことになる、と看守も理解していまして。
視察委員が来ているということが、ヘリを奪うという目的以外にも良いほうに転がったというわけです!
慌てて中に入ってきた看守を、死角に潜んでいた椿が一閃!!
騒ぐ間もなき意識を奪い、キーを奪取!
別房の沢田と田中を迎えに行き、資材庫に集結したのです!!

そして早くもこの作戦、最大のポイントにたどり着きます。
長い飛行台を資材庫の窓から突き出し、命の綱ともいえるロープを結んだ陸がハンググライダーで決死の飛行……!!
ハンググライダー之本も何度も読んだし、イメージトレーニングもたっぷりと行った。
できる、俺はできる!
ぶっつけ本番の空中飛行。
失敗すれば待っているのは自身の死だけでなく、同房の皆の加刑、残るのはおじさんの無念だけ……
自分を鼓舞し、行ってくる、と言い残して駆けだすリク!!
ためらいなく、雄たけびとともに代から飛び降りるのでした!!

極楽島刑務所が超高層なことに加え、今日は強風が吹いています。
それが合わさって相当な風にさらされるリク、とたんに下へと落下していってしまいました!!
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こんなに風があるのに、何で降下してるんだ?
まさか故障!?嘘だろ!?
もはやリクの頭はパニック!
田中はその姿を見て、祈りにも似た激励の言葉を投げかけるのです。
そうじゃないだろ、思い出せ、リク。
以前田中がリクに対して行ったドバイス、それはこんなものでした。
慣れない高所の景色に驚き、吸い込まれるような錯覚に陥ることもある。
そうなると状態が前のめりになり、期待の先端が下がる。
するとと翼は揚力を失い、下降する……
上げろ、もっと顔を上げろ、胸を張れ!!
腕を伸ばし空を見ろ、前を見ろ!!!
……田中の思いが通じたのか、土壇場でリクはそのアドバイスを思い出すことができました。
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グライダーはぐんぐんと伸びていき、あの忌々しい壁を乗り越え……そして、待ってくれていたレノマの仲間たちに合流!!
手筈通り、かく乱のため必要な手錠の移動をお願いすることに成功!!
この後しなければならないのは、リクを引き上げ、全員がダクトから脱出、そして看守の服に着替えて屋上のヘリを目指すこと。
このあと看守巡回に来るのは7分後。
それまではまだある程度の余裕があるため、粟田図に引き上げれば大丈夫なはず……
ですが、好事魔多しとはよく言ったもの。
間もなく引き上げ終わるといったところで、リクを支えていた滑車が壊れてしまったのです!!
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ひもはリク自身に巻き付けられているので、幸いにも落下死ということにはならないかったものの……宙づりになってしまったリクを、滑車の力なしで引き上げるのはどうしても時間がかかってしまいます!!
そうこうしている間にも、残り予定時間は2分……!
このままでは。看守の見回りがやってきてしまいます。
早くもピンチとなってしまった脱獄作戦、果たしてこのいきなりの大ピンチを逃れることができるのでしょうか!?


というわけで、いよいよ脱獄作戦が始まった本作、
今までの長い長い脱獄計画準備が、いよいよ実を結ぶときがやってきたのです!!
ですがその脱獄は、予想していたよりもはるかに困難で……
器具の故障というトラブルによって早速起きてしまったトラブルですが、一同はまずこれを乗り越えなければいけなくなってしまいました。
もちろんこれを乗り越えたところで、まだまだ困難は待ち構えています。
無事看守に紛れ込むことができるのか?
無事ヘリポートまで言ったところで、ヘリを奪い取ることができるのか?
そして、獅子身中の虫である沢田はどこまで大人しくしているのか……?
しかもこの難攻不落の極楽島刑務所には、数多くの警備が目を光らせています。
その中には、普通の人物ならば気が付くことなどないであろう僅かなほころびを見逃さない切れ者が紛れ込んでいるかもしれません!
いったいこの脱獄作戦はどんな展開となっていくのか?
すべてが計画通りに進むことなどありえないだろうこの作戦……一瞬たりとも目が離せませんね!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!