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今回紹介いたしますのはこちら。

「絢爛たるグランドセーヌ」第3巻 Cuvie先生 
秋田書店さんのチャンピオンREDコミックスより刊行です。


さて、天才バレエ少女、栗栖さくらと出会い、売り言葉に買い言葉とばかりに勝負することになってしまった奏。
次のコンクールに出て、成績が下回ったものは「楽しく踊ろう」コースという、バレエ未経験者の子供向けのレッスンを受講しなければいけない、という条件まで付いてしまいました。
そんな緊張の中で行われた、予選大会。
とうとう奏の出番が回ってきたのですが……!?


出番が回ってきた奏。
踊りが始まるなり、奏は彼女が苦手なはずの内回りの旋回を行います。
それもどうしたことか、さっき始まる直前に練習しただけのはずのダブルで!
音にも遅れず踏みかえて外回り。
それにしてもひやひやさせる……と、奏たちの指導をしている滝本先生は演技を見守っていたのですが……
そこで違和感に気が付きます。
いや、滝本先生だけではなく、奏の演技を見ていた者すべてがその違和感を感じ始めました。
奏が踊っているのは、コッペリアを誘う女性、スワニルダ。
ですが奏の踊りは、
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まるで色目を使って誘惑するかのような、スワニルダらしいとはとても言えない踊りだったのです!!
審査員たちには思わず吹き出してしまうものがいるほどそれは滑稽で。
自由な発想で踊るのはジュニアならではの特権なのかもしれませんが、これはあんまりにも……
スワニルダはキャラクター上、婚約者のフランツにすらそんな態度を取ることはないでしょう。
これではまるで、王子を誘惑する「白鳥の湖」の御ディールのようではありませんか!
そんな演技を見て、奏の友人である証拠は気が付いていました。
直前に見た、さくらの踊りに影響を受けて引っ張られてしまったことに!
桜に引っ張られたことが幸いとなったのか、技術的なミスはしていません。
ですが、このスワニルダらしからぬスワニルダを見て審査員がどう感じるか、が最大の問題で……

奏が正気に戻った時は、もう音楽が止まった後でした。
自分が何をどう踊ったのかすら覚えていない奏、舞台そでで待っていた滝本先生に、素直に自分の踊りはどうだったのか、何も覚えていなくて……と慌てて尋ねたのですが……
帰ってきたのは、滝本先生の何とも言えない、返答に困っている微妙な表情だけでして。
その態度を見て、きっとひどい出来だったんだ!!と奏は大ショック!!
おそらくミスはしてないけど、覆った内容を何も覚えてない、こんなことは初めてだ。
ぶつぶつ言いながら控室へ向かっていますと、向かい側からさくらが歩いてきました。
彼女はすれ違いざまにこんなことを言ってきました。
見てたよ、あなたの演技。
今日は楽しい踊りっていうか、面白い踊りだったね。
じゃ、また、決選で会いましょう。
「面白い」ということは、笑えるってことじゃないか?
それじゃだめだ、絶対落ちた……!!
奏はがっくりとその場に崩れ落ちてしまうのでした。

帰りの車の中で、落ち込み放題に落ち込んでいる奏は翔子に決選頑張ってきてね、と激励の言葉を投げかけるのがやっと。
翔子も、役の解釈がちょっとおかしかったくらいで、奏も大丈夫だって……多分、とフォローを入れます。
翔子は翔子で、わずかな失敗を気にして自分のほうが落ちてるかもと心配しているようです。
特にトウシューズの音が人よりもカツカツ大きく音が鳴っていたのが気になっているようで……
とはいえ、滝本先生がひいき目抜きで見ても翔子の実力は参加者の中で上のほう。
そのミスが響いたとしても、他の要素で十分予選通過に達するでしょう。
ですが奏は別です。
スワニルダがどういう厄化、しっかり考えたほうがいい。
人のまねをするのも今の時期にはいいかもしれないが、役柄の魂の部分まで人のまねじゃ、あなたが躍る意味はない。
決選では、桜を逆に呑み込むような踊りをよく考えなさい。
……その言葉で思い知らされます。
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自分は、栗栖さくらに丸呑みにされた。
まるで勝負にすらなっていなかった、と……!
まざまざと見せつけられた現実。
奏の瞳からは、とめどもなく涙があふれ出てくるのでした。

一人で練習をしている奏は、自分のしでかしたことを振り返ります。
まるで恋人を誘うようにっぺりあを誘ったスワニルダ、もしコッペリアが人形でなくて人間だったなら、ドン引きしてきっと降りてこない。
自分のせいで、変な奴になっちゃったスワニルダがかわいそう。
決選にはきっといけない、だけどちゃんと踊りたい。
演じられるようになりたい、スワニルダを、私の踊りで!!
そう考えて必死に練習を続ける奏。
そこに翔子がやってきて、予選の結果を教えてくれました。
……奏は自分がしでかしたことへのマイナス感情ばかりで、いろいろと聞こえていなかったのです。
さくらの言った、また決選で会いましょう、という言葉。
滝本先生の、決選では桜を飲み込むような踊りをしろというお説教。
……奏の周りの実力者たちは、誰一人奏が落ちるとは思っていないことを!!
そう、
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合格者の名前の一覧には当然のように奏の名前があったのです!!!

翔子と奏は気合を入れなおします。
今度こそ、あのさくらに一泡吹かせる!!
現時点での実力に大きな開きがあるであろうさくら。
二人はお互いを磨き合い、さくらを倒す(?)ことができるのでしょうか!?


というわけで、何とか予選を突破した奏。
非常に漫画の主人公らしい、ひたむきな思いとたゆまぬ努力、そしてラーニング能力を備えた彼女ですが……
そのラーニング能力が今回は良いほうにも悪いほうにも出てしまうことになりました。
ですが物事の上達には、物まねというのは早道になりうるもの。
ラーニングすることによって地力をつけ、そこからさらに高い次元に行くことができれば何の問題もありません!!
身も心もトレースしてしまうほどの高純度ラーニングを持っている奏が、これからどのようにステップアップしていくのか?
そして彼女とともに研鑽をしていくことになる翔子は?
国内トップの高みに立つさくらの演技は……?
運命の決選は、早くも決着することになります!!

しかし物語は、単なる決着では終わらない思いがけない展開へ。
戦いを終えたさくらと奏、その二人の間に起きる変化とは?
さくらの抱えた想いなども明かされ、物語はさらなる新展開への準備を進めていくことになるのです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!