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今回紹介いたしますのはこちら。

「野球部のヒロコせんせい」第1巻 ムラタコウジ先生 
小学館さんのビッグコミックスより刊行です。

ムラタ先生は古泉智浩先生のアシスタントを務めながら、12年にマンガonウェブさんのネーム大賞で佳作を受賞。
その後13年に小学館さんやコアミックスさんの漫画賞を受賞し、14年に本作の連下敷きとなる読み切りを発表後、連載作品に!
この度めでたく第1巻発売となりました。

さて、本作はそのタイトルから想像できる通り、野球部とヒロコ先生を中心にした作品です。
今はやりの部活物の日常コメディ、と言えばそうなのですが、主役はあくまでヒロコせんせい。
いろいろな意味でアレなヒロコ先生、野球部の面々とどんな日常を過ごすのでしょうか!?


学校の屋上に、数名の生徒がたむろしておりました。
タバコをくゆらせながら、漫画を読む彼ら。
いわゆる不良と言うやつなんですが……そんな彼らのもとに、突然現れた女教師!!
はいストップ!タバコと漫画は没収よ!!
きっぱりとその反社会的行為(?)を咎める彼女こそヒロコ先生!
……なのですが、生徒の皆さんは何だヒロコ先生か、と見つかったのが彼女であることに安堵している様子。
どうやら彼女、生徒にはぜんっぜん恐れられていないようです!
とはいえ、やることはやります。
漫画と煙草を没収したヒロコ先生、今日は黙っといてあげるから、もう持ってきちゃだめだからね!と優しくしかって立ち去ろうとします。
そんな彼女に、生徒たちのうちの一人がこんな質問を投げかけてきました。
ヒロコ先生は、その質問をして来た男子を手招き。
素直にそれに従いますと、ヒロコ先生は男子の額をこつんと軽くたたいてこう叱るのです。
大人をからかうんじゃないの!
そんな彼女の対応に、男子生徒はちょっぴり胸をときめかせるのですが……

教員用の喫煙室。
そこでヒロコ先生は、
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完全にだらけきっておりました。
生徒から没収した漫画を読みながら、生徒から没収したタバコで一服……
さらに満面の笑顔で、最高!とご満悦。
そんな姿を見て、一緒に喫煙室で休憩していた養護教諭の杉木先生は流石に一言言わずにはいられませんでした。
生徒から取り上げたタバコと漫画?ばれたら問題になるぞ?と。
自分のタバコ代が節約になる……と言う本音をさらけ出しつつも、返すわけにもいかないし、捨てるくらいなら擦ったほうがいいと思う、と言い訳をするヒロコ先生。
ですがだんだんと本性を現していきます。
しかし最近の生徒はませてますよね。
神聖な学内でいちゃついたり、おまけに生意気にも「男いんの?」と聞いて来たり……
そんな質問をされるのも人気がある証拠じゃない、となだめようとする杉木先生ですが、ヒロコ先生の怒りはそのまま最高潮に!!
うるせーわ!彼氏なんて8年いねーわ!とうつろな目で叫びながら、テンション任せに手にしていた漫画を破ってしまうのでした!!

放課後。
定時じゃ定時じゃ、とそそくさ帰ろうとしたヒロコ先生を、何者かの呼び声が引き留めます。
呼び止めたのは教頭の北島先生。
さすがに無視して帰るわけにもいかず、呼ばれるままに行ってみると……差し出されたのは、以前提出した「部活動顧問希望調査」でした!
ヒロコ先生が記入した内容は、第一希望「きたく部」、第二・三希望は「とくになし」、とだけ書かれたやる気のかけらも感じさせないもの……
ひょいと覗き込んだ杉木先生も、これはひどいと漏らさざるを得ないその内容。
北島先生は、じゃあヒロコ先生の希望に一番近いクラブは……と、独断でヒロコ先生が顧問する部活を決めてしまいました。
それは……
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野球部!!
どう考えても帰宅部に近いとは思えない部活ですが、もう決まってしまったといった感じで北島先生は受け入れません!
ヒロコ先生は最初何とかして顧問ではなくなろうとするのですが、そこで杉木先生が囁くのです。
サッカー部の顧問をやっている、イケメンさわやか教師・熱岡先生。
ヒロコ先生もちょっぴり気になっている彼が、サッカー部の顧問はしているものの、毎年甲子園に足を運ぶほどの野球好きらしい。
顧問を引き受ければ、話題も増えて距離が縮まるのではないか……?
……ヒロコ先生、結局引き受けるのでした!!

ドキドキしながらやってきた、野球部の部室。
意を決し、ドアを開けてみるとそこには……
見るからにやる気のない男子生徒が数名、お菓子をつつきながらゲームをやったり漫画を呼んだりして……だらけているではないですか!!
しかも野球部に一人はいるというぽっちゃりキャラの割合がやたら多いですし……!!
野球部員も、せっかく顧問が来たし指導してもらおうか、という流れにもなってきたのですが、そもそもそれはヒロコ先生がもっともやりたくないところ!!
適当な始動をしてさっさと部室に戻ってきてお茶を濁しちゃうのです!
なんとなく部員達もヒロコ先生にやる気がないのがわかったのでしょう。
たくさんいるぽっちゃりキャラのうちの一人が提案してきます。
じゃあ、ゲームでもしませんか?
……ヒロコ先生は少し考えた後……やりたい!と答えちゃいました!!

1時間後、そこにはすっかりくつろぎながら部員達とゲームに興じるヒロコ先生の姿が。
ヒロコ先生はすっかり本性を現しておりまして、部員を背もたれにしたり足置きにしたりともうやりたい放題。
部員からしますと、いきなり我が物顔でくつろぎだす彼女に腹が立つ……どころか、もてない彼らにとって女生徒密着した状態になれることに興奮しきりなのです!!
しかも彼らは、ヒロコ先生の膝の上に乗っかったあるものを見つけてしまい、興奮は最高潮に……!!
それは、
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短い短い、縮れた毛のようなもの……!!
あまりの出来事にショックを禁じえない一同!!
女性との触れ合いなどほとんどしてこなかった野球部の前に現れたずぼらな女神。
果たしてこのだらけきった野球部に、どんな変化が訪れるのでしょうか!!!


というわけで、ヒロコ先生と野球部の面々の緩すぎる日常を描いていく本作。
最初こそまだ生徒たちの前では真面目に仕事をしているそぶりを見せていたヒロコ先生ですが、お話が進んでいくにつれてどんどんそのダメな部分ばかりがクローズアップされていきます!!
喫煙室でだらけるだけならばまだしも、夜のプールに忍び込んで野球部の面々とはしゃいでみたり、仕事をほっぽり出して眠って見たり、挙句の果てには空き教室で寝袋で寝てみたり……
教師としてはもうどうしようもないくらいにダメ教師なのですが、その無防備さやコミュ力の高さ、なんだかんだと可愛らしい容姿もあってうまいこと乗り切ってしまうのです!
そんな彼女のダメさ加減が癖になること間違いなし!!

そして忘れてはならないのが男キャラの皆さんたち。
野球部の部員たちのどーしようもなさはもうなんとなくお判りでしょうが、彼らの中でまだ野球にちょっとだけ未練がある部員の小森がそれに輪をかけてダメだったり。
さらに隙のないさわやかイケメンかと思われていた熱岡先生も、なんかとんでもない爆弾発言をしちゃいますし……!!
ヒロコ先生のダメさ加減が最大の魅力である本作ですが、他のキャラクターのあれっぷりも注目ですよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!