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今回紹介いたしますのはこちら。

「刃牙道」第4巻 板垣恵介先生 
秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。

さて、かの宮本武蔵と邂逅を果たしたバキ。
さっそく開戦となった二人ですが、なんとバキのけり足は武蔵によって難なくキャッチされてしまい、すさまじい勢いでそのまま地面にたたきつけられてノックアウトさせられてしまったのでした!!


ご老公の家で目を覚ましたバキは、先ほどの戦いを反芻していました。
なすすべなく、完敗を喫したバキ。
いやぁ、強いのなんのって、勝負にもなっちゃいないや。
と、そこまで振り返ったところで、バキはやっと今戦った男の「ありえなさ」に気が付き、はぁ!?と自分自身にツッコミを入れ始めます。
今立ち会った男は、自身の本能が本物の「宮本武蔵」であると言っている。
だが、宮本武蔵は数百年も前の剣豪。
今の虎の現代日本に、いるはずがない……!!
理屈に合わない男、そして確かに残る自身の体の痛み。
そのモヤモヤを払しょくするため、バキはもう一度あの男にあいたいと部屋を飛び出すのでした!!

外に出ると、すぐそこにいたご老公と武蔵。
それは実にいいタイミングで、武蔵はこれからトレーニングをするところだというのです。
用意されていたのは、庭から切り出したばかりの孟宗竹数十本。
武蔵はその切り出したばかりの青竹を、一振りでささら(茶筅みたいな感じの掃除道具)にするというのです!
武蔵は両手に竹を握りしめます。
そしてバキを片手でたやすく振り回したあの握力と腕力で……
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竹を二本同時に振り下ろしました!!
その一振りで、竹はまるで最初からそうだったかのように、竹ひごの束の用の姿へと変わってしまいます。
そして武蔵は用意された竹を、無造作に、何本も何本も同じような姿へと変えていって……
ごく当たり前のように、尋常ならざることを次々とやってのける武蔵を見たバキは、思わずこんなことを口にしてしまうのです。
それは、何の為の稽古ですか?
勝利へ向けてのものなら……俺と勝負したほうが稽古になる。
……あの宮本武蔵を前にして、その稽古が無駄だとでもいうような物言い!
そんな無礼な言葉を受けた武蔵は……こう返すのです。
お前は死んでいるではないか。
武蔵の攻撃によって30分ほど気を失っていたバキ。
その間、武蔵がその気になれば何回殺すことができたのか……?
勝負とはあくまで、命の取り合いだと考えている武蔵。
そんな自分とは一段上の意識を持っている武蔵の前で提案した、愚かなリターンマッチを、バキは恥じるしかなかったのです。

ですがなんだかんだ人格もよろしい武蔵さん、バキに青竹を差し出してお前も振ってみるかと提案してきました。
お前が降るのを見てみたい、と言う武蔵に、バキが返した答えは
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蹴りで竹を切断するというまたも挑発的な一発!
しかも比較的もろい(それでも十分堅いですが)中が空洞の部分ではなく、節の部分も含めて斜断したその蹴りは、先ほどキャッチされてしまった蹴りよりも数段速く。
さすがの武蔵もその鋭さに驚嘆します……が、甲はっきりと断言もするのです。
迅い、が、「武」ではない。
その衝撃の発言にショックを隠せないバキ。
そんなバキをしり目に、武蔵は見聞を広めたいから一人で出かけるととんでもないことを言い出すではないですか!!
武蔵が一人で街に出れば、トラブルが巻き起こるのは火を見るより明らか!
ですが塔の武蔵本人は、子供じゃないんだから何が問題なんだという感じでして……
そこに口をはさむのはバキです。
外出は無理だ、あんたは出かけらんねえよ。
甘いよ、幾度だって殺せたのに、とどめを怠った!!
そう言うが早いか、バキは目にもとまらぬスピードで、現代格闘技最高の技を繰り出したのです!!
どんな強力な必殺技でも、相手に繰り出すことが知られていれば避けられてしまいます。
ですがこの技に関してだけは話が別。
来るのがわかっていても避けられない、どんな歴戦のぐらっぷらーであろうとも、その技だけは食らうことを前提としていなければならない……その最高の技とは……ジャブ!!
俺のは閃光より迅いぜ!!
そう豪語するバキのジャブは的確に武蔵の顎をとらえました!!
そして……あの武蔵が……
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片膝をつき、ダウンを喫したのです!!
武蔵が完全に戦闘態勢をとれない、意識を飛ばしていた時間……10秒ほど。
幾度もってのは無理でも、3回ぐらいなら殺せてたぜ。
これ以上ない、反撃ののろし!!
バキVS武蔵、第2ラウンドに突入です!!


というわけで、あっさりと破れてしまったバキが再び武蔵に戦いを挑む今巻。
勇次郎の次に強ければいいとおっしゃっていたバキさんはどこへやら、目の前に現れた最強によって投資が掻き立てられてしまったご様子です!
なんだかんだ言って、「史上最強」の座が欲しくなったのでしょう、以前のようなハングリーさを取り戻しつつあるようです!!
とはいえ本シリーズの軸は紛れもない宮本武蔵。
ここでバキがあっさり勝つことはもちろんないわけで……
史上最強の座を狙うのはバキだけではありません。
言いようのない退屈に、欠伸を催していた闘士たち。
その欠伸を止めた紛れもない最強を目の前にぶら下げられ、彼らはもういてもたってもいられなくなっているのです!!
ざわめき立つ戦士たち、彼らの中で次に武蔵の前に立つのは!?
興奮の対決はまだまだ続いていくことでしょう!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!