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今回紹介いたしますのはこちら。

「漫専魔王少女エナ様」第1巻 横山知生先生 
スクウェア・エニックスさんのガンガンコミックスより刊行です。

横山先生は10年頃からスクウェア・エニックスさんの雑誌を中心に活躍されている漫画家さんです。
代表作は「私のおウチはHON屋さん」。
初連載作品から3年間、全8巻にわたる連載をした人気作となりました。

さて、本作は異世界から来訪者が現れ、主人公と同居生活を送るというタイプの作品です。
相当な数存在するこのジャンルの作品、そのカギはやはり来訪者が何者で、何をしに来たか、というところでしょう!
本作の来訪者は果たして!?


グレンガルド。
この世界は、数千年の長きにわたって魔王の支配を受けていました。
理不尽な圧制、戯れに一国を亡ぼす非道な行い。
世界はまさしく絶望に包まれていました。
現在圧政をしいている魔王は、第666代目……女性である、フィエナリーアでした。
ですが彼女の顔はいつも不満そう。
人類がおびえているのはあくまでこの世界を始めて支配した初代魔王の威光。
人類が恐怖し、おびえてすくみあがる。
そんな状況を、自分自身で作り上げたかったのですから!

南西のほうで勇者と名乗るものが魔王軍と小競り合いをしている、という報告を聞いても彼女の顔は曇ったまま。
たまにそう言う身の程を知らない輩がいる、どうせ何もできないふぬけだから放っておけと言うのです。
毎日毎日繰り返される、退屈な日常……
彼女はとうとうそれに我慢できなくなり、あるアイテムの封印を解いてしまったのです!!

自分の力で世界を制覇したいのならば、「別の世界」を制覇すればいい!
そう考えた彼女が封印を解いたアイテム、それはどこかもわからない別世界に飛ばされる「次元移動鏡」でした。
止める部下の声も聞かず、異世界への扉をくぐる彼女……!
瞬く間に転送された先は……そう、地球だったのです!!

日本の某所にある、漫画専門学校。
そこの生徒である健斗は、同じクラスの皆と先生に作品を見せて感想を言ってもらう、寸評会に挑んでおりました。
が、クラスメイトからの評価はさんざん……
健斗は男子トイレにひきこもり、落ち込み放題落ち込んでおりました。
二日も徹夜してまで描き上げたのに、あの酷評……
疲れがどっと出た健斗は、ダメもとでどこかの漫画賞に応募し、次回作を描こうと決意します。
個室から出て、洗面所で手を洗っていると……そこに備え付けられていた鏡から
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女の子がずるりと姿を現したではありませんか!!
あの、異世界制覇の野望を秘めて地球にやってきた、魔王です!
魔王はちゃんとそのことを健斗に説明してあげたのですが……彼女の素性など知るはずもない健斗が信じるはずもなく。
鏡から出てきたのも疲れからくる錯覚だと思い、その奇抜な恰好は声優科か何かの子が役作りのためにしているコスプレだと考えます。
そんな行動……魔王からすれば恐怖を与える対象が無礼な物言いをしているようにしか見えないわけで。
次の瞬間、
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健斗の右腕は、跡形もなく消し飛んでしまったではありませんか!!
まさか世界を亡ぼしに来た魔王と言うのは本当だったのか……
大量の失血によって、急速に失われていく意識の中、健斗はつぶやくのです。
せめて、この漫画を投稿するまで、待ってほしかったな……

確実に健斗は死んだはずでした。
ですが、なぜか意識を取り戻すと……魔王が、健斗にくちづけをしていたのです!!
絶対に自分は死んでいたはず。
そもそも、右腕はさっき消し飛ばされて消失したまま無くなっていますし……
ですが、あって当然なはずの激痛もありません。
意味がわからずとまどっている健斗に、魔王はこんなことを言い出すのです。
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この漫画とやらの続きはどうなるのだ?と!

彼女は健斗の最期になるはずの言葉を聞いて、あっちの世界にはない「漫画」に興味を持ったようでして。
読んでみた健斗の漫画にいたく感動してしまったようなのです!
クラスメイトに古臭いと笑い飛ばされた、バナナの皮で滑って転ぶという描写を傑作だと大笑いし。
悪役キャラを見ては、自分よりも悪いやつが存在しているとは思わなかったと歯ぎしりをし。
主人公とヒロインが結ばれるラストを見て涙を流して感動し……
続き読みたさに、自らの血を分け与えて健斗を魔族として生き返らせたんだとか!!
……酷評しかされたことのない自分の作品がほめられる。
あんなことを相手だというのに、健斗は言いようのない嬉しさを感じてしまうのです。
ですが、魔王は健斗が右腕を失ったことで、漫画を描けないと知るや否や、能無しは死んでいいともう一度殺そうとしたではありませんか!!
そこで健斗は苦し紛れにこんな提案を口走ります。
じゃあ、自分の代わりに貴方が漫画を描くっていうのはどうでしょう!!
……以外にも、魔王は食いつきます。
余に描けるのか?こんな面白い漫画が?
ここぞとばかりに、ここはそのための学校で、教えてもらえば絶対描けるようになる、と押していく健斗!
すると魔王は……決心したようです。
人間ごときにできて、余にできぬはずがあるまい!!
……こうして始まったのです。
世界の滅亡か、はてしないその道を歩み続けるか……
魔王、エナ様と健斗のまんが道が!!


というわけで、魔王とともに漫画の腕を磨いていく本作。
この魔王様、実は意外に絵心があったりしまして。
しかもさすがはあっちの世界の人間をたやすく支配する魔王様、ハイスペックぶりを発揮してどんどんと成長していくのです!!
が、少しでも機嫌を損ね、漫画道から外れでもしたら即人類は恐怖のどん底に突き落とされることでしょう。
健斗は何とかうまいことなだめすかしながら、彼女を操縦していくことになるのですが……?

本作、そんな背景を持っておきながらアブコメの色が非常に強くなっています。
自分に大きな感動を与えてくれた健斗を、エナはどうしても特別視してしまい初めまして。
そしてそんな彼に世話を焼いてくれる女子のクラスメイトや、漫画の主人公らしく起きるちょいエロスイベントも起き、エナは感じたことのないモヤモヤした感情を感じてしまうのです!
さらにクラスメイトには、ひそかに健斗に思いを寄せているっぽいキャラも……?
そんなこの物語に、さらなる女性キャラの影もちらつき始めるのでさぁたいへん!!
果たしてこの、世界の命運までかかったまんが道はどこへつながっていくのでしょうか!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!