gz0
今回紹介いたしますのはこちら。

「グラゼニ」第17巻 原作・森高夕次先生 漫画・アダチケイジ先生 
講談社さんのモーニングKCより刊行です。

さて、流されるままメジャーに挑戦することになった凡田。
同じ日本人であるウエハラや、メジャーの現役レジェンド・ボビーなどに目をかけてもらい、慣れないアメリカのマウンドにもなじみ始めました。
マイナーからメジャーに上り詰めるための足掛かりに編み出した、「曲がりすぎるカーブ」。
これがズバズバと決まり、凡田は好感触を得るのですが……?


紅白戦も上々の結果を残した凡田。
そんな凡田のもとに、わざわざ所属する球団、ブルーソックスの監督が尋ねてきてではないですか。
監督は凡田の肩に手をかけ、こう声をかけてきました。
gz1
お前、オープン戦はちょっとA組に入ってみろや!
……A組に参加するということは、メジャーリーガーを相手に勝負をするグループに入るということ。
つまり監督は、凡田を「使えるかもしれない」と判断したということ!!
ここで結果を残せば、メジャー昇格もグッと近づくわけですが……!?

はじまったオープン戦。
ブルペンでは、凡田とウエハラが並んで投げておりました。
あの雲の上の人だと思っていたウエハラと並んで、ブルペンで投げている!
切れまくるウエハラのスプリットを横目に、凡田は興奮を抑えるのです。

3対2で迎えた8回。
凡田がマウンドに上がり、9回にウエハラにつなぐ。
そして、逃げ切る……!
gz2
見事につながったこの日本人リレー。
監督たちもこのパターンに手ごたえを感じ始めているようです!
その後改めて試されたこの日本人リレーはまたも成功。
実績のあったウエハラはともかく、凡田がここまでやるとは思わなかった、面白い存在になってきたと監督たちもニンマリ。
ファームディレクターの目から見ても凡田は十分以上に活躍していまして、いまだにマイナー契約のままだなんてどうかしているとまで評価していました。
これも凡田の実力……はもちろんのこと、支えてくれた人あってのこと。
その一人である、通訳として同行した後輩の持田の頑張りも忘れてはいけません。
ファームディレクターは、球団も馬鹿じゃない、じきに何か言ってくるさと持田をねぎらい、握手を交わしました。
……その時、ディレクターは気づいたのです。
持田の左手が、パンパンに腫れ上がっていることを!!
その原因は、凡田とのキャッチボールにありました。
メジャーのキャッチャーは比較的「ピッチャーが気持ちよく投げれる配慮」をしないのが普通なんだそうで、キャッチ時平気でミットを流してしまうんだとか。
日本のキャッチャーはしっかりと受けたところでミットを止め、いい音を立ててくれるのです。
持田もそれにならっているわけですが、元高校球児とはいえ今はただの素人。
少しでもいい音を立てるために、ミットのワタをすべて抜き取っていたのです!!
gz3
高校時代は、持田が凡田に球を受けてもらったこともあった。
自分は、「上でやる人」を間近で見れた!
それが幸せ、こうして左手がはれ上がらせてまで頑張るのが幸せな業務なんだ。
凡田もそんな持田の想いを知り、思わず目頭を熱くするのです……!

そんな順風満帆な凡田ですが……なんだかよからぬ動きも見えてきました。
昨年引退した超大物ピッチャー、レジー。
彼が1年間のブランクを経て、ブルーソックスで復帰するという噂が一気に現実味を帯びてきたのです!
ブランクがあるとはいえ、引退したとしでも言うことのない成績を上げていたレジーですから、復帰してすぐにでも10は貯金を積み上げるのではないかと見込まれています。
となれば、先発ピッチャーのローテーションが一人押し出され、先発組から経験のあるピッチャーが中継ぎにまわされるでしょう。
すると、ただでさえ狭き門だったセットアッパーの座席が一つ減ってしまうのです!!
問題はそれだけではありません。
一度引退したとはいえ、億の金が動くのは確実。
となれば、コストカットのために選手の首を切る必要も出てきて……!
……凡田はオープン戦、5試合登板して失点ゼロ。
これ以上ない結果を残してはいるのですが……
果たして凡田は、アメリカでグラウンドの銭を掘り起こすことができるのでしょうか!?


というわけで、メジャー編も佳境となる本作。
いよいよ開幕も近づいてきた中、凡田は……?
実力を完全に開花させ、メジャーで活躍する青写真も見えてきた中で巻き起こったこのレジー復帰騒動。
凡田の、持田の苦労は報われるのか、ウエハラやボビーの協力に応えることができるのか?
メジャー編、最後の最後まで目が離せません!!

そして本作らしい「ゼニ」の、プロ野球の裏の話題で今巻は締めくくられます。
メジャー編は一区切り、そしてこの「グラゼニ」も完結してしまいます!!
が、物語がここで終わるわけではありません。
本作の最後で凡田には大きな激動が訪れます。
その激動の時を乗り越えたその先を描く、「東京ドーム編」がすぐに開幕!!
単行本も本巻と同時に発売されています!!
凡田が何故東京ドームのマウンドに立つことになるのか?
その大事なつなぎとなる完結巻、クライマックスのらしくない凡田も含めて必見ですよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!