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今回紹介いたしますのはこちら。

「ワールドトリガー」第9巻 葦原大介先生 
集英社さんのジャンプ・コミックスより刊行です。

さて、ネイバーの侵攻に立ち向かうボーダーたちの戦いを描いているこのシリーズ。
迅のサイドエフェクトによって導き出された最悪の過去、修の死亡を回避するために様々な人物が奮闘しています。
そんな戦いの中、千佳がキューブ化されてしまい、修は千佳をネイバーに渡すまいと基地を目指したのですが!?


基地内に侵入してきた人型ネイバー、エネドラ。
変幻自在のブラックトリガーを使い、凶悪なまでの破壊力で次々にボーダー隊員を倒していきます。
訓練室におびき寄せることで状況を好転させるネイバーではありますが、それでもエネドラの力はすさまじく……
そこでエネドラの前に立ちはだかったのが、本部長の忍田!!
ボーダー最強とも言われる忍田は、ブラックトリガーの持ち主を前にして一切の動揺無し!
エネドラはブラックトリガーの力で自らの体を気体化し、それでも残ってしまう弱点は、ダミーを無数に作ることでカバーしているのですが……
無数にあるダミーの存在を知りながら、忍田は一言、「何れにしろ全て斬る」と言っていのけるのです!!

やはり忍田の攻撃は強烈。
次々にエネドラのダミーを破壊していきます。
さしものエネドラもこのままダメーを壊され続け得るのはまずおと考えたのでしょう、攻撃の手を激しくすることで攻め手を緩めさせようとするのですが……
忍田は見事にその攻撃をかいくぐりながら攻撃を継続!
その攻撃の手は休まることはなく、どんどんと攻撃をし続けるのです!!
忍田の攻撃にイラつきを隠せないエネドラ。
ひそかに地中にトリオンをもぐらせ、相手の足元から突然刃をを出す不意打ちの必殺技を放ちました!!
が、忍田はその攻撃も鋭く察知して回避!
逆にカウンターの反撃を放ち、またもダミーをいくつか破壊して見せたのです!
これも忍田の実力によるところ……も大きいのでしょうが、何よりも攻撃が予想できたというのが大きいところ。
この戦いが始まってから、エネドラはその力を存分に発揮してきました。
壁から、床から、時には体の内部から刃をだし、ボーダー隊員を撃破……
その被害は甚大なものですが、おかげでエネドラの持つブラックトリガーが体を液体や気体に変えて刃にすることができるものだとはっきり確定させることができたのです。
となれば、何に気を付けて戦えばいいかもわかってきます。
忍田ほどの男ならば、手の内がわかっている相手に負けるはずもなく。
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お前の敗因は、我々の前ではしゃぎすぎたことだ。
忍田はそう言って、最後のダミー……弱点を破壊したのでした!!

が、相手もさすがでして。
すんでのところで弱点を移動させ、かろうじて致命傷を避けていました。
そしてその隙に自らの体を液体化して移動、いつの間にか高台の上に。
……今まで、避けようのなかった気体化からの体内よりの攻撃は、空調で風を起こすことによって防いでいました。
ですがエネドラが移動した壱は……その空調の風上!
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忍田の体の中から刃が飛び出し……!!

そんな間も、戦いは各所で繰り広げられていました、
磁力を操るトリガーを持つヒュースとは迅が。
小動物のような形のトリオン弾を無数に作り出す攻防一体の能力を持つハイレインとはA級の出水たちが。
そしてビルをも両断する壮絶な斬撃を放つブラックトリガーを持つ歴戦の老兵ウィザとは遊真が!
いかに抜群の戦闘経験を持ち、自分もブラックトリガーを持っている遊真と言えど、ウィザ相手には分が悪いようで。
その豊富な経験が、自分よりウィザのほうが強いと実感させてくれるのです。
そこで思い起こされるのが、亡き父の言葉です。
自分より強い相手と戦うときはどうすることが大事なのか。
それは、勝とうとしないようにすること。
引いて守って時間を稼ぐ。
そうすれば他の仲間が楽になる。
弱いコマが強いコマを止めている、と言うのがすでに戦果としては充分。
ほかの仲間がいない状況なら、逃げの一手あるのみ。
自分の力を見極めて、自分にやれることをやる。
自分の力を見誤ると、死ぬぞ。
……そう、遊真はそうして一度その命を散らしました。
ですが、遊真は引きません!
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あの時とは違うんだ。
勝ち目が薄いからって、逃げるわけにはいかない!


というわけで、ネイバー侵攻編も佳境に入ってきた今巻。
今巻も各地で激戦が続いています。
ですが今巻ではVSエネドラやVSウィザが決着!
徐々に戦いは終結へと向かっていくのです!!
それらの戦いがどのような経過をたどり、どのように決着していくのか。
それも非常に興味深く、読み手を楽しませてくれるのですが……やはりこのシリーズで一番大きな焦点となっているのは修が死んでしまうのか、それとも助けることができるのか、というところでしょう。
その未来の分岐を知らない修は、千佳を渡すまいとただそれだけを考えて走り続けるのです。
その行動は未来をどのような方向に導くのか……?
修を助けたい遊真、助けてやってくれと頼まれた三輪。
運命の時はもう間近!!
今巻も、最初から最後まで手に汗握るお話が楽しめますよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!