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今回紹介いたしますのはこちら。

「ジョジョリオン」第9巻 荒木飛呂彦先生 

集英社さんのジャンプ・コミックスより刊行です。

さて、夜露との決戦を潜り抜けた定助。
石化を治す不思議な果物の存在が明らかになったのですが、どうもその果物を、東方家の長男であり、石化の恐怖におびえているつるぎの父親でもある常敏が手にしていた形跡がありまして。
果物の謎に迫るため、定助はつるぎのアドバイスに従い、常敏に戦いを挑むのです。
その戦いの内容とは……クワガタ同士の戦い、闘虫だったのでした!!


作戦通り、常敏とのクワガタバトルに挑むこととなりました。
子供っぽく、負けず嫌いな常敏はまんまと勝負に乗ってきます。
そして……定助の持ち掛けた「賭け」にもまんまと!
ですが常敏、最初は自分の「ヘラクレスオオカブト」をかけると言っていたのですが、それを止めにして「眉毛を剃る」と言うのはどうか、と提案してきます。
しかも、片眉だけ!!
どこかのバカ一代のような罰ゲームですが、子供っぽい常敏らしい罰ゲームと言えましょう!
ただただ恥ずかしいだけ、それも眉なんて時間が経てばまた生えてくるもの。
本当にとるに足らないものだし、君が止めるというなら止めてもいい。
常敏はそう言うのですが……定助は自信満々で答えるのです。
クワガタは特別な昆虫で、「45秒」だけ「知能」があるとおっしゃいましたね?
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ならば、オレは勝てます。
賭けます……乗った!

常敏は、自分のクワガタは先ほどデモンストレーションでスズメバチを殺したため、闘争心に火が付いている、だから君にもウォーミングアップの時間をやろう、と言うのですが、定助はそれも拒否。
知能があるなら勝つのは俺だ、と余裕の表情を崩しません。
早速始まる両者の戦い。
定助は、つるぎに教えてもらった情報を思い出していました。
息子のつるぎも、常敏のスタンド能力は知らない。
だが、こちらの狙いに気が付かれたら常敏は子供っぽい性格から一気に冷徹なビジネスマンの顔に戻り、情報を引き出すことは無理になる。
だから絶対にクワガタで勝たなければならない。
クワガタの顎は本来縄張りを守るためのモノ、だからクワガタの闘争心をもっともあおるのはメスのフェロモンだ。
……そのアドバイス通り、すでに定助はメスのフェロモンを仕込んでいました。
各人に用意された、クワガタをあおるための筆を手にし……試合開始!!
両者のクワガタは、クワどうしてがっぷりよつに組み合いました!!
すると……虫が出しているとは到底思えないような、バギバギと言う炸裂音が鳴り響き……
じわじわと常敏のクワガタが、定助のクワガタを土俵際へと押し出していきます!
その両者の力比べを鑑賞していた常敏……こんなことを呟きます。
定助、結構闘争心素晴らしいファイトをするじゃないか。
筆先にメスのフェロモンでも仕込んだか?
……つるぎのアドバイスを受け、こっそりとしていた逆転の策が、見破られていた!?
常敏の余裕を証明するかのように、バトルのほうにも動きが現れます。
常敏のクワガタがそのクワに込める力をさらに強め……
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定助のクワガタの片クワを折り取ってしまったのです!!
普段手入れするとき、丁寧に顎の刃を研いでやっている。
アゴ対アゴのパワー戦になった時……その結果は見た通りだ。
淡々と状況の説明をする常敏。
日頃から手入れしてあげている常敏のクワガタが、サイズでしか負けていない定助のクワガタに負けるはずがない!
彼にはそんな自信がみなぎっていて……

常敏のクワガタの攻めはまだ続いています。
定助のクワガタは土俵際で何とか踏ん張っていましたが、常敏のクワガタはクワで捻り、裏返しにしようと力を加えてきて……
定助のクワガタはそれでも裏返されまいと踏ん張るあまり、なんと首がちぎれかけてしまい……!
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グロ注意、首がちぎれるぞ!!
思わず叫ぶ常秀……!!
まさかこのまま、定助のクワガタは敗北してしまうのでしょうか!?
この状況で、定助はこう考えていました。
しゃぼん玉に、メスのフェロモンを、すでに仕込み終わっている。
この絶体絶命の状況下で、すでに看破されているフェロモンに頼る……?
定助は一体何を考えているのでしょうか?
定助と常敏のクワガタ対決は、思いもよらぬ心理戦となるのです!!


というわけで、ジョジョ史上初となる、ガチの虫対虫のバトルを描く本巻。
ジョジョでクワガタと言えばタワーオブグレーですが、あれはもちろんスタンドですし、戦った相手もスタンドでした。
ですが今回は、正真正銘の生の虫同士の対決!!
サイカチ以来となる(かもしれない)漫画誌での本格闘虫が繰り広げられるのです!!
……が、もちろん本作はジョジョですから、ただの虫バトルになるはずがありません。
虫同士は本物のただの虫なわけですが、戦いをけしかける定助はスタンド使いで、相手となる常敏も能力こそ謎なもののスタンド使いであることだけは確実。
この戦いは、虫対虫の体裁をとった、スタンドバトルでもあるわけです!!
いまだかつてないスタンドバトル。
命こそかかってはいませんが、この戦いに敗北すれば、つるぎの求めるフルーツ、そして定助自身の過去のカギが大幅に遠ざかってしまうことでしょう!!
負けることは許されないこの戦い、定助のスタンド能力で勝利することができるのでしょうか!?


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!