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今回紹介いたしますのはこちら。

「血まみれスケバンチェーンソー」第9巻 三家本礼先生 

エンターブレインさんのビームコミックスより刊行です。

さて、ネロの居城へ攻め込んだギーコたち。
快調に進んでいったぎーこですが、そこに立ちはだかったのは囚われの身だったはずのキンバリー。
そのキンバリーが怪しげな薬を注入されて狂暴化!!
そしてギーコの仲間である水島の首を……!!


水島の亡骸を抱き、必死に声をかける部長。
彼女がすでに死んでしまっていることは、どう見ても疑いようがないのですが……部長は現実が受け入れられないようです……
こうなってはもはや部長は戦力にはならないでしょう。
無情ですが、戦いはまだ続いているのです。
しかもその敵は、狂暴化し面影すらなくなったとはいえ……キンバリー。
かけがえのない仲間を失って呆然自失の部長を見て、キンバリーは……嗤っています。
もはやキンバリーはキンバリーではありません。
ギーコたちは覚悟を決めて彼女を倒すことに決め……貫きのチェーンソーを放つのです!!
が。
その刃が到達しようかと言う瞬間のことです。
凶悪な怪物のような姿になっていたキンバリーの体がみるみるとしぼみ、その顔からも険が消えて行くではないですか!!
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とっさにチェーンソーの軌道をそらすギーコ!!
ですがさすがに完全に外すことはできず、肩口に傷をつけてしまうのです。
遺体、血が出てるよ、と弱弱しい声を上げてへたり込むキンバリー。
どうやら元に戻ったようですが……怪しいです。
ですがそこは根が単純……素直なギーコですから、キンバリーが痛がっているからと心配して駆け寄ろうとするのです!
クスリは不完全で元に戻ったんだ、と言うギーコを、ナグルシファーは今大丈夫だからってこれからも大丈夫とは限らないだろうと制止するのですが……
そんなやりとりの最中、再びキンバリーは狂暴化!!
ギーコに襲い掛かってきたのです!!
やっぱりかと迎撃しようかと構えれば、再び元に戻るのです……!
しかもどうやらこれは、狂暴化したキンバリーが元の人格を装っているのではなく、本当に一時的ではありますが元のキンバリーに戻っているようで……
これこそがネロの狙いなのです。
完全の完全におかしくなったのなら、周囲も見切ったりあきらめをつけることができる。
だが、それが難しい状況というものもある。
それは、本人がときに正気に返ること!!
……実際、ギーコやナグルシファーはもはやキンバリーを相手に本気で闘うことなどできません。
キンバリーも狂暴化しているときの記憶はないようで、自分が水島を殺めてしまったことを知って涙を流します。
うそよ、うそ……と呆然とするキンバリーに近寄っていくのは……部長でした。
水島を君が殺したのは本当だ、と言いながらにじり寄っていく部長の手には……高圧の電流で作られた剣が握られています。
そして部長はギーコの声もキンバリーの声も一切聞かず……キンバリーの首を、一撃のもとに……!!
もはや動くことのないキンバリーに、部長はぽつぽつと語りかけ始めました。
君を傷つけないと約束していたのに、君はネロに利用しているだけなのもわかっていたのに。
これ以上罪を重ねさせたくなくて……いや、いいわけだ。
私は君だろうが味方だろうが、どうでもよくなってしまったんだ……
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仲間同士での殺し合いを強いられ、それをせざるを得なくなってしまった。
ギーコの怒りはもはや頂点を越えているでしょう……!
ネロへ、今まで以上の殺意をこめた視線を向けるギーコ……
そんなギーコを見て、ネロは怪しげな表情を浮かべます。
さて、少し忙しくなるわね。
まだまだネロには、手が残されているようです!!

先に向かったギーコたちの前で待ち構えていたのは、碁盤上に張られた鉄骨、そしてその下には激流が流れ、流れ込む先にはすべてを砕くようなミキサーの刃のようなものが回転しているえぐいステージでした。
現れた敵は、機械ガール・ガシャ子と屍肉ガール・魔魅なるこのステージを得意とするネロの側近二人組!!
しかもこの二人組はただ強いだけでなく、厄介なある特性を持っていて……
この難敵を撃破することができるのでしょうか!?

そして戦力としては見込めないこと、そして元ネロの部下だったこともあり、残って水島を弔うことになったドリエのもとにも驚くべき事態が起こってしまいます。
ギーコたちの戦いが、無事終了するように祈っていたドリエなのですが……そこにある人物がやってくるのです。
その人物とは……
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まさかのネロ本人!?
ドリエが残っていることは知らなかったらしいネロ。
ということは、ここに来た目的は……水島の遺体!?
間違いなくよからぬことを企んでいるであろうネロの企みを、ドリエは阻止できるのでしょうか!?
今は裏切ったとはいえ、いわば相手は創造主。
果たしてドリエはここでも根性を見せられるのでしょうか!!


というわけで、卑劣なネロの策略がさく裂する今巻。
三家本先生作品と言えば、どんなキャラがどんなタイミングで死ぬか全く予想できないという側面を持っております。
この作品では意外にそう言うところが少なかったのですが……とうとうやってくださいました!!
元々はにぎやかし&ギャグ部分担当と言ってもよかった水島とキンバリーが、まさかの戦死!!
特にキンバリーは、なんだかんだ生き延びるキャラ、という感じが物凄い出ていたキャラでしたので、ここでの退場はまさかとしか言いようがないのではないでしょうか!!
三家本先生、容赦なしです!!
そして戦死者が出たことにより、本作はシリアス色を強めていきます。
非道なネロに怒りを現すことは今までもありましたが、今回の怒りはとりわけ強いものに。
さらに水島が死んでしまったことで、ギーコと部長の間にも不協和音が……?
そんな状態で、第2次VSネロ線はいよいよクライマックスに突入!!
果たしてギーコたちは散っていった者たちの恨みを果たせるのでしょうか!?
盛り上がるラストバトル、待ったなしですよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!